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1章

記憶が消えても覚える色

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月日は流れ
ハナは16歳になった
婚約者とも上手くやっていき
幸せな日々を過ごしている、
はずなのだが、


「なぜか、、可笑しいの」

「お体に何かありましたか?」

「いいえ、至って健康なのだけど、
ねぇプリッツ、私どこかおかしいのよ、
自分の体だから分かる」


ハナが庭に目を向けると、
そこには、淡い色の桜の花が咲いていた

なぜか、
ハナはその色から目を背けることなんてできなかった。

「あの花、綺麗ね、私ピンクが好き」

「それは初耳ですね、でも、なぜピンクなのですか?」

「分からないの、なぜか、惹かれるの、、好きに理由っているのかしら、」

「いいえ、いりませんわ」

フフフッとほほ笑みを浮かべ、
プリッツはカップに紅茶を入れて
ハナは紅茶をすすりながら、また桜を見るのだった。

あの悪魔事件から、
ハナはとても元気に育ち、
父と母、プリッツも使用人もみんな安堵していた

ただ、一つだけ問題があった。


それは、ハナが



ガサガサ


「ほら、見て、バッタのゴンザレス!?」

「……、、ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!」


とんでもなく虫好きになってしまったという事である。

プリッツも母も父も使用人も、
みな虫が苦手なので、
虫になると皆ハナは手に負えないのだ

なので今日も朝から皆、
虫から逃れるべく、死に物狂いで逃げたという

バッターン!!

「おーい!ハナ!迎えに来たぞ」

「あ、カイル様!?」

「だからカイルでいいって言ってんのに」

「いいえ、カイル様の方が位が高いので当たり前ですよ。、」

この女、まぁ、私より頭も運動神経も悪いけどと心の中でおもっているのである

「まぁ、そうだけど」

「あ、まだご飯食べてないので椅子にお座りくださーい」

「もうそろそろで学校始まるのだが、」

「大丈夫です!連絡はしておきました」

「手回しが早くて何より」


そう言ってカイルも椅子に腰掛けた
カイルも昔の美しい天真爛漫なショタ、
と比べて
大人っぽく色っぽくなり男の色気を持っていた。

なので、見た目と性格のギャップ、王位後継者でもあるカイルは、老若男女から甘やかされて育っている。

とんだ甘やかされお坊ちゃんだ


「にしても、カイル様、ネクタイどこに行きました?」

「え、わ、ほんとだ!!気づかなかった」

「これで何度目か分かりませーんね、
カイル様」

「この口か、この口が悪いのか」

ニヒッと笑うハナにカイルはハナのほっぺたをつまんでムギューッとする

ハナは痛くてジタバタと暴れる

「がー痛い痛い!!やめてやめて!暴力はんたーい!!」

「うるせぇー」

「ごほん、おふたり共、怒りますよ」

「すみません」

「すいません、プリッツ」






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