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一
二十二
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今日もこのサーバーは治安が悪い。
死体撃ち、味方撃ち、チート行為、下ネタ、海賊版。
そういえば、アジアサーバーは比較的治安がいいらしい。
ならば、そちらに移れば平和に楽しくゲームをプレイできるのではないか?
ふと、そう思いアカウントを消し、新しく登録を始める。
「名前はどうしようか」
なんとなく思いついた「Artel」という名前にする。
意味は確か日本語で言う黒、だった気がする。
そうして新規登録し、ログインすると見慣れた最初の街が視界に広がる。
さぁ、最初の街に向かおう。
そう意気込んで最初の街近くに向かい、近場の草原で数十分間狩りをしていると、ここではありえないほど強大な反応がした。
そこを見ると、通常ならポップしない凶悪モブが湧いていた。
近くにいた同じような初心者はどんどんHPが削られている。
ささやかな抵抗として攻撃をしているがもはやダメージにすらなっていない。
ついにモブが私を捉えた。
あぁ、私も死ぬ。そう思った時
黒ずくめの、かなり高ランクの魔法の杖を持った謎のプレイヤーがそのモブに攻撃した。
その攻撃だけでモブのHPが半分は削れる。
シールドを辺り全員に付与し、回復する。
それをこなしつつ敵を相手にする。
どうにかして戦力になりたい。
私が選んだジョブは「悪魔」
強いが、誰かに「仕える」ということをしなければ力を発揮できない。
大抵の人がフレンドがいる状態でやるのだが、あいにくアジアサーバーなのを忘れて悪魔を選択してしまったのだ。
それ故、この場では最弱。
しかし、仕えれれば戦力になるであろう現状。
この場での最善は__
__目の前の黒ずくめのプレイヤーにフレンド申請を送る。
メッセージに「私も戦力になりたいのです。どうか」と書いて
そして、プレイヤーから「後で解除するが、今は手伝え」と言う返信付きで受理され、迷いなく「仕える」を押す。それも受理された。
これでダメージが通るようになったが、恐らく攻撃は無駄なので防御や回復の援護をする。
そして、黒ずくめのプレイヤーが何度目か分からない大規模魔法を放つと、ようやくモブが倒れた。
多くの初心者プレイヤーが倒したモブの経験値を貰い、黒ずくめのプレイヤーは皆に回復魔法を施し、私についてくるように言って街に向かった。
黒ずくめのプレイヤーは私との主従関係を解消し「本垢に変えてくる」と言って、私にここで待つよう指示した。
数分ほど待つと、緑髪のプレイヤーが現れた。
それは、最近世界ランクを急激に繰り上げ、有名になってきているギルド、「ルクア達の部屋」の管理者『ミカン』だった。
最初は疑いを覚え、ステータスを見せてもらったのだが、紛うことなき本物であった。
ここでギルドとは何かわからない人のために説明しておくと、ギルドとは最大100人で組める大規模パーティーのようなものだ。
もちろんランク高位の者がいればそのギルドの人気は高まるし、人数が集まれば世界ランクを上げれる確率も高まる。
そして、ルクアの部屋は現在は2名の少数ギルド。それでいてランキング上位なのだから2人の実力がどれほどなのかは分かるだろう。
彼女からフレンド申請が届く。
少し驚きつつ承認すると即座にメッセージが届いた。
「巻き込んでごめんな。私はミカン、よろしく」
「いえ、助けて頂き誠にありがとうございます。私はアーテル。お好きにお呼びください。」
そして、その後もやり取りを続けていると、唐突にギルド招待が届いた。
「何故かギルド招待が届いたのですがミスですか?ミスであればキッチリ拒否致しますので!」
あまりに驚き、ミスかと確認した。
というか確認しない人こそいないだろう。
人気急上昇中。申請は全て拒否。
そんなギルドから招待が来たのだから。
「ミス?そんな訳ないだろ。あの場での冷静な判断と今会話して良い奴だと思ったから入れようと思った。ただそれだけだ」
少し。いえ、かなり驚きました。
彼女がこのように気さくな人物だったことにも驚きました。
ですが、出会って1日も経っていない私を招待して下さったのですから。
驚かないわけないでしょう?
もちろん、喜んで招待をお受けいたしました。
ですが、私は今仕える主がいないので雑魚中の雑魚です。
そのような私でも大丈夫なのでしょうか?
