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4章:少女転生
Ⅳ
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クルミお姉様の笑いを沈めようとしたけど、私の顔を見る度に笑い続けたので、諦めた。
クルミお姉様の笑いを沈めたのは、ミオお兄様だった。
「こら~。クルミ笑いすぎだよ。」
ミオお兄様はクルミお姉様の頭を撫でる。
そのお陰か、クルミお姉様の笑いはだんだん治まってきた。
頭を撫でると笑いって治まるんだ~。はじめて知った。
「はははは!これはこれは、本当に仲がいいな。それはイオも溺愛するな。イオも幸せだな。はははは!」
威厳のある低い声が部屋の中に響いた。
私たち兄妹は一斉に固まった。
わ、忘れていた訳じゃないよ?ただ、ちょっと、あのー・・・・・・忘れてました。
誰に弁解してるのかよく分からないけど、私たち3人はただただ冷や汗を流した。
帝族は王様みたいな立ち位置。
つまり!その王様を無視して私たちは会話をしてしまった!!それに、私、失礼なことを言ってしまっていた!!!!
不敬罪になってしまう!!
「あ、あ、あの、ごめんなさい!!私が、帝族の意味知らなくてっ!失礼なことをぉぉぉぉ。」
心臓バクバクで土下座する勢いで腰を折り曲げて謝った。
「わ、私も大声を出して笑ってしまったわ!!リアのせいだけじゃないわ!!ごめんなさい!!!!」
クルミお姉様も私と同じように謝るのが、視界の片隅で見えた。
「クルミとリアは悪くありません!長男として僕が罪を!!」
ミオお兄様もきっと同じように謝ってると思う。
うぅぅ。情けない。ミオお兄様とクルミお姉様は何も悪くないのに・・・。
「これはこれは・・・頭を上げよ。私は君たちを罰するつもりは無い。むしろ子供らしくて微笑ましい。ぜひ、我が子であるラムと遊んでやってくれ。」
王様の威厳がある低い声の中にある優しい言葉で私たちは顔を上げた。
ラムと言われた美しい少年は困った顔をした。
「ですが、お父様。僕は、お父様のお仕事を見たいと、我儘を言ってついてきた身です。遊ぶ訳には・・・。」
そういったラム少年の頭に大きな手を載せる王様。
「ラム。お前はとてもいい子だ。だが、ラムにも子供らしく遊んで欲しい。私の願いを聞いてくれないか?」
そう優しく微笑んだ。
ラム少年はそんな王様の言葉と表情に子供らしい笑顔を向ける。
なんか、とても見ていて心が暖かくなる。
そして、かくれんぼ仲間が増えた!!!!
「では、決まりですね。」
ミオお兄様は嬉しそうに笑う。
私はかくれんぼする人数が増えた喜びで、ラム少年に近寄って手を握る。
「!!え・・・。」
「ではでは!!!かくれんぼを始めましょう!!!鬼はミオお兄様でーす!」
驚いた表情とどこか怯えた様子のラム少年に気づかないまま、私はクルミお姉様と一緒に部屋を出た。
「はーい。分かったよ~・・・って、速いな~。ところで、ラム様怯えていましたけど、大丈夫ですか?」
ニコニコ笑ってイオお父様と王様の方を向くミオお兄様。
「確かに・・・もしかして、人見知りなのか?ヴィンス。」
イオお父様は不思議そうに王様に尋ねる。
「いや・・・ラムは魔力が強くて、色々あってね。私とフィルアと信頼してる者しか今まで触れていなかったからな。」
悲しそうに王様はドアの方を見つめた。
「そうなんですね~・・・・・・30。じゃあ、行ってきますね~。」
ミオお兄様は呑気にドアから出ていった。
もちろん。そんな会話をしていたなんて私たちは知らなかった。
──────
ミオの名前をレオと書き間違えていました。申し訳ありません!
クルミお姉様の笑いを沈めたのは、ミオお兄様だった。
「こら~。クルミ笑いすぎだよ。」
ミオお兄様はクルミお姉様の頭を撫でる。
そのお陰か、クルミお姉様の笑いはだんだん治まってきた。
頭を撫でると笑いって治まるんだ~。はじめて知った。
「はははは!これはこれは、本当に仲がいいな。それはイオも溺愛するな。イオも幸せだな。はははは!」
威厳のある低い声が部屋の中に響いた。
私たち兄妹は一斉に固まった。
わ、忘れていた訳じゃないよ?ただ、ちょっと、あのー・・・・・・忘れてました。
誰に弁解してるのかよく分からないけど、私たち3人はただただ冷や汗を流した。
帝族は王様みたいな立ち位置。
つまり!その王様を無視して私たちは会話をしてしまった!!それに、私、失礼なことを言ってしまっていた!!!!
不敬罪になってしまう!!
「あ、あ、あの、ごめんなさい!!私が、帝族の意味知らなくてっ!失礼なことをぉぉぉぉ。」
心臓バクバクで土下座する勢いで腰を折り曲げて謝った。
「わ、私も大声を出して笑ってしまったわ!!リアのせいだけじゃないわ!!ごめんなさい!!!!」
クルミお姉様も私と同じように謝るのが、視界の片隅で見えた。
「クルミとリアは悪くありません!長男として僕が罪を!!」
ミオお兄様もきっと同じように謝ってると思う。
うぅぅ。情けない。ミオお兄様とクルミお姉様は何も悪くないのに・・・。
「これはこれは・・・頭を上げよ。私は君たちを罰するつもりは無い。むしろ子供らしくて微笑ましい。ぜひ、我が子であるラムと遊んでやってくれ。」
王様の威厳がある低い声の中にある優しい言葉で私たちは顔を上げた。
ラムと言われた美しい少年は困った顔をした。
「ですが、お父様。僕は、お父様のお仕事を見たいと、我儘を言ってついてきた身です。遊ぶ訳には・・・。」
そういったラム少年の頭に大きな手を載せる王様。
「ラム。お前はとてもいい子だ。だが、ラムにも子供らしく遊んで欲しい。私の願いを聞いてくれないか?」
そう優しく微笑んだ。
ラム少年はそんな王様の言葉と表情に子供らしい笑顔を向ける。
なんか、とても見ていて心が暖かくなる。
そして、かくれんぼ仲間が増えた!!!!
「では、決まりですね。」
ミオお兄様は嬉しそうに笑う。
私はかくれんぼする人数が増えた喜びで、ラム少年に近寄って手を握る。
「!!え・・・。」
「ではでは!!!かくれんぼを始めましょう!!!鬼はミオお兄様でーす!」
驚いた表情とどこか怯えた様子のラム少年に気づかないまま、私はクルミお姉様と一緒に部屋を出た。
「はーい。分かったよ~・・・って、速いな~。ところで、ラム様怯えていましたけど、大丈夫ですか?」
ニコニコ笑ってイオお父様と王様の方を向くミオお兄様。
「確かに・・・もしかして、人見知りなのか?ヴィンス。」
イオお父様は不思議そうに王様に尋ねる。
「いや・・・ラムは魔力が強くて、色々あってね。私とフィルアと信頼してる者しか今まで触れていなかったからな。」
悲しそうに王様はドアの方を見つめた。
「そうなんですね~・・・・・・30。じゃあ、行ってきますね~。」
ミオお兄様は呑気にドアから出ていった。
もちろん。そんな会話をしていたなんて私たちは知らなかった。
──────
ミオの名前をレオと書き間違えていました。申し訳ありません!
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