こんな俺でも世界救えますか?

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アイツ黒澤祐希の力

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しょうがなく行動を共にする俺は憂鬱だ。
アイツの黒澤の笑顔が怪しい。
裏がある気がする。
「ん?白くん。どうしたの?傷が痛い?」
と、心配しながら言った。
別に、心配するほどのもんじゃない。
喋りかけないでくれと言おうと思ったが、この言い方は喧嘩を売っているようだったからオブラートに包み込むように言った。
「別にそんなに心配しなくていい。
傷もそんなに深くない。大丈夫だ。」
と、これもオブラートに包んだかも分からない。
でも、こんなに優しくしてもらったのははじめてだ……………。
「そう?ごめんね?うん。白くんなら大丈夫だね!」
と、悲しそうな顔をした後すぐに笑った顔になった。
よく表情が変わるやつだ。
そういうのは、俺は苦手だ。
返事はしなかった。する必要がない。
でも、やはり傷は痛む。
と、歩いていたがまたあった。
 
黒い影に。
あぁ、くそ。こんな時に会うとは最悪だ。
「白くん。少し下がっててくれる?」
と、殺気が目に宿っていた。
別に気にならなかった腰についてる刀をとった。
その刃先が黒い影をさしている。
「白くん。これで君を守るよ。見てて。」
と、笑って言った。
いやいやいや。守ってもらうとか聞いてないし!
って、もう遅い。最悪だ
って、え?刀って光るものだっけ。
とてもとても綺麗な青だ。
空、空の晴れた色に似てる。綺麗だ。
「はぁあぁ!」
と、まばゆい光の中アイツは、影を真っ二つにした。
「ぎゃぁぁぁ。ぎぃやぁぁ!!」
と、雄叫びをあげ影は消えた。
切ったとたん刀は光らなくなった。
と、アイツはスッと刀を腰にもどした。
そしてすぐさま。
「ごめんね?だ、大丈夫?怪我してない?」
と、焦りながら言っていた。
あぁ!ムカムカする。
「お前!自分の心配しろよ。俺は平気だ」
と、言った。
俺がこんな事いうなんて自分でもおどろきだ。
「あ。俺?俺は大丈夫だよ~。ありがとう」
と、お礼を言われた。
「白くん。行こうか。」
と、すぐさま言ってきた。まあいいや。
「お、おい。あの………ありがとう。」
と、俺は言った。
あぁ。くそ。恥ずかしい。
「ん?何?聞こえなかった」
と、アイツが言ったからむかっとした。
おっと。危ない力を使うところだった。
アイツの尻を思いっきり蹴った。
「ぐっ!いったいなぁ!俺何した?!」
と、言ったからもう一度。
「ひぃ!痛いよぉ。なにぃ!」
と、言ったがほっといて歩いた。
もう傷はとっくに癒えてる。
俺の力はいつ使わないといけないのだろう。
「白く~ん。待ってよ~」
と、後ろから声が聞こえる。
「………はやくくしろよ!」
と、俺は言って前に進む。
しばらくコイツと一緒にいるのか。
疲れそう。
運命には、逆らえない。
それは俺も知っている。
あらがったっていいじゃないか。
それは、罪。罪だと、知っていても……。
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