魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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16章 魔法少女と四神集結

505話 魔法少女はチート発揮

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 デストロイヤーの見る影もなく、時間の進み始めたこの世界。当然、時は刻まれているためこの結界は次第に崩壊する。
 外に出たら、人神があの私の恐ろしさに震えてるかもしれない、なんて妄想をして、少しだけ重たい足取りで隙間から出た。

「今回は早かったよ。さすがは天下の魔法少女様。」
「そういう煽り、いいから。」
「……ん?」
人神は何かに疑問を持ったように目を細くした。

「なに?」
「いや、何か変わったなと思っただけだ。」
「変わってないよ。私は私。何者でもないし私でしかない。」
「ほら、何というか雰囲気と能力。」
「能力?スキルのこと?」
少し気になり、個人的にステータスを開く。すると、スキルに見慣れぬ2単語が。


 空間魔法
『私』にのみ扱える時空間創造により産み落とされた産物。本家本元の時空間創造のかけらにも満たないが、理に干渉すること程度は可能。

 統一神化
肉体、精神や魂までもを一時的に統一し、完全に魔導神美水空の力を得ることができる。このスキルを解いた瞬間、肉体に多大な負荷がかかることになり、肉体は壊れる。

「……色々あったんだよ。」
人神には伏せておく。あの厳しい現実を乗り越えた今の私は、少し前の私とは大違い。

 あの私がいなければ、今の私はあの未来を歩むことになっていた。
 後悔先に立たずと言うけれど、必ずしもそうとは限らない。私は後悔を先にして、絶望を先に感じて、新しい未来を選択する。

「少しだけ、やりたいことがあるからここで待ってて。ちょっと、下に戻る。」
先程の気持ち悪い階段を降りて、人神を置き去りにしていく。人神は、仕方なくといったようにその場に腰を落ち着かせていた。

 とりあえずは手に入れた空間魔法を完璧にしよう。多分、これの派生系に時空間魔法が入ってくる。
 私達はどう思う?

『さあね。とりあえず私1人で重力世界を展開できるようにはなっておいた方がいい』
『空間魔法は転移くらいはあってもいいんじゃないかな?いざという時、逃すことができるように』
あの時、ツララを1歩足りずに救い損ねた光景をフラッシュバックさせ、落ち込んだように私は言った。

 確かに、あれは私のせいだった。未来だからって、それがなくなるわけじゃない。

「だからやるんだよ。2度とああならないように。」
ステッキを握った。本来なら、こんなもの今すぐに手放したいが、理を操るもの以外は悲しきかな、全てこの装備頼りだ。

 魔法少女服。恥ずかしさしかないこの格好を痴女と言わずしてなんと言う。しかも、創滅神のものとなればこれで倒すなんて不可能だ。

 私が異分子だからって、そんなことはできない。

 今のところ、重力と空間。理を十全に、それも魔力なしで扱わなければならない。だから、当面はそこの強化と使えるものを増やしていく。それくらいだ。

 目指すは、あの私。

『私よ。空間魔法ならもう、使えるぞ?』
突然のカミングアウト。

 またまた、私にそんな秘密なんてない……

「本当だ使えてる!?」
所謂収納魔法と呼ばれるものだ。ステッキが、空中に消え去った。どうやら、私は勘も一緒に与えられたみたいだった。

 ありがとう、私。これからは無神論者改め魔導神教を信仰したいと思う。

 未来の彼方より、「やめろ」との声が聞こえてきた。脳内に直接。きっと違うだろうけど、直感的に震えたのでやめておく。

「重力世界はまぁ、覚えたほうがいいね。」
ということで、1階に降りた。

「ディメンションプレス。」
手を伸ばしてみた。無数に浮く球体のひとつを狙った。プレスするのをイメージし、手を握る。

「お、できた。」
まるで紙を丸めるように次元ごと潰してそこにあるものを消滅させた。

 これは空間座標を設定してそのままごとを消滅させるってやつか。
 これの応用が転移魔法ってことかな。

 座標を壊すんじゃなくて移し替える……イメージが難しいからみんなできないのか。

「座標を移し替えるっていうなら攻撃を別方向にやったり不可侵の座標を作ったりできないかな。」
それはそれとして、修行(?)を開始した。


「じゃ、行こうか。」
1階から5階へ転移した私は、腰をかけて仮眠をとっている人神に声をかけた。

「……どうやってここまできた?」
「空間魔法。」
「なんでそんなものが?」
「天から降って湧いてきた。」
「そんなわけないでしょ。」
「そんなわけがあったんだなぁ。」
みつを、と訳の分からないことを呟きながら、座標のチェックをする。

 座標とか無限にあるから脳がぶっ壊れそうになったけど、空間魔法の範囲を広くして座標区分を簡単にすることで発動させている。

 簡単に言うと、地図に指を差すみたいなものだ。

「じゃあ9階に転移しようか。10階……というか、最上階はなぜか靄がかかったように何も見えないからね。」
人神が頭を抱えた。「少し待っていろ」とのことなので、待っている。人神は、スマートフォンのような端末を隠しながら取り出した。

「何それ。」
「なんでもないから黙って。」
「なんでもないなら教えてくれてもいいじゃん。」
転移魔法で端末の座標を私の手元に移し替える。

「もしもしー。」
「少しおいたがすぎるんじゃないか?」
「重力世界。」
人神を適当にあしらう。魔法戦では100パーセント負けるけど、こう言う特殊なので一方的にやれば勝てないこともない。

『んぁ、キミが魔法少女?』
「そうだけど。」
その端末から声が聞こえる。

『どうせ、なにも伝えられてないだろうね』
魔神が嘆息を吐いた。その奥から、なんかぴこぴこバシバシ効果音が聞こえる。

「何してんの。」
『イベラン。今イベント素材回ってる。』
「それ神の仕事?」
『しごとさ。私の用事と書いて私事』
それ読み方違う、と言おうとしたがやめた。多分分かって言ってる。

「で、伝えてないって何?」
『ボクに多様な罠を張って成長を促させろ、ってね。だからわざわざオーダーメイドで作ったんだ』
疲れたなぁ、とぽちぽち言わせながら乾いた声で言った。

『9階までは来られる予定なかったし。このままボクの部屋においでよ。ゲームしながらなら、キミの対応をしてもいい。』
「じゃ、それで。靄は晴らしといて。」
『お、気づいたんだ。驚いた。誘導されずになんて、なかなかの目をしているね。』
「そりゃどうも。」
淡白な返事を返せば、周回の続きと言って一方的に切断された。これは対戦ゲームで味方が回線落ちしてランクが下がるくらいのムカつきがある。

「はい、返す。」
「……本当に、其方は5階でなにがあった。」
「ちょっと未来を悟ったと言うかなんというか。」
はぐらかす。間違いではないからいいだろう。

 今の私は17歳の私であって、少しだけ20歳の私。まぁ前者の方が割合強いけど。

「じゃあ行こうか。」
座標を設定し、指でなぞるように位置指定をする。

「転移。」
魔力に頼らない方法を新たに確立した私は、次なる力を求めて魔神の元へ一直線。

 私は、何があっても創滅神を殺す。何かを起こされる前に。私自身、腹が立ってるのもあるけど。

「さ、そこに座って。」
Y○giboに全身を埋めていた青年が、ゲーミングチェアを指しながらそこにいた。

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 前回とんでもなく疲れたので今回は楽に行かせてもらいます。
 というか、目が痛痒すぎて執筆どころじゃなかったのでこうなってます。マシになってきてはいるので、頑張って執筆したいと思います。
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