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山猫は雑踏を走る
Side優&一平(1)
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目の前で争っていた二人を突然伸びてきた足が蹴り倒した。
「邪魔なんだよ、どけ」
視線を上げて声の主を見る。見るまでもなく聞き慣れたこの声は。
「優!」
「い……っぺ、さん」
一平だった。見慣れない黒いつなぎにベスト、ヘルメット姿だが間違えるわけがない。一平はすぐに膝をつき、アスミに支えられている優を抱きとろうと腕を伸ばす。察したらしいアスミが優を一平に渡し、無事一平の腕の中に納まった。慣れ親しんだぬくもりとにおいにガチガチに不安で固められていた心がふわっとほぐれる気がする。たまらなくなって一平の胸にぎゅっとしがみついた。
「優、怪我は――って、これ」
一平の目が首と両手首の銀の輪で止まる。一平もこの輪のお世話になったことがあるのだ、当然だろう。一平の眉間にぎゅっと皺が寄る。
だがそこにさっき蹴り飛ばされた男が一平に殴りかかった。
「この野郎おおおっ!」
一瞬反応が遅れてしまった。一平がそれに対処しようと振り向く直前、声が響いた。
「コードLINX、起動。
起きろ、ジュン!」
東だ。その声が聞こえた瞬間、アスミの表情が変わる。
不安そうな瞳には強い光が、八の字に下がった眉は少し吊り目気味に持ち上がり――
気がついた時には座り込んだ体勢のままで殴りかかってきた男を殴り飛ばしていた。
「たかあき。来るの遅いし起こすの早すぎる」
「どーしろってんだ、このドラ猫」
「とにかく、このおっさん達全部片付ければいいんでしょ」
「ああ」
ジュンだ。アスミがジュンに戻っている。嬉々として男達をなぎ払いに走って行く彼女に優は安堵半分、呆れ半分。一平は訳がわからず呆然としている。
(そ、そうだ。ボーッとしてる場合じゃない)
はっと我に返り、優は一平を見上げた。まだくらくらしているが、手は動かせるので一平のシャツを引っ張る。
「一平さん、あの、バッグ、取り返して――萩原が、持って、逃げ――」
「バッグ? あ、あれか。わかった、ちょっと待ってて」
すぐそばの木に優をもたれかけるように座らせ、そのままその場から一平の姿が消える。同時に少し離れたところにいる萩原の背後に出現、持っていたバッグを取り上げた。
「あっ! てめえ!」
萩原の怒声が響く。同時に一平に向かって殴りかかっていった。
萩原自身はそれなりにいい体格をしていて、本人もパワーには自信があった。長めの茶髪にピアスなんてちゃらそうなファッションをしているが、それなりにけんかっ早いし強い。テレパシー能力がなくてもそうそう負けたことはないのが自慢、なのだが。
右のフック、ボディーブロー、蹴り上げる脚、すべてをことごとく弾かれていく毎にいらつきが増していく。どんどん攻撃が荒く、大振りになってしまっている。
そこへ一平の重い突きが鳩尾を直撃した。
「――っ、の、野郎ぉぉお」
萩原がギリッと奥歯を食いしばり、苦痛に耐えながらもきつい眼光で一平をにらみつける。途端に一平をがつんと脳を揺さぶられるような衝撃が襲った。萩原の能力だ。
あまりの衝撃に声も出ず片膝をつく。倒れなかったのは普段の鍛錬の成果だろうか。
だがそこまでだ。目の前にふらふらの萩原が立ちふさがり、一平の腹を思い切り蹴り上げた。
「ぐっ!」
「ただで済むと思うなよ。ギッタギタのボロッボロにしてやんぜ」
