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12章 魔法少女と学園生活
377話 魔法少女は親交を深める
しおりを挟む「まず、方針を決めないことにはどうにもならないよね。再開しようか。」
オスターが指揮をとり、床に散らばった紙達をみんなで払いのけて足場を広げた。15人も人がいるから、狭いのだ。
「あ、ちなみに私は護衛役ね。奥に行くなら尚更。多分国王もそのつもりで、私が調査。そして持ち帰った結果をみんなが研究って形なんだと思う。」
「戦闘は、大丈夫……ワタシ、いる。」
制服に細工をして口元にマスクをつけた少女が、モゴモゴと声を出す。多分この子がエンテイだ。
「なら、調査班も半々に分けて捜索するってのは?」
「……いい、アイデア。」
「あぁ、でもそれだと授業に出られないのか……」
「大丈夫……ワタシ、去年点数稼いだ。テストさえ、乗り切れば……いける。」
「じゃ、私が教えるってことじゃん?んー、まーいいよ。」
「反対意見は?」
「俺は特には。」
「僕も。」
14人、それぞれ頷いて決定していく。
結構テキパキ動ける系の人達だね。これは有能そうだ。私よりも。
自嘲をしていると、いつの間にか大まかに決まっていた。
授業を受ける研究調査組と実地調査組に分かれ、2日に1回交代する。その間研究調査組は実地調査組が持ってきた情報を受け取り、調べる。空いた時間は、それぞれが欠けていた授業を補う。
という形。
もちろん私は全ての調査に協力することになっている。過労死するのも夢じゃない。
「それで、班はどう分けるのかな。」
「そうだね。……ツキはどう分けたい?」
「ここはこーへーにくじ引きをっ!」
「エンテイとソラを抜いて、13人でくじ引きにしようか。イーゼリーア、その辺の紙を。」
言われた少女は、その豊満なボディをたぷんと揺らし、机の下に散らばる紙を机に叩きつけた。
「これ!」
「イーゼリーアの勘がそう言うなら、これにするよ。」
オスターは、次からは静かにねと注意をし紙を均等に切り分けていった。
「①と②の文字を書いた紙がそれぞれ6枚と7枚入っている。ソラ……先生、シャッフルを。」
「はいはい。」
受け取った紙を、適当にぐるぐる回していく。「エイリはイっちゃんと一緒がいいな」「運なんじゃん?」「エンテイがいるなら②引きたいよな」と、耳に入ってくる。
「はいどーぞ。適当に混ぜたから、平等で公平なくじ引きだよ。まぁ、不正したところでなんだけど。」
「それはそうだね。みんな、好きに引いていっていいよ。僕は残り物で結構だ。番号はまだ見ないように。」
「オレは引いた。」
「僕もです。」
「お前らもさっさと引けよー。」
煽り煽られ紙を引いてく。最後に残った1枚をオスターが掠め取り、掛け声を放った。
「「「「「いっせーのーせ!」」」」」
13人、少年少女が和気藹々と紙を開いた。エンテイは、「……暇?」と自問自答しているのを除き。
「わたしは②かぁ。みんなはっ?」
「エイリもー。よろしくねー、イーゼリーア。」
「みんなバラバラになっちゃったね。あ、私は①だったよ!」
「ちょうどよかった。僕は②だから、①の中心はカラがやって欲しいな。」
と、話が盛り上がる。そこで、5人の脳みそを使って声を聞きとり全員の番号を把握することにした。
ぶっちゃけどこでもいいんだけど。
エンテイの実力を知らない以上、一緒がよかった気もするけど……細かいことは気にしないようにしよう。過労死したくないし。
そして結果はこうなった。
①・・・アンディル、ツキ、ユウキ、イズ、チサリー、カラ。そして私。
②・・・オスター、ジステ、ワードルフ、ルルグス、レドラー、エイリ、イーゼリーア。そしてエンテイ。
まぁまぁいい感じに分かれたって感じかな。
「班内の行動チームも決まったわけだけど……今日は親睦会にしようか。いきなり、と言うのもアレだしね。みんなのこと、すでに知っているだろうけど、するに越したことはないさ。」
「いいねいいね。じゃあ今決めたチームごとに座るって言うのは?」
「カラ、いいアイデアじゃん?」
