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『鬼戯子』
其の五
しおりを挟む……鬼灯手鞠 カラコロ転ぶ
鬼寄せ神楽の 五墓日詣で
とと様とと様 柘榴になぁれ
黄泉竈喰ひの 血神酒酔ひ
埋葬虫いっぱい 手鞠に詰めて
真っ赤な茅の輪に 放りましょ
鬼灯手鞠 カラコロ転ぶ
不如帰門を 転げて堕ちる……
彼の唄に、ひときわ大きな反応を見せたのは、佳苗だった。
重要な記憶の扉が、開いた瞬間だ。
「啊、思い出したわ! そう、この唄の通りなのよ! 玲ちゃんはいつもまちがえてた! とと様とと様って、二回繰り返すのよ! 逆に正しい唄の時には、かか様かか様、達者で御座れって! 事件の二、三日前……私、聞いたのよ! どうしていつもわざとまちがえるのって! そしたら玲ちゃん、あの小父さんは嫌いだからって、確かにそう云ったわ!」
「「「なんだって!?」」」と、声をそろえて驚愕する三人。
次の瞬間、盲目で両足が不自由な修験者は、拍子木を大きく打ち鳴らし、立ち上がった。
喝食行者も寂螺医師も、ともに満面の笑顔で拍手している。何事かと、思わず後ずさる笙瑞、佳苗、沙耶、紫瑛に対し、実は晴眼で健脚の修験者が云った。
「お前たち! よくぞここまで来てくれた喃! そして恐怖に打ち勝ち、よくぞすべてを思い出してくれた! これでようやく、真犯人の確証がつかめたぞよ! あの幼子の怨念もきっと、盂蘭盆が終わる前に晴らせよう!」と、修験者。
「あとは儂らにまかせなさい。あなたがたの役目はすんだ。約束通り、早々にお引き取り頂いて結構。いや、早くここから出るべきだな。入口まで案内してやろう」と、寂螺医師。
「お前らみてぇな怪我人は、血の臭いで獣を寄せやすいんだ。下手すっと、玲凛の二の舞だぜ。さっさと出て往くこったな」と、喝食行者。
忌地住民のセリフに、四人は当惑を隠しきれなかった。
わけも判らぬまま召集され、今度はわけも判らぬまま、追い立てられようとしている。
「そうは往くかよ! てめぇ、ただじゃ……」
紫瑛はまだ収まらぬ憤怒を喝食にぶつけようとしたが、それをなだめたのは笙瑞だった。
「紫瑛君、帰ろう。確かに、忌地へ長居は危険だ。とくに、体が弱っている佳苗ちゃんは、立っているだけでも、つらそうだよ。だから、さぁ……」
紫瑛は、青ざめた佳苗の顔色を顧みて、また、沙耶の身も案じられたので、やむなく笙瑞の意見に従った。忌地住民の〝顔役〟ともいうべき三人は、古木の元に白痴青年を残し、笙瑞、紫瑛、沙耶、佳苗を引き連れ歩き始めた。謎めいた怪士どもに先導され、四人は釈然とせぬまま進み、四半時後、ようやく元の街道へ出た。
赤腐土の境界線から、現世の黒い土壌へと、最後の一歩を踏み出した彼らは、禍々しい瘴気の暗澹世界から解放され、胸一杯に新鮮な夜気を吸いこんだ。
倦怠感の残る体で、もう一度忌地を振り返る。すると、修験者に並んで、どうしたわけか……笙瑞はまだ、忌地の中に佇んでいたのだ。三人は驚き、口々に叫んだ。
「喂、なにしてんだ! 早く出ろよ、笙瑞!」
「どうしちゃったのよ? 忌地に長く留まるのは、危険だって……そう云ったのは、笙君じゃない! 早く、こっちへ出て来てよ!」
「笙君! あと一歩でしょう? お願いだから心配かけないで! 早く外へ出て頂戴!」