さすがに地面に転がってしまった一平に萩原がもう一度脚を振り上げる。その光景に優は震えあがった。今すぐ一平を助けたいけれど超能力はバリア・システムで妨害されている。優は思わず悲鳴を上げた。
「一平さん! やめてっ!」
「一平? そうか、あんたが麻生一平か」
萩原がにやりと口の端を上げる。
「大沼の野郎が悔しがってたよな、負けたって。そいつを俺がボコるんだ、気分いいね」
「やめて! お願い、ひどいことしないで!」
「お~、かわいいこと言うじゃねえか。んじゃまあ、肋骨全部へし折るくらいで許しといてやるよ」
そう言って脚を大きく振り上げる。優はたまらずぎゅっと目をつぶった。
だが想像していた苦悶の声は聞こえない。
「――?」
そっと目を開けると、何とか起き上がった一平と、逆に崩れ落ちた萩原の姿が目に入った。そして、向こうから歩いてくる複数の人影。
「あっ、蘇芳さん」
「二人とも、無事?」
人影の先頭に見慣れたプラチナブロンドを見つけて、優はほっと安堵の息を漏らした。
「私は大丈夫だけど、一平さんが」
「だい……じょうぶ、ちょっとぐらぐらするけど――怪我は、ないから」
優は回復してきたので自力で立ち上がり一平に駆け寄った。優と一緒に蘇芳も一平に肩を貸して立ち上がらせる。
「あれは蘇芳さんが?」
優が萩原を振り返って聞いた。
「ああ、全然防御してなかったみたいだからね、脳にピンポイントで衝撃送る奴が一発で効いちゃったよ。油断していたんだろうな。」
脳にピンポイント、というのは以前優が相対した江口の使った手だ。蘇芳はそれを真似したのだろう。テレパシー能力に関しては、パワーは優の方が上だがコントロールや正確さは蘇芳の方が上なのだ。さすがだなあ、と思わず感心してしまった。
そして気がつくと乱闘していた男達は全員地に這いつくばっていて、暴れ回って満足そうな顔のジュンがその真ん中に立っていた。
「ジュン?」
「あ、優! さっきはごめんね。怪我がないみたいでよかったよ」
やっぱりまたジュンに人格交代したらしい。何がどうなっているんだろう。
ジュンが駆け寄ってくるのと入れ替わりにSRPの人達が一斉に倒れた男達へと駆け寄っていき、手際よく拘束していった。みんな一様に一平と同じ黒いユニフォームを着ている。
優とジュンはひとしきりお互いの無事を確かめて、それからSRPの作業へと視線を移した。さくさく拘束されていく一団を眺めながら優はジュンに聞いた。
「ねえ、何がどうなってるの?」
「うん、説明したいところなんだけど。実はあんまり時間がなくてね。こいつが」
といってジュンはいつの間にか後ろに立っていた東を見上げた。
「こんなに早くあたしを起こしたからさ、そろそろ時間切れなんだよ」
「時間切れ、ってまた」
「うん、悪いけど後はたかあきに聞いてよ。どこまで話していいかもわかんないしさ」
ジュンが肩をすくめたところに東が口を挟む。
「ああ、それなら問題ない。彼女は『池田優』さんだ」
「池田優? ――あああっ、そうだったんだ!」
「え、え? そうだ、そういえば東さんと知り合いってことは、ジュンもSRPの関係者?」
「何だ、それならお互いに隠していた感じかな。――あ、そうだ」
ジュンが突然優の首に手を伸ばした。銀色の首輪に指をかけたジュンはポッキーでも折るようにパキンと首輪を折り取ってしまった。両手首も同じように外す。
「ジュン、ありがとう!」
優がお礼を言っている横で一平と蘇芳が目を丸くしているが、その説明は後にさせてもらおう。
「どういたしまして――おっと、そろそろ本当に限界みたいだから、後はたかあきに聞いてね。んじゃ」
そう言うなりジュンは目を閉じ、ふわっと倒れてしまった。それをさりげなく東が受け止める。今度はアスミに交代することなく気を失ってしまったようだ。その顔を見つめながら東がため息をついた。