「いい結果には、いい仲間という。良いではないか。」
わいわいと、また騒ぎが始まる。いいチームだ。私にチーム経験を積めと言うことなのかな、とも思案したりした。
んー、でもどうも輪に入りにくい。席移動しちゃっていいよね。立ってる人とかいるし。
私はスッと移動すると、エンテイの元までやってきた。基本無口だ。
「……なに。」
「馴染めてるのかなって。」
「……同じ。」
「まぁね。歳は近くとも色々違うからね。」
「……ん。」
恐ろしく会話が続かない。いくらコミュ力低めな私でも、流石にここまでの空気は感じたことはない。
「じゃあ席を移動しよう。各々、チームで分かれて。」
「……また、機会があったら。」
そう言ってエンテイは去っていった。と言っても、数個先の椅子に移動しただけだけど。
私、どこに座ろう。
どんどん埋まっていく席を見て、なぜか冷静な心で俯瞰していた。特に気にしてないからか、そろそろ疲労がピークに達してるからか。
「ねー、先生。そこ座ればいいんじゃん?」
淡い黄色をウェーブにした少女、イズが視線だけ椅子に向け口にした。イズの真隣だ。
「そうだよ、男子側に言ったっていいことないんだからー。」
「あ、うん。お言葉に甘えて。」
女子の塊と男子の塊が築かれた。だからといってどうと言うわけでもないけど。
「ねぇ、思ったんだけど……こんな汚い部屋で親睦会とちょっと、ないよね?オスター、片づけ先にしない?」
「……そうだね。床に散らばった紙を整頓しよう。」
「面倒なんじゃん?」
「15人もいればすぐに終わるさ。ソラ先生も、それでいいですよね?」
聞かれたのでとりあえず頷いておく。私が首を突っ込む話でもないし。
「せんせーも、やるじゃん?」
「え、私もやるのこれ?」
「1人だけ何もしないなんて、カッコつかないでしょ?先生もやりましょうよ。」
カラに押され、イズに紙を渡された。
「……まじぃ?」
苦い顔をして受け取った。
「ふぃーっ!終わった!」
1時間とちょっと。それくらい経った時、ようやく綺麗に部屋を整頓できた。
「いくら休憩所といえど、やっぱり綺麗にすべきだね。」
「エイリもスッキリは好きだなー。定期的にみんなで掃除しようよ。」
「ボクもサンセー。あんなきったない部屋で休めなんかしないよ。」
「ユウキ、それはそこでずっと休んでた私たちに対する侮辱ー?」
「えっ、なんでそうなるの!?」
部屋が綺麗になり、更にうるさくなる。
「……うるさい、嫌だ。」
「そうだねー、私も嫌だ。」
「2人とも、そんなところで黙ってないでこっちで話そ?先生って冒険者なんだよね?お話聞かせてほしいなー。」
「私も興味あります。」
「んー、ちょっと気になるじゃん?」
「そうだね、僕らじゃ体験できないことも体験しているだろうし。」
みんなが迫ってくる。私はがっしりとエンテイの肩をホールドし、逃がさないようにする。
「……やめて……逃げられ、ない。」
「死ぬ時は一緒だよ。」
涙目でプルプル震えるエンテイに爽やかな笑みで答える。
さぁ行こう、陽キャの園へ。
その日、私は気絶するように眠ったのであった。これなら魔物狩ってた方が楽だったと思った。
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ちなみにこの回、「陽キャの園」という謎ワードを思いついたがために制作致しました。
つまり、何にも考えてないし14人もキャラがいて頭がごっちゃになって作った話なので、相当狂ってると思います。
ところで皆さん、この14人の中でなら誰が好きですか?私は他と大差をつけてイズが好きです。
ま、そもそも男子でセリフがついたのは今のところオスター、ジステ、ワードルフ、ツキ、ユウキくらいであと出てきてないですけど。
女性陣は全員出てきてるんですけどね。
イズはなんとなくスマホを常にいじってるイメージのキャラです。スマホなんてこの世界にないですけど。
応援ありがとうございます!
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