鬼凪座暗躍記

緑青あい

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『食女鬼・前編』

其の六

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阿礼雛あれびな、達者で暮らせよ。他の女御にょうごさまがたに、ご迷惑をかけぬよう、しかと学び、奉仕するのだ。三年経てばまた市井しせいに戻れるし、我ら親子四人、一緒に暮らせるのだからね」
「見送りには来られなかったが、これは母さまからだ。手作りの御守りだよ。寂しくなるけど、お前のためだ。しっかり仕事に励め、阿礼雛」
「はい、父さま、兄さま。阿礼雛は一生懸命、勉強し、気品と教養を身につけて、三年後の再会を楽しみに、宮廷奉仕を全う致します」
 夏至も間近い昼日中、後宮権妻舎ごんさいしゃの城門潜り戸には、別れを惜しむ家族三人の姿があった。大店主人とおぼしき壮年男、弱冠の白面はくめん青年が、泪で見送る相手とは、当年十六の箱入り娘。《阿礼雛》と呼ばれた少女は、目が覚めるほどの美貌を誇っていた。
 羞花閉月しゅうかへいげつ、繊細可憐な白皙はくせきで、大きな黒瞳こくどうが印象的な早熟の天女。
 神々しいまでの麗姿は、同じ女性でさえ虜にしてしまいそうだった。
 形のよい鼻梁、あざやかな朱唇、唐輪髷からわまげの艶やかな黒髪、しなやかで気品のそなわった四肢、さらに妖艶で蠱惑的な魅力までかねそなえ……まさに、非の打ちどころがない。
 萌葱もえぎ縹色はなだいろ襦裙じゅくん狢菊紋むじなぎくもん霞帔かひ、七宝銀糸の領巾ひれという装束も、清楚で初々しかった。
「阿礼雛……どうか、達者でな。三年後の再会を、楽しみに待っているぞ。頑張れよ」
 後宮権妻舎は、完全な男子禁制である。
 社殿警護の家臣団は皆、去勢手術を受けた閹官えんかんばかり。
 奥御殿附き商人や、至芸舎しげいしゃから出張して来た役者楽師など、ごく一部の者は出入を許されているが、そこには厳格で険しい、さまざまな制約がある。
 唯一自由に出入が許された男子とは、後宮の主《千歳帝せんざいてい》だけなのだ。
 そんな、通称『四花殿しかでん』へ入内した女御には皆、皇帝の妾妃となり得る可能性があった。
 皇帝の庇護を受ければ、その後の生活は安泰。
 後宮において、絶大な権力を手中に納めることもできるため、女帝争いの戦場ともなる。
「それでは父さま、兄さま……往ってまいります」
 三年後の年季明けまで、容易に会えなくなる父兄へ、深々ふかぶかこうべを垂れる新入り侍女《阿礼雛》――彼女もまた、煌めく美貌がゆえか、波乱含みの入内であった。
 女たちの勢力闘争に巻きこまれる運命を、知らず知らずの内、背負わされていたわけだ。
 帰途に着く父兄を見送り、【劫貴族こうきぞく】の裕福な商家出身娘《阿礼雛》は、下臈げろう妹々めいめい』として、上役『姐々じえじえ』の御側附き見習いからの発進だ。
「親愛なる妹々。菊花殿へ、ようこそ。まずはあなたの『婀娜名あだな』から決めましょう。ここではね、花や樹木、色彩、虫や鳥の名をつけるのが基本なの。姐々の私が《かえで》だから、あなたは《紅葉もみじ》がいいわ。どうかしら、阿礼雛」
 一通りの手続き、挨拶回り、持参物の確認と、身元再検分など、面倒な通過儀礼をすませたのち、阿礼雛はようやく直属の上役『姐々』の居室へと招かれていた。涼殿すずどのの床板へ端座し、額づく美少女に対し、『姐々』は云った。柔和で穏やかな声音だった。彼女こそ、最初の〝鬼憑き〟騒動から、朱牙天狗しゅがてんぐの加持祈祷で、すっかり完治した《楓姫》であった。
 高名な修験者の霊力鬼祓いで、鬼蛭子おにびるこを産んだ、例の高位【劫貴族】出身女御である。
 元来温和で大人しい楓は、後宮内の女御衆とは一線を画す、純粋な心根の持ち主だった。
 阿礼雛は、上役『姐々』が見せた優しい笑顔に、心底安堵した様子で、瞳を輝かせた。
