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唐突な別れ
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___あぁ、くだらない。
僕は今、学校にいる。
そして、女子に囲まれながら弁当を食べてる。
羨ましい?そんなにいい物じゃない。そもそも、学校なんて嫌いだ。みーんな僕の顔ばっか見やがって。
僕がどんなに苦労しててもみんな顔が良ければ人生イージーモードとか言うし。
「早瀬くんってホント可愛いよね!」
「そうかなぁ、ありがとう。」
とりあえずお礼だけはしておく。
あ、早瀬くんってのは僕の名前。
まぁお察しの通り僕はカワイイ系の美少年。人生イージーモードそう?ナルシストそう?
そう見えるかもね。
自分でも顔はいいと思ってるけど、こんな囲まれるくらいならブスが良かったよ...
僕、本質は陰キャだし...
だから、早く帰ってしまいたい。
もっと言うなら、早くあの方の小説を読みたい。あの方は気まぐれ更新だから、通知欄を見るのが楽しみだ。
まぁ更新されてなくても見るけど。
あの方って誰か気になった人、いい質問だね。
あの方は僕の推してる__人?推し小説家?____まぁ、今ハマってる小説家様だ。
女の子のおべっかを聞き流しながらあの方の事を考えていると、ふとあの方の新作を思い出した。
(そういえば新作が出てたはず!朝に突如投稿されたから読めてないんだよなぁ...
あー、早く帰りたい...帰って推し活をしたい...早退したい...なんでこんな長いんだよクソ...)
心の内で毒づいていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
僕はとっくに弁当を食べ終わって本を読んでいたので、本をしまって教科書を取り出す。
僕の顔ばっか見てチヤホヤしてた女子は蜘蛛の子を散らすように自身の机に向かっていった。
(暇だ。かなり暇。)
5時間目は歴史の授業だったのだが、既に塾で習った範囲だった為聞く必要もなく大変暇である。
こんな時にスマホがあれば...と思ってしまうのは許して欲しい。
最近あの方は一切の投稿をしてなかったのだ。ソワソワするのも仕方ない。
自分の中でそう結論付け、授業がさっさと終わるよう願った。
ようやっと家に帰って、即スマホを開く。
そして、通知欄を確認し、あの方からの通知がある事に喜ぶ。
そしてあの方の新作を見る。ワクワクしながら見たその小説は、僕が想定もしていない報告だった。
「やめます」
そんな短いタイトル。
その、たった4文字で、僕の心に色々な感情が湧いて出てくる。
辞めないで欲しいと言う願い。
どうして辞めるんだという憤慨。
あの作品を完結させて欲しいという悲観。
何故辞めてしまうんだという疑問。
もしかしてドッキリではという欺瞞。
それら全てを教えぬまま、あの方は自分の作品を消した。自分のユーザーページすら消してしまった。
もう、あの方がいた事を証明する事も出来ない。
その報告を読んでしばらく、呆然としていた。ただ、その場でボーッと天井を見つめていた。
辞めた。
あの方は辞めたんだ。
新作に全て目を通していた。オリキャラの子達はみんな名前を覚えている。あの方の小説について感想を聞かれたなら1時間は語れた。
X(旧Twitter)にアカウントを作ったと聞いた時、わざわざ登録して追いかけていたあの方。
そんなあの方が辞めた。
Xの方のアカウントを見た。鍵垢になっていて、僕ではもう見れなくなっていた。
「そっか、消えたんだ。
もうあの人は、僕の推しだったあの人じゃなくなっちゃったんだ。」
自分で口に出しといて、なんとも心にくる。
その日、僕の推しは突如として消えた。
僕は今、学校にいる。
そして、女子に囲まれながら弁当を食べてる。
羨ましい?そんなにいい物じゃない。そもそも、学校なんて嫌いだ。みーんな僕の顔ばっか見やがって。
僕がどんなに苦労しててもみんな顔が良ければ人生イージーモードとか言うし。
「早瀬くんってホント可愛いよね!」
「そうかなぁ、ありがとう。」
とりあえずお礼だけはしておく。
あ、早瀬くんってのは僕の名前。
まぁお察しの通り僕はカワイイ系の美少年。人生イージーモードそう?ナルシストそう?
そう見えるかもね。
自分でも顔はいいと思ってるけど、こんな囲まれるくらいならブスが良かったよ...
僕、本質は陰キャだし...
だから、早く帰ってしまいたい。
もっと言うなら、早くあの方の小説を読みたい。あの方は気まぐれ更新だから、通知欄を見るのが楽しみだ。
まぁ更新されてなくても見るけど。
あの方って誰か気になった人、いい質問だね。
あの方は僕の推してる__人?推し小説家?____まぁ、今ハマってる小説家様だ。
女の子のおべっかを聞き流しながらあの方の事を考えていると、ふとあの方の新作を思い出した。
(そういえば新作が出てたはず!朝に突如投稿されたから読めてないんだよなぁ...
あー、早く帰りたい...帰って推し活をしたい...早退したい...なんでこんな長いんだよクソ...)
心の内で毒づいていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
僕はとっくに弁当を食べ終わって本を読んでいたので、本をしまって教科書を取り出す。
僕の顔ばっか見てチヤホヤしてた女子は蜘蛛の子を散らすように自身の机に向かっていった。
(暇だ。かなり暇。)
5時間目は歴史の授業だったのだが、既に塾で習った範囲だった為聞く必要もなく大変暇である。
こんな時にスマホがあれば...と思ってしまうのは許して欲しい。
最近あの方は一切の投稿をしてなかったのだ。ソワソワするのも仕方ない。
自分の中でそう結論付け、授業がさっさと終わるよう願った。
ようやっと家に帰って、即スマホを開く。
そして、通知欄を確認し、あの方からの通知がある事に喜ぶ。
そしてあの方の新作を見る。ワクワクしながら見たその小説は、僕が想定もしていない報告だった。
「やめます」
そんな短いタイトル。
その、たった4文字で、僕の心に色々な感情が湧いて出てくる。
辞めないで欲しいと言う願い。
どうして辞めるんだという憤慨。
あの作品を完結させて欲しいという悲観。
何故辞めてしまうんだという疑問。
もしかしてドッキリではという欺瞞。
それら全てを教えぬまま、あの方は自分の作品を消した。自分のユーザーページすら消してしまった。
もう、あの方がいた事を証明する事も出来ない。
その報告を読んでしばらく、呆然としていた。ただ、その場でボーッと天井を見つめていた。
辞めた。
あの方は辞めたんだ。
新作に全て目を通していた。オリキャラの子達はみんな名前を覚えている。あの方の小説について感想を聞かれたなら1時間は語れた。
X(旧Twitter)にアカウントを作ったと聞いた時、わざわざ登録して追いかけていたあの方。
そんなあの方が辞めた。
Xの方のアカウントを見た。鍵垢になっていて、僕ではもう見れなくなっていた。
「そっか、消えたんだ。
もうあの人は、僕の推しだったあの人じゃなくなっちゃったんだ。」
自分で口に出しといて、なんとも心にくる。
その日、僕の推しは突如として消えた。
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