魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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16章 魔法少女と四神集結

497話 魔法少女はエクスプロージョン

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「なんていうものを投げてくれたんだ其方は!あの爆風は危険すぎる!余が封じてなかったらここら一体は何も残らないところだった!」
森の中、白く輝く城壁を見つめながら、私は正座で説教を受けていた。

 なんでかって?言われなくても分かるでしょ。

 さっきミニ原子爆弾をブッパした件以外にはあり得ない。というかその話してる、

「威力抑えたんだけど……」
「確かに其方の世界基準で言えば抑えられてはいるんだろう。そこに魔力が加われば、其方とてどうなるか想像は容易かろう?」
「確かに……魔法の力が付与される?」
「その通り。」
人神はその小さい身長で私をこっぴどく叱りつける。

「あのー、早く城入りたいんですけど。」
「……分かった。もうあんなもの、使わないと約束するなら。」
「確約はできないかな。善処する。」
人神はもういいやと言わんばかりに空を仰ぎ、「それでいい」と言葉にした。

 よっしゃ勝ちぃ!

『何に勝ったんだよ』
『いっちょんわからん』
心機一転、今度はしっかり宙に浮いた状態で進むことにした。

「今度は本当に何もないよね?」
「確かね。」
少年少女が空を舞う不思議な空間が生まれているが、気にする人なんて誰もいない。地面といる時と変わらず、テクテクと目的地を目指す。

 これだけでかいと外周だけでとんでもない距離になりそうだけど……これ方向あってる?

 人神を見た。

「なに。」
「方向。」
「あってるよ。いちいち聞かなくても自分で調べればいい話だ。」
「着くまで分からないとかそれ心に悪い。」
確かめてもなお、まだ気がかりだ。一抹二抹三抹茶くらいの不安はある。和菓子食べたいな。

『私情緒大丈夫か?』
『病院病院!頭のお医者さん来て!』
『何を言っている?私はもともと頭がおかしいではないか』
『ないかー!』

 私を煽るために生まれてきたような存在だね、私達って。私にしかダメージ行かないその攻撃、地味に心に刺さるよ?

『愛のある罵倒さ』
『鏃の先端は潰してあるよ』
付き合っていられない。この道のりは、まだスタートラインですらないのに、なんてまこんなにもたついてるんだろう。

「ストップ。」
「え?」
人神からの待ったの声で、立ち止まる。反射神経も良くなってるのか、ギリギリ足をつかずに済んだ。

「矢雨のトラップだ。こんなものまで用意してるなんて、ヴァルも用心深くなったものだ。」
感心するように数度頷いた。

「ヴァル?魔神のこと?」
「そうさ。ヴァルディート、それが魔神の名だ。」
人神は私より前に進むと、即座に魔法を展開した。

「燃え尽きろ。」
手を翳した先には高速で飛翔する矢、がもう燃えていた。というかそんくらい早い矢だった。

「流石に着く前に殺されてしまうのは余の心も痛む。城までは付き合ってあげよう。」
「……ありがと。」
なんか癪だけど、行き道の安全を買えた。城の中からは地獄なんだろうけど。

 まあタダの好意には甘えてなんぼ。

「そこから先、地面の罠は減少し空中の罠が多くなっている。」
「なら地面歩けばいいじゃん。」
「地面の方が魔力が濃い。空を歩いたほうがまだまし。」
「八方塞がりぃ。」
頭が痛い。しかし、舵取りは人神がしてくれるようなのでそこは安心。

「できないよね!」
急ぎ刀を取り出し、矢雨の軌道を全て逸らす。先輩との修行のおかげで、どこが急所なのか光が分かるようになっている。

「先行するとは言ったけど、その罠の対処までするなど一言たりとも言っていないよ。」
「酷ー!酷いよー!ケチ!ケチ神!」
「ここまでついてきてる時点で随分優しいと思うんだけど。」
言い合いをしながらも降り注ぐ矢を斬り伏せながらも、なんとか城の入り口を視界に捉えることができた。

「はい、ここらで余は下がるよ。」
「あとは自分で行けと……分かってるよ。」
刀をしまってステッキを出す。警戒レベルを最大にしながら、城門を開いた。まだ城が遠いと思うと、うんざりする。

 こんな悪質な罠を仕掛ける神だ。この扉開けたら向こうに通達行くとかあるんじゃない?