「ありがとうございます、楓姫さま……いえ、大姐々たーじえじえ。《紅葉》の命名、謹んで頂戴致します。そしてこの名に恥じぬよう、しかと菊花殿でのご奉仕に、邁進してまいります」
 呉服大店の一人娘・阿礼雛、あらため《紅葉》は、さすがに行儀作法が往き届いている。
 言葉づかいは丁寧で、しとやかなふるまいも申し分ない。
 楓は十六の美しい手弱女たおやめに、嫉妬することもなく、むしろ他の女御衆から、いかに守ってやるか……そればかり、思いを廻らしていた。
 それは《紅葉》が、里に残した楓の可愛い実妹を、どこか彷彿とさせる娘だったからだ。
「では早速、ここでの仕事内容を説明しましょう。もうじき、社殿警備役の《寮部りょうぶ》閹官もまいります。一緒に後宮内の仕組みを学ぶところから、始めましょうね。規則も多いし、覚えることが沢山あって大変でしょうけど……私がついているわ。頑張ってね、紅葉妹々」
 楓の云った通り、寸刻後、南側居室の扉が開き、まだ歳若い閹官《しゅく寮部》が現れた。
「お待たせしました、楓姫。妹々君とともに菊花殿の主要な場所を、ご案内致しましょう」
 柔和な元結髷もとゆいまげ閹官に促され、楓と紅葉、それに楓の部屋附き侍女四名が、緋毛氈ひもうせんの回廊をゆっくりと歩き始めた。その様子を物陰でうかがう妖しい影には、終ぞ気づかなかった。


「おお、これは『闈司みかどのつかさ』君! ようこそ!」
 同日の宵口、突然の来訪を報せる伝文が届き、侍従長守役、寮部三役、閹官世話役、護衛監吏官など、そうそうたるメンツが出迎えたのは、後宮監吏官筆頭『闈司・姑洗太保こせんたいほう』であった。四方輿しほうごしに乗り、従臣わずか十名を引き連れての、お忍び風の入内であった。
 抜き打ちの女御衆監査、とは表向きの名目。実際は女好きの闈司、帝の手がつかぬ美姫の寂しい閨房を、慰めにやって来るのが実情だった。内舎人うどねり、暗黙の了解である。
そう寮部、相変わらず壮健そうじゃの」
 いかつい閻魔顔に、立派な口髭、恰幅のいい大柄な体躯は、痩身の白髪老寮部をねぎらい、その背をポンと勢いよく叩く。宋寮部は、思わず転倒しそうになったが、若い新入り夙閹官に支えられ、なんとか苦笑いを浮かべた。
「それで、今宵はどちらの女子を……?」
 侍従長の問いかけに、闈司太保《董朱薇とうしゅび》は、若干顔色をくもらせた。
 裏城長屋門に輿と臣下を待機させ、中から二人だけ手招きする。
 道士風の黒長袍くろちょうほうに身をつつんだ、いささか胡乱うろんな男たちである。
 後宮全域を支配下に置く『闈司』は、妾妃の差配や身元調査、監吏官の不正究明、人事権、支出の総決算、皇帝の政務調整、舎殿内部の庶務など、仕事内容は多岐に渡る。
 ゆえに同役を伴い、女御の体でもてなすことも、よくあることであった。
 だが此度の来訪で連れて来た二人は、どう見ても官吏に見えぬ。
 訝る宋寮部に対し、闈司はこう切り出した。
「実はな、こちらのお二方は……神祇府じんぎふより出向して来た吟味方密偵なのじゃよ。〝鬼憑き〟の祈祷邪鬼祓いにおいては右に出る者のいない、それは素晴らしい道士さまなのじゃ。ここまで云えば、判るじゃろう? 今宵、わしがここを訪ねた理由は、女御と同衾どうきんするのが目的ではない……宋寮部。人の口に戸は立てられぬぞ。噂は必ず、もれ伝わる。無論、儂の耳にもな……後宮監吏太鑑『闈司』としては、とても捨ておけぬ、忌々しき事態じゃ」
 宋寮部のみならず、裏城櫓の板張り居室へ勢ぞろいした後宮高官一同、『闈司』の言葉に青ざめた。ことを荒立てぬよう、わざわざ『夜仏深山よぼとけしんざん』から、高名な修験者を召喚してまで火消しに躍起だった〝鬼憑き〟騒動は、すでに外部へ……いや、こともあろうに最も知られたくなかった『闈司』本人へ、もれ伝わっていたわけだ。上役に黙ってしでかした、此度の不祥事。さて、何人の首が飛ぶことか……と、皆が冷や汗まみれで端座する中、当の『闈司』は、カラカラと大笑した。仰天して、閻魔顔を仰ぎ見る一同。
