スノードロップの約束

8章：リア、森の中へ

Ⅰ

ルーシャ様が王城に向かったあと、私はロリアさんと一緒に屋敷の掃除をした。

ロリアさんは、30代後半という年齢よりとても若く見える。最初見た時は、24歳くらいかと思ったくらい。

それに、すらりとしていて身長はきっと170cmはあるんじゃないかと言うほどに高い。

5歳児の私からしたら首を90度見上げるくらいに高い。

私も将来的にはあのくらいになりたい。

そして、黒い艶やかな髪をお団子にキッチリまとめて、少しつり上がった緑色の瞳ができるお姉さん！みたいな感じの風格がある女性。

見た目通りに侍女長という立派な職にいるロリアさん。

現在お付き合いしている人は居ないよう。

気になってる人も居ないようだけど・・・うーん・・・なんか歯切れ悪かったから、いると思うんだよね～！

それに、庭の前を通る度にちらちらと外を見るから、きっと外で仕事をする人とかにいるんじゃないかなー？

こんど、お庭の方を見てみよー！

ということを掃除のやり方などと一緒にメモしていたら、見つかって怒られた。ぶー。

そして、私は見習い兼ルーシャ様の専属侍女！

だから、お部屋の掃除の仕方と志も教えてもらった。


❀ 掃除をする際の志！❀

⒈ マリアンローズ家の皆さんが心地よく過ごせるよう隅々までやる

⒉ ホコリやチリを残さない

⒊ 主人のその日の気分に合わせて部屋の花や香りを変える

⒋ なにか見つけても深堀せずスルーする


他にも志はあるけど、今はこれらのことを大切にしていくらしい。

「それでは、今日の掃除はここまで。つぎは、マリアンローズ家にある森の方へ行きます。」

ロリアさんはそう言うと、キビキビした動きで玄関へ歩いていく。

「・・・・・・森？」

なんで、侍女が森に行くんだろう？

一体・・・森へ何しに？

そんな疑問が頭の中を埋めつくしながら、私は姿勢を綺麗に伸ばしたロリアさんについて行った。

・・・・・・はっ！これはもしや！ロリアさんの想い人の姿を拝見できるのでは！！！？？

ということに気づいた私は、疑問いっぱいだった頭の中に、わくわくした気持ちが途中入場したから、モヤモヤ ワクワクってとても忙しい気持ちになった。



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