「まあ、とにかく帰りましょう。説明しますよ、いろいろね」
「邪魔なんだよ、どけ」
視線を上げて声の主を見る。見るまでもなく聞き慣れたこの声は。
「優!」
「い……っぺ、さん」
一平だった。見慣れない黒いつなぎにベスト、ヘルメット姿だが間違えるわけがない。一平はすぐに膝をつき、アスミに支えられている優を抱きとろうと腕を伸ばす。察したらしいアスミが優を一平に渡し、無事一平の腕の中に納まった。慣れ親しんだぬくもりとにおいにガチガチに不安で固められていた心がふわっとほぐれる気がする。たまらなくなって一平の胸にぎゅっとしがみついた。
「優、怪我は――って、これ」
一平の目が首と両手首の銀の輪で止まる。一平もこの輪のお世話になったことがあるのだ、当然だろう。一平の眉間にぎゅっと皺が寄る。
だがそこにさっき蹴り飛ばされた男が一平に殴りかかった。
「この野郎おおおっ!」
一瞬反応が遅れてしまった。一平がそれに対処しようと振り向く直前、声が響いた。
「コードLINX、起動。
起きろ、ジュン!」
東だ。その声が聞こえた瞬間、アスミの表情が変わる。
不安そうな瞳には強い光が、八の字に下がった眉は少し吊り目気味に持ち上がり――
気がついた時には座り込んだ体勢のままで殴りかかってきた男を殴り飛ばしていた。
「たかあき。来るの遅いし起こすの早すぎる」
「どーしろってんだ、このドラ猫」
「とにかく、このおっさん達全部片付ければいいんでしょ」
「ああ」
ジュンだ。アスミがジュンに戻っている。嬉々として男達をなぎ払いに走って行く彼女に優は安堵半分、呆れ半分。一平は訳がわからず呆然としている。
(そ、そうだ。ボーッとしてる場合じゃない)
はっと我に返り、優は一平を見上げた。まだくらくらしているが、手は動かせるので一平のシャツを引っ張る。
「一平さん、あの、バッグ、取り返して――萩原が、持って、逃げ――」
「バッグ? あ、あれか。わかった、ちょっと待ってて」
すぐそばの木に優をもたれかけるように座らせ、そのままその場から一平の姿が消える。同時に少し離れたところにいる萩原の背後に出現、持っていたバッグを取り上げた。
「あっ! てめえ!」
萩原の怒声が響く。同時に一平に向かって殴りかかっていった。
萩原自身はそれなりにいい体格をしていて、本人もパワーには自信があった。長めの茶髪にピアスなんてちゃらそうなファッションをしているが、それなりにけんかっ早いし強い。テレパシー能力がなくてもそうそう負けたことはないのが自慢、なのだが。
右のフック、ボディーブロー、蹴り上げる脚、すべてをことごとく弾かれていく毎にいらつきが増していく。どんどん攻撃が荒く、大振りになってしまっている。
そこへ一平の重い突きが鳩尾を直撃した。
「――っ、の、野郎ぉぉお」
萩原がギリッと奥歯を食いしばり、苦痛に耐えながらもきつい眼光で一平をにらみつける。途端に一平をがつんと脳を揺さぶられるような衝撃が襲った。萩原の能力だ。
あまりの衝撃に声も出ず片膝をつく。倒れなかったのは普段の鍛錬の成果だろうか。
だがそこまでだ。目の前にふらふらの萩原が立ちふさがり、一平の腹を思い切り蹴り上げた。
「ぐっ!」
「ただで済むと思うなよ。ギッタギタのボロッボロにしてやんぜ」
さすがに地面に転がってしまった一平に萩原がもう一度脚を振り上げる。その光景に優は震えあがった。今すぐ一平を助けたいけれど超能力はバリア・システムで妨害されている。優は思わず悲鳴を上げた。
「一平さん! やめてっ!」
「一平? そうか、あんたが麻生一平か」