哈哈ハハ、死人のような顔をして! 早まるなよ、莫迦者ばかものめが! 斯様な不祥事が表沙汰になれば、儂の首とて軽々飛ぶわい! だからこそ、このお二方に協力を仰いだわけじゃよ。いささか、高くついたがのう……やむを得まい、皆の衆!」
 ざっくばらんな監吏のセリフに、高官一同唖然呆然。
 すると、道服姿二人の内、長身で高い元結髷の男が、まず自己紹介から始めた。
「私は《蒐杏しゅうあん》と申します。今し方、『闈司』君よりご説明頂いた通り、神祇府【聖真如族せいしんにょぞく】出身、邪鬼祓いの専門道士でございます。これは、私の実弟《蒐々しゅうしゅう》です。生憎、口が利けませんもので、代わりに紹介致しますが……幼いながら『心眼カリダ』の持ち主で、生来より、並外れた神通力を秘めております。必ずや皆さまがたの、お役に立つことでしょう。また、すでにここへ逗留中の《朱牙天狗》殿とは、実は旧知の仲。同じ道場で以前、仙術修業に励んだ間柄です。彼の加持祈祷は、大したものですゆえ、あまり心配はしておりませぬが……一人より二人、三人の方が、鬼業きごうの禍根を、より早く見出し、取り除けるはずです……と、いうわけですので、どうぞ以後、お見知りおきを」
 威厳ある低音で、長広舌を垂れ、額づく神祇府道士《蒐杏》だ。
 一回り小柄で、なぜか全身白布でつつんだ弟《蒐々》も、兄にならい低頭する。
 眉をひそめ、顔を見合わせる高官たちに対し、『闈司』が鷹揚おうような声音で云いそえた。
「弟《蒐々》君は皮膚が弱く、些細な陽光を浴びただけでも命取りになるそうな。それゆえ、たぐいまれなる才気を秘めまがら、上位神祇官でなく、下級斎官の更に下《道士》として働いているそうな。弟思いの兄上《蒐杏》殿も、そうした次第で下役雑官の地位に甘んじておるのじゃ」と、脇息きょうそくにもたれ、寮部が用意した酒肴を忙しなく口に運ぶ大食漢だ。
「では、まず朱牙天狗殿に、お二方のことを話し、これまでの経緯を説明した上で……」
 閹官筆頭の提案を、『闈司』は即座に却下した。閻魔顔から笑みを消し、身を乗り出す。
「此度の件では喃……その朱牙天狗にも、邪式じゃしき・呪法を用いたという嫌疑が、かけられておるのじゃ。まぁ高名な祈祷師ゆえ、よもやとは思うが、この者たちの本職は密偵……嫌疑が晴れ次第、協力段階へ移行するとして、今は何事も、秘密裏に進めたい。ここに集まったお歴々以外、決して知ること叶わぬ密約じゃ」
『闈司』は、こうがいで首筋をかき、居並ぶ高官一同を見渡した。
 秘密をもらせば、斬首すると、暗に脅しをかけている。列席者は首をすくめた。
 蒐杏道士は、監吏の進退落魄など眼中にない様子で、古びた文献や資料を淡々と床板へ広げ、早速『邪鬼』に関する講釈を始めた。
――此度の件は、我が密偵捜査官の情報収集をまとめた結果、【食女鬼うかめおに】に依る禍根でないかと推量致します。実は楓姫さまの〝鬼憑き〟騒動や、高位女御衆の乱心より早く、この一月あまりで、すでに三十六名もの上臈じょうろうが、謎めいた死や失踪をとげておられる。しかも菊花殿だけに止まらず、他三花舎にも及ぶ異常事態。我々《神祇府道士》長年の経験からかんがみても、これは【食女鬼】の所業と見てまちがいないでしょう。そも【食女鬼】とは、《泥梨百冥鬼ないりひゃくめいき》にも名をつらねる獰悪どうあくな鬼神。同じ食女鬼でも、下級の邪鬼なら掃いて捨てるほど、壊劫穢土えこうえどにひしめいておりますが、七生輪廻を繰り返すことで、いよいよ〝鬼神級〟の禍力かりきを得られるのが特徴です。食女鬼は雌雄同体、寿命は百年前後で、死期が迫ると人界へさまよい出し、まず生贄の女体を調達。巧妙な憑依には、怨嗟を抱いて自害した瀕死の美しい女体が必要なのです。その空蝉を悪用し、人間男女の交合で生じる和合水わごうすいを吸い取り……あるいは孕み腹三月以内の胎児水子を糧にして、ようやく雌雄分離する仕組です。本体の雌が懐妊し、つがいとなる雄を自ら出産するのです。つまり自分の夫を自分で身篭り、生育させ産み落とす次第。こうした手順を踏み、食女鬼は己が生んだ夫と交合、吾子あこ……いえ、真新しい体を造るのです。