そう思ったのですが、彼女からメッセージ付きで主従関係申込が届きました。
「確かに今のお前は弱い。でも私に仕え、腐ることなく努力すれば私に追いつける。だから、私と来い」
嬉しかった。
彼女が私を認めてくれて。
私は、こんな方に使えれるのだ、そう誇らしくなった。
そして、彼女からの申請を受けいれた。
それからはこれ以上ないほど楽しい時間が続いた。
彼女、いえ、ご主人様は学生らしく、昼間はほとんど居ないが、夕暮れになると毎日ログインする。
その時間に合わせて私もログインし、レベリングをする。
何年かプレイしている間にギルドには仲間が増えた。
口の悪さ故にその才を見抜かれず、どのギルドにも弾かれた者。
強すぎるが故に同ランクからは遠巻きにされ、チーター扱いを受けた者。
雑魚スキルしか持っておらず、才能に気づかれず見捨てられた者。
他者と合わせることが苦手すぎて、力を認められずにギルドから追い出された者。
口下手過ぎて、他者と関係を築けず独りになっていた者。
まだいるが、そのようなはぐれ者たちを集め、統率したのがご主人様であり、その者達の居場所を用意したのがルクア様である。
__その2人が消えた。
唐突に。何の連絡もなく。
ただ、消えた。
ログインしなくなった。
オンラインにすらならない。
だが、何故なのかを知る由もなく私は死んだ。
通り魔から、小さい子供を庇った。
心残りがあるとすれば、ご主人様の声を最期に聞きたかった、それくらいだろうか。
そして、目覚めた時にはゲーム内だった。
ゲームのアバターで、見慣れた森で、私は生き返った。
私には、ゲームでの固有スキルである主の居場所を常に把握できるスキルは健在だった。
その後、ご主人様がいる場所まで狩りをしつつ飛んで行き、ヴィロン公爵の館に到着した。
公爵はご主人様に精神的攻撃でもするつもりなのか気持ちの悪い笑みを浮かべながらギロチンの近くに立っていた。
不愉快だ。
そして、ご主人様の元に降り立つ。
ついでにギロチンを破壊しておいた。
ご主人様は目を見開いて固まっているが、まぁ仕方ないだろう
我がご主人様を地下牢などと言う劣悪な場所にぶち込み、あまつさえ情婦にする?
ストーリー通りに、ご主人様の前で人を殺す?
許せるわけないだろう。そんな無礼。
ふざけるな下衆が
さぁてと、この下衆をどうやって遊んでやろうか?
死体撃ち、味方撃ち、チート行為、下ネタ、海賊版。
そういえば、アジアサーバーは比較的治安がいいらしい。
ならば、そちらに移れば平和に楽しくゲームをプレイできるのではないか?
ふと、そう思いアカウントを消し、新しく登録を始める。
「名前はどうしようか」
なんとなく思いついた「Artel」という名前にする。
意味は確か日本語で言う黒、だった気がする。
そうして新規登録し、ログインすると見慣れた最初の街が視界に広がる。
さぁ、最初の街に向かおう。
そう意気込んで最初の街近くに向かい、近場の草原で数十分間狩りをしていると、ここではありえないほど強大な反応がした。
そこを見ると、通常ならポップしない凶悪モブが湧いていた。
近くにいた同じような初心者はどんどんHPが削られている。
ささやかな抵抗として攻撃をしているがもはやダメージにすらなっていない。
ついにモブが私を捉えた。
あぁ、私も死ぬ。そう思った時
黒ずくめの、かなり高ランクの魔法の杖を持った謎のプレイヤーがそのモブに攻撃した。
その攻撃だけでモブのHPが半分は削れる。
シールドを辺り全員に付与し、回復する。
それをこなしつつ敵を相手にする。
どうにかして戦力になりたい。
私が選んだジョブは「悪魔」
強いが、誰かに「仕える」ということをしなければ力を発揮できない。
大抵の人がフレンドがいる状態でやるのだが、あいにくアジアサーバーなのを忘れて悪魔を選択してしまったのだ。
それ故、この場では最弱。
しかし、仕えれれば戦力になるであろう現状。
この場での最善は__
__目の前の黒ずくめのプレイヤーにフレンド申請を送る。
メッセージに「私も戦力になりたいのです。どうか」と書いて
そして、プレイヤーから「後で解除するが、今は手伝え」と言う返信付きで受理され、迷いなく「仕える」を押す。それも受理された。
これでダメージが通るようになったが、恐らく攻撃は無駄なので防御や回復の援護をする。
そして、黒ずくめのプレイヤーが何度目か分からない大規模魔法を放つと、ようやくモブが倒れた。
多くの初心者プレイヤーが倒したモブの経験値を貰い、黒ずくめのプレイヤーは皆に回復魔法を施し、私についてくるように言って街に向かった。