 少しは異世界の影響で慎重さもついてきた私は、そろりと足を忍ばせドッカーァァァン!

 咄嗟に右腕で頭を庇い、魔力の外套のような防御壁的なものを簡易で作った。多分間に合わなくて、少し痛みと痺れがある。

「いきなり爆発とか……聞いてない……」
「こんな初見殺しもあるとか、ヴァルも鬼畜だ。」
そんな中いつも通りに飄々と経っている人神。自分だけ攻撃から免れるとか、腹立つ。

「其方も危ないところで防御できてるじゃないか。」
ボロボロになったコートを見て言った。

 いくら魔力で編んでるったって限度があるんだよ。神の攻撃だけあって痛いし。血は出てないけど。

「もしただの人間だったら爆殺されていた。つまり其方は人間じゃないということだ。」
「人間だよ!」
なぜか楽しそうだ。それ分けてほしい。私1ミリも楽しくない。

 これが入り口とか魔神の部屋の前とか行ったらどうなるの?この世の終わりが訪れそうだよ?

「さぁ、早く入って。」
「いや切り替え早っ。そんな早く切り替えられないんだけど。爆発したんだよ?エクスプロージョンしたんだよ?」
「爆発の1つや2つでギャーギャー言っていたらいつか死ぬぞ。」
「帰りたくなってきた。」
皇帝とやらを相手にするよりよっぽど怖い。見えない殺意がひしひしと感じる。足を踏み込めば、まるで迷路のような形をしていた。大量の襖で仕切られた城で、次の階とか探すのむずすぎる。

 いや待てよ。
 ゲームとかでよくある、探索ゲームだと思えばいい。私は歩く攻略本。
 必ずこのステージを攻略してみせる!

「そこ、罠。」
カチ。

 いちいち言うのが遅いんだよ人神ぃ!

 逆ギレも甚だしいが、これは人神も悪いと思う。4対6くらいだ。

「あれ、罠は ……」
「上。」
人神が目を瞑って指を指す。その先に、何か粒子的なものを吸い寄せる光が……

「魔力喰らい!」
すぐさま光を喰らい尽くした。一応灯は灯っている城内に、不気味な渦が天井に昇った。

「今のは遅効性の目眩しの罠か。多分、そこから魔物でも出てくるんじゃないかな。」
横の襖の真ん中に正方形の穴が開く。人神の言うとおり、何か出てきそうな雰囲気が……

 出るなら出る前に殺す。それが鉄板。相手の登場シーンを見てあげるような暇はない。

 中にすっとトールを投げ込み、バチバチと何かが弾ける音を聞き終えてから歩みを進める。

「罠のない安全地帯とかない?」
「あるわけないでしょ。それより、余すら見抜けない罠だってごまんとあるに決まっている。」
「神のくせに使えないなぁ。」
「同じ神の城で言うセリフじゃない。」
確かにそうだけど、認めるのは癪なので無視で済ませる。普通にめんどくさい女だ。

 このくらいなら、まぁまだなんとかなるかなって範囲だからいいけど。魔神とか言うくらいだし、やっばいことしてきそうなんだよね……

 と言うか魔神ってどんなのだ?

『そりゃ、筋骨隆々の悪魔みたいな?』
『曲がったツノ生えたやつ?』
『アニメの見過ぎだ貴様ら。角など邪魔にしかなるまい。曲がっていたら刺さりもしなければ頭が重いだけだ。物干しくらいにしかならん』
急に現実みたいなこと言い出した私。それから脳内で、怪物みたいなのVS細マッチョ的な人型の意見で分かれた。

「ねえ、魔神ってどんなの?」
「会えば分かる。」
答えは、本当にここを踏破するまでお預けらしい。 

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 もうすぐ6月も終わり。つまり、夏アニメの到来ということですね。夏アニメは見どころたくさん!特に無職○生とか太ももとか、ラノベものも結構ありますし、どれも楽しみですね。
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