まるでヤドカリの如く、淫虐な交合や堕胎児喰いの果て出産した鬼子へ、幾度も宿替えするのです。さらに【食女鬼】は、名が示す通り女体や胎児だけでなく、女の〝影〟をも喰らい、空蝉へ憑依することでしか現世に留まれません。出産まで七七日なななぬかと短く、これも最初に憑依した女の〝四十九日忌〟が明けるまでと決められております。こんな具合ですので、【食女鬼新生】には種々の条件を満たさねばなりません。もう一度要約しますと、始めに現世とつながる泥梨鬼道ないりきどうを見つけ、次に怨嗟を抱き自害した瀕死女体を手に入れ憑依、しめに四十九人の孕み女から堕胎させた赤子と、同数の男から吸い取った精気を併せた和合水を、吾子の生餌とする……期限は四十九日間。それでも、鬼神級なれば人目を誤魔化し、新しい体を得るでしょうな。無論、数多あまたの犠牲を出すこととなりますがね。その上【食女鬼】は、最初に憑依した女の過去や記憶、苦痛まで喰い物にする怪士あやかし。生前の本人と、なんら遜色のない所作ふるまいができる。ゆえに始末が悪い。唯一弱点は〝影〟と〝泪〟ですが、普通、影は誰の物でも、現世においては黒い物。しかし鬼神の影は、朱色に浸染されています。とはいえ常人の目で、看破できようはずがない。我ら道士とて、的確に鬼の遺影を見きわめられるかは正直不安です。とにかく、これさえ見きわめてしまえば、神祇官の秘術『影法師かげぼうし』の呪法を用いて、女の空蝉から【食女鬼】を追い出すは容易……もうひとつ、泪というのは、本体【食女鬼】でなく、奴が孕む【番鬼つがいおに】の弱点でして……番鬼は、多淫多情な男女の和合水・水子を糧に成長しますが、臨月間近、だいぶ体がかたどられて来た時点で、処女の泪に一滴でも触れようものなら、たちまち身は爛れ、胎児返りし、最期は死者の精血へと溶解する運命。だからこそ【食女鬼】は古来より、遊郭と後宮を好むのです。失礼な云い方でしょうが後宮ならば、己の身をおびやかす天敵〝処女〟が、まったく存在しない場所。安堵して吾子の生成に励める……多分、失踪した三十六名の女御や、色狂いで乱心した女御衆も、鬼難きなんの犠牲になったものかと……此度の騒動の裏には、そうした事情から【食女鬼】がからんでいると見て、まちがいないでしょう。なんにせよ、これが【食女鬼】の禍力なのです――
 蒐杏道士は、説明を終えるや長嘆息した。
 腰帯の酒瓢箪さけびょうたんを景気づけにあおり、『闈司』を横目で一瞥する。
 後宮に〝処女〟がいない理由は、入内前の儀式にもとづく。所以〝破瓜はか〟である。
 儀式の実行と検分も、『闈司』が担う御役目の一端なのだ。
 いざ閨房、うろたえず、つつがなく、上手く皇帝との交合を行えるように。
 また、女御が膣内に、危険物を仕込んでいないか、安全管理の観点から、調べる意味合いも含む。ゆえに、処女が入内せぬのは、当然なのだ。
 それにしても……後宮監吏官は、凄まじい【食女鬼】の生態に、唖然呆然。
 時折、互いの顔を見合わせ、ザワザワと小声で謀議する。
 だが『闈司』は、困惑いちじるしい監吏一同の倉皇そうこうに破顔。
 剛毅に膝打ち、笑いながら宣言した。
「さて、くわしい探索方法と、かくなった経緯については後刻、諸々話し合うとして……やはり女子おなごが欲しい喃。そろいもそろって陰気臭い男ばかりだと、気が滅入るわい。まずは女子の淫水で、濁世の厄落としよ。但し、水子となる和合水は作らぬように喃。これというのを二、三人見つくろい、例の隠し部屋へ連れてまいれ。謀議は、それからじゃ」
『闈司』に促され、後宮監吏官一同は、深々と頭を垂れた。早速、女御を調達し、酒池肉林が開始される。驚き呆れる寮部連中を横目に、神祇府下級道士の《蒐杏》も便乗する。
 唯一人、皮膚病で口も利けぬという小柄な弟《蒐々》だけが、怒気を孕んだ藍眼あいがんで、男たちの放埓ほうらつなふるまいを、じっと睨んでいた。
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