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プロローグ

大切な恋人

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~NOside~


暗く不気味な大橋で
仲良く2人で手を繋ぐ女の影、
人もいなく2人だけの空間で
2人は冷たい風に吹かれ身震いする。

満天の星空には
大きく美しく光る綺麗な月が見えた。
月光はまるでスポットライト、
2人がスポットライトをあびる主役とヒロインのように2人の物語は進む……

人は誰しもが過ちを犯す生き物だ。
それは誰であろうと人生数十回、数百回は経験する。
この2人だってそうだ、
ある過ちを犯した。
今日はその償いをしに来たのだ。

2人は防護柵を跨いで地覆に立つ。
水面からは2人の姿が映し出される。

「綺麗」

1人は黒く艶やかな髪を1つに結
赤く紅潮した頬は
白い肌によく目立っていた。
黄金色の満月に似た瞳を揺らしている女を
はな
花は水面を見下ろす。

「そうだね」

もう1人は、淡い桃色の髪をおろして、
瞳は透き通るような茶色、
まるで猫のように瞳孔は細くギラギラと光っている女は
瑠樺るか

瑠樺のその瞳は隣にいる、
恋人の花の姿を映し出す。

「なんだろうな、私は瑠樺と会うまではこんな結末になるとは思わなかったんだよ。」

「私もだよ、まさか、花がこんなに子供っぽいとは思わなかった」

昔の瑠樺から見た花の印象は物腰が柔らかく、聞き分けも良く、上品な女だった。

だが、今は違う、
今の瑠樺から見た花は、お転婆で我儘、癇癪も時々おこす、
まるで気まぐれで短期、すぐにどこかへ行く自由奔放な猫のような我儘お姫様だ。

隣にいる花は瑠樺の視線に気がついたのか
スッと視線を隣にいる瑠樺に向ける。

「もう、なに?私の顔に見惚れたの?」

「花の横顔も、花の笑顔も、花の全てを、私はずっと見てきたんだよ。」

「熱烈~、さすが瑠樺、」


2人は数十秒間お互いに視線を交わす。
そして、2人は優しく笑い合う。

「また、2人であそこに行きたいな。ほらあの花畑のさ~なんだっけ?」

「自分で言って忘れたの?もう、ラベンダー畑でしょ?」

「そうそうそれ、また、2人で行きたいなって、」

2人はお互いを確かめ合うように互いを抱きしめあった。
体格的に瑠樺の方が体は小さく、瑠樺を包み込むように花が抱きしめる。

「はぁ、こんなはずじゃなかったのにな」

そして2人は水面にむかって飛び込む


2人は来世に期待して、自分達が望む世界を夢見て思いを馳せた。











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