だが笙瑞は、寂しそうな微笑を湛えたまま、忌地の境界線を決して越えようとはしない。
業を煮やした紫瑛が、忌地に戻って引っ張り出そうとした時、修験者の大喝が飛んだ。
「いかん! 二度と再び忌地の境界を越えてはならぬ! この青年は元より忌地の住民なのじゃよ! お前たちとは最早、棲む世界がちがう! あきらめて疾く立ち去るがよい!」
「嘘だろ……笙瑞!?」
「そんなこと……まさか!」
「冗談でしょ!? ねぇ……笙君!」
三人に激震が走る。紫瑛、沙耶、佳苗は絶句。とても信じられぬといった表情で、笙瑞の穏やかな白面を見つめる。笙瑞は、柔和な微笑で口元を結び、三人に深々と一礼した。
「僕は、六年前……十二の時に、熱病で死んだんだ。不如帰門の向こうで再会した、玲ちゃんの亡魄を救いたい一心で、こちらの御坊の加持力もお借りして、冥府から舞い戻ったんだよ……面差しの似通った、忌地住民の空蝉を憑坐にしてね……盂蘭盆が終われば、僕はこの世の者でなくなる……皆、すまない」
笙瑞の深沈とした語り口に、三人は胸が詰まって言葉にならない。
沙耶の瞳から、大粒の泪がこぼれ落ちる。苦界生活では一度たりとも泣かなかった【泪麻族】が、自由を得た日から、涙腺が壊れたように、泪の流れ通しだった。
それでもまだ、信じたくない佳苗は、忌地の境界越しに、笙瑞へ手を伸ばそうとする。
まさにその刹那、田園畦道の土手下から急に駆け出して来た男が、佳苗の前に平伏した。
「こ、紺慈!? お前……何故、ここに!?」
佳苗は吃驚して、目を見開いた。紫瑛も沙耶も唖然として見守っている。
二十一、二の若い宅守《紺慈》は、嗚咽まじりに謝罪した。
「若奥さま! 申しわけありません! 私が茶碗に、毒を盛りました! 若奥さまの辛労を、見るに堪えきれず……しかし、そのせいで若奥さまに、多大な苦痛を与えてしまいました! 心よりお詫び致します! どうか、お許しください!」
地べたに額をすりつける宅守、彼の真摯な心根に打たれ、佳苗は感激を隠せなかった。
「判っていますよ、紺慈……こちらの寂螺先生が、すべて教えてくれました。私はむしろ、寂螺先生にも、お前にも、感謝しているのですよ」
佳苗は、夫が帰宅する直前、居室に薬湯を持って現れた、紺慈の様子を思い出していた。
いつもひた向きに佳苗と接する紺慈が、あの時だけは、何故か彼女の視線を避けたのだ。
「紺慈はな、常日頃から〝宅守〟ではなく、身分にかかわらず名前で呼び、失敗しても悪逆主人からかばってくれる心優しい佳苗殿が、好きで好きでたまらんそうだよ。儂が調合した一過性の毒薬が、あまりに酷い効果を発揮したもんで、そやつ……真っ青になって儂の元へ飛んで来おったわい。まさか、あれほどの効き目を現すとは思わなんだのだろう」
寂螺医師の口添えに、頬を赤らめる紺慈。
白髪の隻眼老医師は、さらにこうつけ加えた。
「佳苗殿、あなたはもう燕家に戻る必要はないぞ。他の宅守に因果を含めてな……『若奥さまと紺慈は、医者に化けた怪士に殺されました』と報告して、今頃は性悪姑の寿命を縮めておるだろう。例の暴虐亭主も、同様の証言をするはずだぞ。最早、なんの懸念も無用。二人でどこへなりと往き、今度こそ幸せに暮らすことだ。紺慈となら、それも叶おう」
紺慈は、いよいよ顔を真っ赤にしてうずくまる。
佳苗は、そんな紺慈の手を取り、泪声でささやいた。
