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本編
学祭準備の日
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まだまだ暑い日が続いている九月の末。暦の上では夏は終わっているはずなのに、いつまでたってもクーラーを消して寝られない。
だが容赦なく夏休みは終わる。学生たちは授業だレポートだと、日常生活に舞い戻るのに手間取っている。季節は秋、学祭のシーズンにさしかかっていた。
学祭二日前のこの日、一平は優を家に残し、準備のために大学のサークルに顔を出していた。
「だからさ、これじゃどう考えてもガムテープ足りねえよ」
先輩の一人が振り返り、一平に残り少なくなったガムテープを投げてよこした。
一平の所属している超常現象研究会は、眉唾物の写真展示と「君も超能力者!」的なタイトルで体験ブース――テレビで時々見るような、星や波などの形が描かれた透視実験カード当てにチャレンジできるブースを作っている。サークルに無理やり引っ張り込まれた一平としてはあまりありがたくない題材だ。けれど。
(こんなの、蘇芳とか優ちゃんにやらせたら百発百中だよな。サークルの奴らに見せたら驚くだろうに)
などと内心にやにやしていたりする。
そのブースを作っている最中に資材が足りなくなったわけだ。
「んじゃあ買い物行ってきます」
作業していた手を止めてよいしょと腰を上げた。ずっと作業していたからそろそろ外の空気を吸いたい気分だ。
すると他の先輩から声が上がった。
「麻生、ついでにコーラ買ってきてくれよ」
「いいっすよ」
軽く返事をしてリュックを背負って部室を後にした。後から快人が追いかけてくる。
「みんなにドリンク買って来いってさ。手伝うふりして抜け出してきた。俺ものど渇いたし」
実に正直だ。まあ、のどが渇いているのは一平も一緒だから文句を言う気はない。作業は屋内でしているが、残暑の厳しい今の時期、大人数でこもって作業するのはさすがにつらいものがある。
校門を出て右に曲がり、坂を下ると小さなコンビニがある。左側は電車の線路が通っていて、右側は大学の敷地と公道とを分ける緑の金網のフェンスが道沿いにずっと続いている。狭い道なので車は入ってこられない。
ちょうど急行電車が線路を走っていく。騒音に対抗しつつ大きな声で話しながら坂を下っていると、後ろから声が聞こえてきた。
「あ、あの」
女の子の声だ。だが最初は自分たちを呼んでいるとは考えてもみなかったので、そのまま会話を続けていた。あたりには数人の学生が同じように歩いていたし、さらに言えば学内では新興宗教なんかの怪しい勧誘が後を絶たないので、記憶にない声はスルーする癖がついているのだ。
だが、声の主は二人を追いかけてきた。
「あの! 待ってください! あの時の人ですよね?」
一平の前に回り込んできた小柄な女の子を見て、ぎょっとした。
ふんわりとした黒髪、小柄で眼鏡をかけていて、見覚えがある。彼女は必死な瞳で一平を見上げていた。
「みな――藤田さん」
南美だった。
夏に優を連れて学校のアジサイを見に行った時に偶然会ってしまった、優の親友。
切羽詰まった状況に陥り、優の超能力を見せてしまった。優は南美を怖がらせてしまったと、嫌われてしまったと泣いていた(と思う)。
それ以来、蘇芳や優が彼女の身辺を警戒してはいるが、直接の接触はしていない。
突然の邂逅にたじろぐ一平に、南美が畳みかけるように話し出した。
「やっぱりあの時の人ですね? 優と――」
「ちょっ、ちょっと待って」
優の名前が出て慌てて南美を止めた。今は快人も一緒だし、むやみに話していいことではない。例によっていろいろ妄想しているらしい快人は「おまえ池田さんという人がいながら、その子は何だ」という目で一平を睨んでいる。
日差しがじりじりと暑い。
「か、快人! 悪い、急用ができた。すぐに行くから先にコンビニに行っててくれ」
あからさまに挙動不審になってしまう。快人は一平の首を腕でガチっとかため、怖い目でにらみつけた。
「あとで事情ちゃんと説明しろよな」
「お、おう」
快人が坂を下りていくのを見送って、一平は改めて南美に向き合った。
「藤田さん。どうしてここに」