黒ずくめのプレイヤーは私との主従関係を解消し「本垢に変えてくる」と言って、私にここで待つよう指示した。
数分ほど待つと、緑髪のプレイヤーが現れた。
それは、最近世界ランクを急激に繰り上げ、有名になってきているギルド、「ルクア達の部屋」の管理者『ミカン』だった。
最初は疑いを覚え、ステータスを見せてもらったのだが、紛うことなき本物であった。
ここでギルドとは何かわからない人のために説明しておくと、ギルドとは最大100人で組める大規模パーティーのようなものだ。
もちろんランク高位の者がいればそのギルドの人気は高まるし、人数が集まれば世界ランクを上げれる確率も高まる。
そして、ルクアの部屋は現在は2名の少数ギルド。それでいてランキング上位なのだから2人の実力がどれほどなのかは分かるだろう。
彼女からフレンド申請が届く。
少し驚きつつ承認すると即座にメッセージが届いた。
「巻き込んでごめんな。私はミカン、よろしく」
「いえ、助けて頂き誠にありがとうございます。私はアーテル。お好きにお呼びください。」
そして、その後もやり取りを続けていると、唐突にギルド招待が届いた。
「何故かギルド招待が届いたのですがミスですか?ミスであればキッチリ拒否致しますので!」
あまりに驚き、ミスかと確認した。
というか確認しない人こそいないだろう。
人気急上昇中。申請は全て拒否。
そんなギルドから招待が来たのだから。
「ミス?そんな訳ないだろ。あの場での冷静な判断と今会話して良い奴だと思ったから入れようと思った。ただそれだけだ」
少し。いえ、かなり驚きました。
彼女がこのように気さくな人物だったことにも驚きました。
ですが、出会って1日も経っていない私を招待して下さったのですから。
驚かないわけないでしょう?
もちろん、喜んで招待をお受けいたしました。
ですが、私は今仕える主がいないので雑魚中の雑魚です。
そのような私でも大丈夫なのでしょうか?
そう思ったのですが、彼女からメッセージ付きで主従関係申込が届きました。
「確かに今のお前は弱い。でも私に仕え、腐ることなく努力すれば私に追いつける。だから、私と来い」
嬉しかった。
彼女が私を認めてくれて。
私は、こんな方に使えれるのだ、そう誇らしくなった。
そして、彼女からの申請を受けいれた。
それからはこれ以上ないほど楽しい時間が続いた。
彼女、いえ、ご主人様は学生らしく、昼間はほとんど居ないが、夕暮れになると毎日ログインする。
その時間に合わせて私もログインし、レベリングをする。
何年かプレイしている間にギルドには仲間が増えた。
口の悪さ故にその才を見抜かれず、どのギルドにも弾かれた者。
強すぎるが故に同ランクからは遠巻きにされ、チーター扱いを受けた者。
雑魚スキルしか持っておらず、才能に気づかれず見捨てられた者。
他者と合わせることが苦手すぎて、力を認められずにギルドから追い出された者。
口下手過ぎて、他者と関係を築けず独りになっていた者。
まだいるが、そのようなはぐれ者たちを集め、統率したのがご主人様であり、その者達の居場所を用意したのがルクア様である。
__その2人が消えた。
唐突に。何の連絡もなく。
ただ、消えた。
ログインしなくなった。
オンラインにすらならない。
だが、何故なのかを知る由もなく私は死んだ。
通り魔から、小さい子供を庇った。
心残りがあるとすれば、ご主人様の声を最期に聞きたかった、それくらいだろうか。
そして、目覚めた時にはゲーム内だった。
ゲームのアバターで、見慣れた森で、私は生き返った。
私には、ゲームでの固有スキルである主の居場所を常に把握できるスキルは健在だった。
その後、ご主人様がいる場所まで狩りをしつつ飛んで行き、ヴィロン公爵の館に到着した。
公爵はご主人様に精神的攻撃でもするつもりなのか気持ちの悪い笑みを浮かべながらギロチンの近くに立っていた。
不愉快だ。
そして、ご主人様の元に降り立つ。
ついでにギロチンを破壊しておいた。
ご主人様は目を見開いて固まっているが、まぁ仕方ないだろう
我がご主人様を地下牢などと言う劣悪な場所にぶち込み、あまつさえ情婦にする?
ストーリー通りに、ご主人様の前で人を殺す?
許せるわけないだろう。そんな無礼。
ふざけるな下衆が
さぁてと、この下衆をどうやって遊んでやろうか?
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