「紺慈……頭を上げておくれ。ありがとう、本当にありがとう」と、彼の無骨な手に頬ずりする。後方で見守る沙耶と紫瑛も、泪ぐんでいた。
「若奥さまの往くところなら、どこへでもついて往きます。どうか、お供させてください」
「喂、男だったら『黙って俺について来い』くれぇのこたぁ、云えねぇのかよぅ、紺慈!」
忌地の中から茶化す喝食の脇腹を、隣の笙瑞が肘で小突く。寂螺医師は笑っている。
「あ~あ、クソ! まんまとヤられたぜ! ワケも判らず翻弄されっ放しだ! これじゃ、寝覚めが悪くて仕方ねぇや! なぁ……玲凛を殺した真犯人だけでも、教えてくれよ!」
真顔で忌地の面々を振り返る紫瑛、うなずく沙耶と佳苗。
彼らの心情は、察するにあまりある。
だが忌地の顔役たる修験者は、炯々と赤目を煌めかせ、威厳に満ちた声音で答えた。
「お前たちが、この八年……かかえ続けた不幸は、今宵この地に置いて往くがよい。玲凛の遺恨は、必ずや儂らの手で決着をつける。もしこれ以上、下手に事件を詮索すれば、お前たちは、またしても重荷を背負って歩むことになるぞ。そんなことは、玲凛とて望んではおらぬ……そして、宋笙瑞もな!」
修験者に肩を叩かれた笙瑞は、幽かな孤影をゆらし、濃密な夜霧につつまれて逝く。
空蝉から燐火をくゆらせ、存在を薄める笙瑞の亡魄は、今にも消えてしまいそうだ。
「待てよ、笙瑞! 逝くな!」
「笙君! さよならなんて、嫌よ!」
「お願い! 逝かないで、笙君!」
悲痛な泪声で叫ぶ紫瑛。
沙耶と佳苗も消え逝く幼馴染みに、泣きながら手を伸ばしている。
「お別れだよ……紫瑛君、沙耶ちゃん、佳苗ちゃん。皆、玲凛ちゃんや僕の分まで、長生きしてね。これだけは約束するよ……玲凛ちゃんを殺した〝鬼〟は、先刻伝えた通り、盂蘭盆が終わる前に、必ず不如帰門をくぐるだろう。だからもう、なにも心配せず、忌地のことも、僕らのことも忘れ、紫瑛君は沙耶ちゃんと、佳苗ちゃんは紺慈さんと、すえ永く幸せに暮らして欲しい……」
皆にそう告げるや、笙瑞の遺影は形を崩し、無数の蛍火と化して、忌地の奥深くへと飛散した。儚くも幽玄な笙瑞の送り火蛍に、忌地の外の一同は、ただ恍惚と魅せられていた。
夜明け間近、忌地から次々と出て来たのは、【鬼凪座】の四人であった。
大芝居を終えて、呑気にあくびする寂螺医師は《癋見の朴澣》だ。
無論、【手根刀】の禍力を用い、四人を閉じこめたのも、彼の左半身に宿る鬼業だった。
「どうもいけねぇな、あの手の愁嘆場や人助けは、俺の性に合わねぇや。こそばゆくって、たまらんぜ……演出にも、無理がありすぎた」
瓢箪酒をあおる修験者は、勿論《一角坊》だ。
「なにを云うか、儂は満足しとるぞ? 鬼凪座の正体は明かさず、上手いことあの三人を煙に巻いたではないか。予定通り、まだ一人の死者も出しとらん。依頼内容にも適っとる」
そこに、消えたはずの笙瑞が、道服姿で現れ、白面を外し、元結髷を解く。
すると黒髪は、赤毛の蓬髪に変じ、いつもの《夜叉面冠者》に戻る。操術二手の幻惑調香師でもある、恐ろしい鬼面男は、懐から白檀匂袋を取り出した。
「今回は大活躍でしたな、一角坊。さぞかしご満悦のことでしょう。私は面倒な役を押しつけられて、いささか気分がよろしくないですがね」
表情のうかがえぬ夜叉面だが、声音に怒気を含んでいるのは確かだ。