「ここに来たのは偶然です。だからびっくりしました――すみません、どうしてもあの子の消息が知りたくて」
まっすぐに、単刀直入に聞いてくる南美。さて、どうしたものか。
「藤田さんさ、その――怖くないの?」
なので一平も単刀直入に切り出した。
「怖い? 何がですか?」
「いや、あの時のこと――すごくびっくりしてただろ? だから、俺のことも彼女のことも怖いんじゃないかって」
「そんなわけ、ないじゃないですか」
南美の声は真剣そのものだ。怖いのを我慢しているとか、そういう風には見えない。
「そりゃあすごく驚きましたよ? 驚くなって方が無理だと思います。あの時はびっくりして、私、どう声をかけていいかわからなかったです。慌てて考えてるうちに二人とも消えちゃったし……」
だんだん語尾が小さくなっていく。
「あの、それで――あの子、元気にしてますか?」
南美はもう会話の中に「優」という名前を出していない。あの時優がのっぴきならない状況にあり、どうやら身を潜めているらしいことは悟ってくれたのだろう。それでも怖がらず、こうして心配しているところを見ているとこの二人がどれだけ仲がいいのかがうかがい知れる。
だから、一平も声を潜めて答える。
「うん、元気だよ。でも今は教えてあげられるのはそれだけ。彼女も多分そう言うだろうから」
「――はい、ありがとうございます」
わかってはいるのだろうけれど、しゅんとしまうのは理解できる。それだけ大事な親友なんだろう。
「――藤田さん、あのさ。彼女は自分の周りの人たちが危ない目にあうことをものすごく怖がってる。だから、藤田さんと連絡を取ったり会ったりしたら藤田さんが巻き込まれちゃうんじゃないかって思ってるんだろうな――あ、そうだ」
一平は肩に下げているリュックから手帳を取り出し一ページ破いた。そこに電話番号と、メッセージアプリのIDを書きつけた。
「これ、俺の電話番号とID。変な意味じゃないよ。もし何か怖い目に遭ったり変わったことがあったら連絡して――っていうより、むしろお守りみたいなものかな。彼女とのつながり、みたいな。念のため渡しておくよ。そうだ、まだ名乗ってなかった。俺、麻生一平」
「あ――ありがとうございます!」
南美はうれしそうに目を輝かせ、大切な宝物をもらったようにメモを手帳の間に挟んでバッグの中にしまった。
「麻生さん、あの子にごめんなさいって伝えてくれますか? 戻ってくるの、ずっと待ってるって」
「うん、わかった」
それじゃ、と別れようとした時だった。
「みなみ!」
南美を呼ぶ声がして、若い男が駆け寄ってきた。女の子たちがきゃあきゃあ騒ぎそうな眉目秀麗な青年、それもビジュアル系バンドにいてもおかしくなさそうな美形だ。一平よりちょっと年上だろうか。くせのある黒髪を見栄えよくセットしている。
「清野さん」
「みなみ、この人は?」
「あ、えーと」
南美がちょっと言葉に詰まった。それはそうだ、どう説明するべきか一平も悩む。通りすがり、というには結構いろいろなやり取りをしている。
「うん、私の友達の知り合い――なんだけど」
案の定しどろもどろになってしまっていた。
青年はおそらく南美の彼氏かな、とあたりをつける。不快そうに一平に視線をよこし、南美に寄り添うように近づいて肩に腕を回した。
おっとこれは、と一平は微笑ましくなった。
「本当ですよ。俺、藤田さんの友達の知り合いで。その子と最近藤田さんがしばらく会ってなかったから、様子を聞きたくて声をかけられただけです」
「それにしては切羽詰まった様子だったけど」
険悪な空気が流れる。日差しは熱く、セミの声もうるさく響いているのになんとなく薄ら寒い気がする。
「藤田さん――彼氏?」
一平の問いに南美は耳まで真っ赤になって頷く。まあ、聞くまでもなかったかもしれない。
「清野さん、だっけ。本当にそれだけですよ。藤田さんとはここで偶然会っただけ。心配しないで」
清野はその言葉だけでは納得がいかないのだろう。険しい視線は健在だ。そしてその声も視線と一緒で険しい。
「――よかったら、どこかでお話しできませんか。三人で」
「清野さん、麻生さんの言った通りなの。本当だよ」
「みなみ、こういうことははっきりさせておかないと」