萩原がにやりと口の端を上げる。
「大沼の野郎が悔しがってたよな、負けたって。そいつを俺がボコるんだ、気分いいね」
「やめて! お願い、ひどいことしないで!」
「お~、かわいいこと言うじゃねえか。んじゃまあ、肋骨全部へし折るくらいで許しといてやるよ」
そう言って脚を大きく振り上げる。優はたまらずぎゅっと目をつぶった。
だが想像していた苦悶の声は聞こえない。
「――?」
そっと目を開けると、何とか起き上がった一平と、逆に崩れ落ちた萩原の姿が目に入った。そして、向こうから歩いてくる複数の人影。
「あっ、蘇芳さん」
「二人とも、無事?」
人影の先頭に見慣れたプラチナブロンドを見つけて、優はほっと安堵の息を漏らした。
「私は大丈夫だけど、一平さんが」
「だい……じょうぶ、ちょっとぐらぐらするけど――怪我は、ないから」
優は回復してきたので自力で立ち上がり一平に駆け寄った。優と一緒に蘇芳も一平に肩を貸して立ち上がらせる。
「あれは蘇芳さんが?」
優が萩原を振り返って聞いた。
「ああ、全然防御してなかったみたいだからね、脳にピンポイントで衝撃送る奴が一発で効いちゃったよ。油断していたんだろうな。」
脳にピンポイント、というのは以前優が相対した江口の使った手だ。蘇芳はそれを真似したのだろう。テレパシー能力に関しては、パワーは優の方が上だがコントロールや正確さは蘇芳の方が上なのだ。さすがだなあ、と思わず感心してしまった。
そして気がつくと乱闘していた男達は全員地に這いつくばっていて、暴れ回って満足そうな顔のジュンがその真ん中に立っていた。
「ジュン?」
「あ、優! さっきはごめんね。怪我がないみたいでよかったよ」
やっぱりまたジュンに人格交代したらしい。何がどうなっているんだろう。
ジュンが駆け寄ってくるのと入れ替わりにSRPの人達が一斉に倒れた男達へと駆け寄っていき、手際よく拘束していった。みんな一様に一平と同じ黒いユニフォームを着ている。
優とジュンはひとしきりお互いの無事を確かめて、それからSRPの作業へと視線を移した。さくさく拘束されていく一団を眺めながら優はジュンに聞いた。
「ねえ、何がどうなってるの?」
「うん、説明したいところなんだけど。実はあんまり時間がなくてね。こいつが」
といってジュンはいつの間にか後ろに立っていた東を見上げた。
「こんなに早くあたしを起こしたからさ、そろそろ時間切れなんだよ」
「時間切れ、ってまた」
「うん、悪いけど後はたかあきに聞いてよ。どこまで話していいかもわかんないしさ」
ジュンが肩をすくめたところに東が口を挟む。
「ああ、それなら問題ない。彼女は『池田優』さんだ」
「池田優? ――あああっ、そうだったんだ!」
「え、え? そうだ、そういえば東さんと知り合いってことは、ジュンもSRPの関係者?」
「何だ、それならお互いに隠していた感じかな。――あ、そうだ」
ジュンが突然優の首に手を伸ばした。銀色の首輪に指をかけたジュンはポッキーでも折るようにパキンと首輪を折り取ってしまった。両手首も同じように外す。
「ジュン、ありがとう!」
優がお礼を言っている横で一平と蘇芳が目を丸くしているが、その説明は後にさせてもらおう。
「どういたしまして――おっと、そろそろ本当に限界みたいだから、後はたかあきに聞いてね。んじゃ」
そう言うなりジュンは目を閉じ、ふわっと倒れてしまった。それをさりげなく東が受け止める。今度はアスミに交代することなく気を失ってしまったようだ。その顔を見つめながら東がため息をついた。
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