周りに愛される主人公

あかさ

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1章

13 蜜柑の寂しさ

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~蜜柑side~

蜜柑「アハハッ ……徹が1人、徹が2人~」
花珠「とうとう壊れたな…蜜柑」
徹「ど、どうしたんだ?蜜柑は?」
花珠「初恋が散りそうなんだとよ」
徹「へぇ、そりゃ大変だ」
花珠(余計なこと言ったらやばそうだからやめとこう……)


はぁ、徹が
徹がぁぁぁ!!!
俺の徹が取られる
どうする
どうする????
やっぱり光希あいつを土に埋めるか
よし、そうしよう
早く穴を掘ってあいつを

トントン

肩を優しく叩かれる
俺は後ろを振り返ると

徹「どうしたんだ~蜜柑」
蜜柑「徹……」

可愛い……
可愛い
俺の徹が可愛い
よし、
結婚しよう徹
もうこれは式を早くあげないと、
じゃないと、
徹がどこの馬の骨かも分からんやつに取られる!?
ただでさへこんなに可愛いのに!
徹は俺が守ってあげなきゃだよな!
そうと決まれば
徹のそばにずっといなきゃ!!


蜜柑「徹!!今日こそ一緒に」
徹「あ、光希先輩!!!」


蜜柑「徹~明日一緒に~」
徹「すまん、明日はちょっと予定が」


蜜柑「徹~2人っきりで学校抜け出そ」
徹「昼ドラでも見たか?」


蜜柑「徹~大好き」
徹「あ~、そっか、蜜柑、うん、おう」


……


蜜柑「嫌われんのか????」
花珠「確かに、このごろなんか本当に様子おかしいな、前はもっと蜜柑に構ってやってたろ」
蜜柑「……徹、いったい何が……」



え、これもしかしてガチで好きな人いんのか、
嘘だろ、
俺その時、徹と心中する!!


蜜柑「徹!!心中しよ!!」
徹「……どうした、病院行くか??」


……


蜜柑「なんで、なんだ」
花珠「それはお前が悪い」
蜜柑「だって、徹が構ってくれないから」
花珠「なんかあんだろ、そりゃぁ、徹だってお年頃だぞ、」
蜜柑「そうだけど、違ぇんだよ!!!」
花珠「へぇ~、ほ~、ふ~ん」
蜜柑「人の話を聞け!!」
花珠「だって、今日のお前の話は徹尽くしだから、胸焼けしそう、もうお腹いっぱいだわ、」
蜜柑「それでも聞けーーー!!!」


まぁ、確かに今日一日中
俺は徹のことしか話してない
だって、あの徹が
俺の可愛い徹が
俺の隣にいた徹が


蜜柑「あぁ、徹……なんでぇぇ、」
花珠「重症だな」


俺の視界が少し滲んだ
周りがぼやけて見える
でも、俺は何故か気にならなかった
それは無意識に出ていたからだ


徹「……蜜柑、大丈夫か?」
蜜柑「うっせ、」( ˘ ˘) ツーン
徹「ん~、どうしたんだ?」
花珠「徹が構ってやらないせいで拗らせてんだよ……」
蜜柑「違ぇ」
徹「あ~ごめんな、蜜柑、なんか俺が悪いみたいだか、謝る」
蜜柑「……脳のねぇ謝罪はいらねぇ」

ガタッ

俺は椅子から立ち上がり
教室から出る
後ろから徹の声が聞こえたが
無視してやった
もう、徹なんか


蜜柑「……知らねぇ、徹のバカ、俺は徹が好きなのに、なんで、」


徹はいっつもそうだ、
無意識のうちに好きにさせといて
結局、俺達は毎回勘違いと言う言葉で徹に言いくるめられる。
あいつも
そいつも
こいつも
皆、徹が好きなのに
徹は一切それに関わらない


蜜柑「……割り切られてるのかな……」


徹にとって、俺はどう写ってるのか
そんなの、
徹じゃないんだから
わかるわけが無い
徹が誰かを好きになるとか
わかんねぇよ、
タイプを聞いても
そいつが好きな人な訳じゃない
徹にとって、
俺は、
もしかしたら_______


徹「蜜柑……」
蜜柑「……」
徹「そこにいんだろ?どうしたんだよ、」
蜜柑「………」
徹「お願いだ、蜜柑、聞かせてくれよ…」


徹はそうやっていつも俺を……
くそっ、
何故かいつも愛おしい存在が
今は鬱陶しく感じてしまう
本当はそんなこと考えたくないのに
勝手に考えてしまう……


蜜柑「お前なんか、知らねぇ……お前なんか俺は……」
徹「蜜柑」ギュッ
蜜柑「……はっ///」
徹「懐かしいな、前はこうやってくっついてただろ??」


そう言って徹は俺を強く抱きしめる
……
少し嬉しかった
何故か、少し気持ちが落ち着いた
俺は、徹にめっぽう弱い
それは、
自分でも理解するくらい
だって、それほど徹が好きだからだ


徹「蜜柑……聞かせて?、ダメかな……」
蜜柑「……徹、が、」
徹「へ?」
蜜柑「徹が、俺の事邪険にしてるから」
徹「え??」
蜜柑「……どうせ、俺のことなんて邪魔だと思ってんだろ……俺なんかいない方がいいんだろ、俺なんか……」


そう言おうとした
だがそれは出来なかった
何故か、
それは、
徹に口を手で塞がれたからだ


徹「そんなこと言うな…お願いだ、な?」
蜜柑「……」
徹「ごめんな、この頃遊べなくて、でも俺は蜜柑にクラスメイトと仲良くしてもらいたくて」
蜜柑「……そんなの、どうだっていい、」
徹「へ?」
蜜柑「俺は、徹が隣にいてくれるだけでいいんだ……」
徹「俺?」


俺は徹に向き合う
徹は目を見開いて俺を見る
綺麗な瞳が俺を射止めた
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