悪役令嬢によるヒロイン幸せ計画!

海亜

文字の大きさ
上 下
10 / 33

6話:そろそろ目が潰れると思うの

しおりを挟む
「えっと、じゃあまず、自分の名前を言えますか?というか、その前に目を開けて貰ってもいいですか?」

私の目の前には医者の格好をしたイケメンがいた。

この世は顔のいい人しかいないのかっ!!

目を瞑りながらこの世の不条理さを訴える!!

「いえ!大丈夫です!」

だから、お話を続けてください!!!!

「いえ、私が大丈夫じゃないので、目を開けてください。」

「無理です!!!」

私の目を潰す気かあああ!!!!だったらサングラスをくれぇぇぇぇ!!!

うううぅ・・・なんで・・・なんでこんなことにぃぃぃぃ!!!!!!

私、心の叫び。

事の始まりは今から3分前に遡る。

♡⃛ೄ *̣̩⋆̩* ♡⃛ೄ *̣̩⋆̩* ♡⃛ೄ *̣̩⋆̩*

私の状況をよく分かっていない声が部屋に響き渡った頃。

部屋には、頭上にはてなマークを大量発生させて、眩しく輝く2人をガン見する私がいた。

眩しいけどおおお!我慢するんだ私いぃぃぃぃ!!!!ぬおおおお!今、私の気分は、吹雪に抗う女ああああ!!!

カッ!!と目を開けば、天使はとても青ざめた顔をして、人形並の美少年は眉をひそめていた。

その様子にさらに困惑する私。

なぜ、なぜだ、なぜそんなお顔をするんだい!?

「リ、リティー・・・あなた、もしかして・・・。」

そう言って狼狽える天使。

て、天使が狼狽えていらっしゃる!!あばばば!どうしよう!?

「もしかしなくても、そうでしょうね。」

冷静に何かを確信する人形並の美少年。

な、何がそうなの!?お姉さんにも教えてよおおお!!

「わ、私、ルスターさんを呼んでくるわ!!」

そう言って部屋から出ていこうとする天使の腕を掴んで止める人形並の美少年。

「いえ、これは自業自得みたいなものなので、あの人には歩いてルスターさんの元へ行ってもらいましょう。」

「で、でもっ!」

「でもじゃありません。ラリア様。あの人にされたことを忘れたんですか?ラリア様がそんなことをする必要は無いんです。」

「・・・ノア、私・・・。」

人形並の美少年が天使の肩を掴んでなにか言い聞かせてる。

そして、天使は困惑顔で俯いている。

やっべぇ。なんか、私の大好物が始まったんだけどっ!!!

え?なにが大好物かって?ふっ、私、恋愛もの大好きなのさっ!!!

唐突に見せつけられて、会話が何も入ってこないけど、なんか絵面が美麗すぎる!なのさっ!

 ドゥフフフフ!最高すぎるっ!

「・・・!・・・ティー!・・・リティー!リティー!」

はっ!天使の声が聞こえる!

意識を戻すと、あらびっくり!天使の顔が目の前にっ!!!

ギャッ!死ぬ!!!天使すぎて召される!!!むしろ連れてってぇぇぇぇ!!!!

神々しく輝く姿を直視出来なくて両手で目を覆う。

「ハイッ!ナンデゴザンショウ!!」

「ござんしょう?」

「はあ。今から、ルスターさん・・・医者のところまで歩いて行くので、着いてきてください。?」

何故だろう。見なくてもわかる。

人形並の美少年から黒い圧を感じるっ!!

「アッ、ハイ。ワタシ!アルク、マス!」

カタコトになったのは仕方ないと思え諸君!!

そして、私は眩しさに抗いながら死に物狂いで天使と人形並の美少年と一緒に、お医者さんがいるという部屋へと歩いたのだった。
《5m離れて歩いた》
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

別に要りませんけど?

ユウキ
恋愛
「お前を愛することは無い!」 そう言ったのは、今日結婚して私の夫となったネイサンだ。夫婦の寝室、これから初夜をという時に投げつけられた言葉に、私は素直に返事をした。 「……別に要りませんけど?」 ※Rに触れる様な部分は有りませんが、情事を指す言葉が出ますので念のため。 ※なろうでも掲載中

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
ヒロインがいない。 もう一度言おう。ヒロインがいない!! 乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。 ※ざまぁ展開あり

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

えっ、これってバッドエンドですか!?

黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。 卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。 あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!? しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・? よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。

処理中です...