なにか気に喰わぬらしい。
「そりゃあ、こっちのセリフだぜ! 随分とまぁ、散々にこき下ろしてくれたよな! その上、非道ぇ名前おっつけやがって! 下下六なんて、まるで卑族の隠亡じゃねぇか!」
今回、素のままで演じた《夜戯れの那咤霧》は、路傍に唾吐き、座長を睨みつけている。
「莫迦! お前が悪ぃんじゃねぇか、那咤! あの娼妓に本名を告げたりすっから、役名とアベコベになっちまったんだ! 面倒臭ぇ!」
「そうじゃ! のちのち面倒なことにもなりかねんのに、なんだってまた、あの娘にだけ自前で近づいたりしたんじゃ? 阿呆な男よ喃!」
一角坊の鋭い指摘に、那咤霧は舌打ちする。
「うるせぇ、坊! 余計なお世話だぜ! どう名乗ろうが、俺の勝手だろうが! てめぇとちがって、俺は本名を知られたくらいで馬脚を表すような、間抜けじゃねぇんだよぅ!」
色々な意味で、いつもと趣きが異なった今度の事件……朴澣の露になった琥珀眼は、那咤霧と夜叉面の心中を慮り、苦笑いした。那咤霧は沙耶に、本気で恋心をいだいていたのだろう。夜叉面も、佳苗に未練があるようだ。
その三人が、忌地住民を装った【鬼凪座】に説得され、ようやくここから旅立ったのが半刻前。朴澣は、三人の協力も得て、たどり着いた真相の惨さに長嘆息した。
森陰を振り返ると、本物の忌地住民十三名が、境界の縁で、名残惜しそうに【鬼凪座】四人組を見つめていた。
「忌地の諸君! ご協力、感謝するぜ! これから、いよいよ芝居は大詰めの終幕を迎えるワケだが、その時ぁまた、忌地の庭先をお借りするぜ!」
悪相琥珀眼の座長に丁寧なお辞儀をされ、忌地住民たちは照れ臭そうに笑い合っている。
「お、俺たち、あ、あんたらがき、き、気に入った。い、い、いくらでも協力するぜ!」
「遠慮なく、ここを使ってくんな! あんたたちなら大歓迎だぜ! いっそ、事件のカタがついたら、ここで一緒に暮らさねぇかい?」
「哈哈! それがいい! とくに、そちらの一角さん! あんた……本当に、見れば見るほど、俺たちの大事な『おんつぁ』にそっくりだぁ!」
「なんだか、うれしいんだよゥ。五年前、老衰で死んじまった『おんつぁ』が、還って来てくれたみてぇでさァ。『おんつぁ』は俺たち皆の守り神だったモンなァ……懐かしいや」
「怪我や病気を治したり、規則を作って弱者をいたわったり、『おんつぁ』は、他に往き場のねぇ日陰者を、いつも助けてくれたっけ」
忌地住民たちは、白髪や修験装を解いてもなお、『おんつぁ』に瓜二つだという一角坊を、泪ながらに取り囲み、体中触って嗚咽する始末。
「これ、やめんか! 儂は『おんつぁ』ではないぞ! そう、べたべたと気安く触るな!」
一角坊はあせり気味に住民たちの手を払い、忌地から遠ざかろうと躍起になっている。
「とにかく、その話はあとだ。最後の仕上げにかからねぇとな。明日は盂蘭盆送り火の日。締めくくりにゃあ、打ってつけの鬼灯夜になるだろうぜ。早速だが夜叉面、宿喪に伝文を放ってくれ。あの野郎、路傍で祈祷師に化けたっきり、ヒマを持てあましてるだろうからなぁ。出番だって、教えてやるんだよ。小躍りして、喜ぶぜ」
「承知!」
夜叉面は、脚に伝文入りの筒を巻いた、子飼いの大鴉を、勢いよく夜空に放った。
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