南美が泣きそうな顔になる。恋人に疑われ、その相手は優との唯一の接点なのだ。説明もできないし、板挟み状態なのだろう。
「いいですよ、行きましょう」
一平はそう割って入り、三人でその場を後にした。
だが容赦なく夏休みは終わる。学生たちは授業だレポートだと、日常生活に舞い戻るのに手間取っている。季節は秋、学祭のシーズンにさしかかっていた。
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「だからさ、これじゃどう考えてもガムテープ足りねえよ」
先輩の一人が振り返り、一平に残り少なくなったガムテープを投げてよこした。
一平の所属している超常現象研究会は、眉唾物の写真展示と「君も超能力者!」的なタイトルで体験ブース――テレビで時々見るような、星や波などの形が描かれた透視実験カード当てにチャレンジできるブースを作っている。サークルに無理やり引っ張り込まれた一平としてはあまりありがたくない題材だ。けれど。
(こんなの、蘇芳とか優ちゃんにやらせたら百発百中だよな。サークルの奴らに見せたら驚くだろうに)
などと内心にやにやしていたりする。
そのブースを作っている最中に資材が足りなくなったわけだ。
「んじゃあ買い物行ってきます」
作業していた手を止めてよいしょと腰を上げた。ずっと作業していたからそろそろ外の空気を吸いたい気分だ。
すると他の先輩から声が上がった。
「麻生、ついでにコーラ買ってきてくれよ」
「いいっすよ」
軽く返事をしてリュックを背負って部室を後にした。後から快人が追いかけてくる。
「みんなにドリンク買って来いってさ。手伝うふりして抜け出してきた。俺ものど渇いたし」
実に正直だ。まあ、のどが渇いているのは一平も一緒だから文句を言う気はない。作業は屋内でしているが、残暑の厳しい今の時期、大人数でこもって作業するのはさすがにつらいものがある。
校門を出て右に曲がり、坂を下ると小さなコンビニがある。左側は電車の線路が通っていて、右側は大学の敷地と公道とを分ける緑の金網のフェンスが道沿いにずっと続いている。狭い道なので車は入ってこられない。
ちょうど急行電車が線路を走っていく。騒音に対抗しつつ大きな声で話しながら坂を下っていると、後ろから声が聞こえてきた。
「あ、あの」
女の子の声だ。だが最初は自分たちを呼んでいるとは考えてもみなかったので、そのまま会話を続けていた。あたりには数人の学生が同じように歩いていたし、さらに言えば学内では新興宗教なんかの怪しい勧誘が後を絶たないので、記憶にない声はスルーする癖がついているのだ。
だが、声の主は二人を追いかけてきた。
「あの! 待ってください! あの時の人ですよね?」
一平の前に回り込んできた小柄な女の子を見て、ぎょっとした。
ふんわりとした黒髪、小柄で眼鏡をかけていて、見覚えがある。彼女は必死な瞳で一平を見上げていた。
「みな――藤田さん」
南美だった。
夏に優を連れて学校のアジサイを見に行った時に偶然会ってしまった、優の親友。
切羽詰まった状況に陥り、優の超能力を見せてしまった。優は南美を怖がらせてしまったと、嫌われてしまったと泣いていた(と思う)。
それ以来、蘇芳や優が彼女の身辺を警戒してはいるが、直接の接触はしていない。
突然の邂逅にたじろぐ一平に、南美が畳みかけるように話し出した。
「やっぱりあの時の人ですね? 優と――」
「ちょっ、ちょっと待って」
優の名前が出て慌てて南美を止めた。今は快人も一緒だし、むやみに話していいことではない。例によっていろいろ妄想しているらしい快人は「おまえ池田さんという人がいながら、その子は何だ」という目で一平を睨んでいる。
日差しがじりじりと暑い。
「か、快人! 悪い、急用ができた。すぐに行くから先にコンビニに行っててくれ」
あからさまに挙動不審になってしまう。快人は一平の首を腕でガチっとかため、怖い目でにらみつけた。
「あとで事情ちゃんと説明しろよな」
「お、おう」
快人が坂を下りていくのを見送って、一平は改めて南美に向き合った。
「藤田さん。どうしてここに」
「ここに来たのは偶然です。だからびっくりしました――すみません、どうしてもあの子の消息が知りたくて」
まっすぐに、単刀直入に聞いてくる南美。さて、どうしたものか。
