悪役令嬢によるヒロイン幸せ計画!

海亜

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プロローグ

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床に割れて、散らばった食器だった物たち。

座り込んでおでこを抑えるかわいい女の子。

抑えている手からは血が滴っている。

そんな女の子を守るように美しい男の子が刃のように鋭く冷たい目をして私を睨みつける。

その場はしんと静まり返る。

お父様とお母様は驚いた顔をしていて、侍女と従者たちはまたかと呆れた顔をしている。

私はと言うとその光景を見てただただ唖然としていた。

さっきまで感じていた憎悪感もなくただ、なにか、とてつもない違和感を感じる。

「ラリア様の部屋まで今すぐ専属医を呼んで来い!」

「はい!」

「ここを早く片付けますよ!」

「はい!」

執事長がかわいい女の子を抱えてこの場を去っていく。

侍女長も素早く指示を出し周りの侍女たちも動き出す。

なんだろう。これ。何か・・・おかしい。

いつも見ている景色なのに・・・。

え?いつも?・・・ううん。こんな豪華な家に私が住めるわけがないはずだもの。

私の家は普通の家だった、はず。

あれ・・・私、今、何を考えていたの?普通の家?私の家はここなのに・・・。

頭が割れるように痛い。 

「!?リティーちゃん!?どうしたの!?」

お母様が何か言ってる・・・返事をしなくちゃ。

・・・・・・ん?おかあ、さま?

なんで私お母様なんて・・・いつもならお母さんって?・・・っ!いたいっ!

痛すぎて涙が出てきた。

「おい!リティー!しっかりしなさい!」

お父様のこえも・・・だから、なんで、様呼びなんて私はしているの!?

なにか強請る時とか機嫌直しの時とかによく様付けして・・・え、いや、そもそも、私のお父さんお母さんってどんな顔をしてたんだっけ?

そもそも、私は・・・・・・・・・誰?

そんな疑問が脳を掠めたと同時に、私はその場に疼くまり治まらない頭の痛みに耐えきれずそのまま意識を手放した。


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