「藤田さんさ、その――怖くないの?」
なので一平も単刀直入に切り出した。
「怖い? 何がですか?」
「いや、あの時のこと――すごくびっくりしてただろ? だから、俺のことも彼女のことも怖いんじゃないかって」
「そんなわけ、ないじゃないですか」
南美の声は真剣そのものだ。怖いのを我慢しているとか、そういう風には見えない。
「そりゃあすごく驚きましたよ? 驚くなって方が無理だと思います。あの時はびっくりして、私、どう声をかけていいかわからなかったです。慌てて考えてるうちに二人とも消えちゃったし……」
だんだん語尾が小さくなっていく。
「あの、それで――あの子、元気にしてますか?」
南美はもう会話の中に「優」という名前を出していない。あの時優がのっぴきならない状況にあり、どうやら身を潜めているらしいことは悟ってくれたのだろう。それでも怖がらず、こうして心配しているところを見ているとこの二人がどれだけ仲がいいのかがうかがい知れる。
だから、一平も声を潜めて答える。
「うん、元気だよ。でも今は教えてあげられるのはそれだけ。彼女も多分そう言うだろうから」
「――はい、ありがとうございます」
わかってはいるのだろうけれど、しゅんとしまうのは理解できる。それだけ大事な親友なんだろう。
「――藤田さん、あのさ。彼女は自分の周りの人たちが危ない目にあうことをものすごく怖がってる。だから、藤田さんと連絡を取ったり会ったりしたら藤田さんが巻き込まれちゃうんじゃないかって思ってるんだろうな――あ、そうだ」
一平は肩に下げているリュックから手帳を取り出し一ページ破いた。そこに電話番号と、メッセージアプリのIDを書きつけた。
「これ、俺の電話番号とID。変な意味じゃないよ。もし何か怖い目に遭ったり変わったことがあったら連絡して――っていうより、むしろお守りみたいなものかな。彼女とのつながり、みたいな。念のため渡しておくよ。そうだ、まだ名乗ってなかった。俺、麻生一平」
「あ――ありがとうございます!」
南美はうれしそうに目を輝かせ、大切な宝物をもらったようにメモを手帳の間に挟んでバッグの中にしまった。
「麻生さん、あの子にごめんなさいって伝えてくれますか? 戻ってくるの、ずっと待ってるって」
「うん、わかった」
それじゃ、と別れようとした時だった。
「みなみ!」
南美を呼ぶ声がして、若い男が駆け寄ってきた。女の子たちがきゃあきゃあ騒ぎそうな眉目秀麗な青年、それもビジュアル系バンドにいてもおかしくなさそうな美形だ。一平よりちょっと年上だろうか。くせのある黒髪を見栄えよくセットしている。
「清野さん」
「みなみ、この人は?」
「あ、えーと」
南美がちょっと言葉に詰まった。それはそうだ、どう説明するべきか一平も悩む。通りすがり、というには結構いろいろなやり取りをしている。
「うん、私の友達の知り合い――なんだけど」
案の定しどろもどろになってしまっていた。
青年はおそらく南美の彼氏かな、とあたりをつける。不快そうに一平に視線をよこし、南美に寄り添うように近づいて肩に腕を回した。
おっとこれは、と一平は微笑ましくなった。
「本当ですよ。俺、藤田さんの友達の知り合いで。その子と最近藤田さんがしばらく会ってなかったから、様子を聞きたくて声をかけられただけです」
「それにしては切羽詰まった様子だったけど」
険悪な空気が流れる。日差しは熱く、セミの声もうるさく響いているのになんとなく薄ら寒い気がする。
「藤田さん――彼氏?」
一平の問いに南美は耳まで真っ赤になって頷く。まあ、聞くまでもなかったかもしれない。
「清野さん、だっけ。本当にそれだけですよ。藤田さんとはここで偶然会っただけ。心配しないで」
清野はその言葉だけでは納得がいかないのだろう。険しい視線は健在だ。そしてその声も視線と一緒で険しい。
「――よかったら、どこかでお話しできませんか。三人で」
「清野さん、麻生さんの言った通りなの。本当だよ」
「みなみ、こういうことははっきりさせておかないと」
南美が泣きそうな顔になる。恋人に疑われ、その相手は優との唯一の接点なのだ。説明もできないし、板挟み状態なのだろう。
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