魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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8章 魔法少女と人魔戦争

261話 魔法少女は最終調整

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 紆余曲折あり、なんとか特訓を始めることができた。

 そこでいきなりだけど、とりあえず戦果。
 結果から言うと、酷いものだった。ほんと散々。

 サーベルの使い方も対人もうまくなってると思うけど、魔物が全くダメ。
 動き回る相手に翻弄されて、防衛に手一杯。魔物を斬れば斬ったで返り血で騒ぐし、普通にうるさいし。

 ほとんど魔物を倒すことができず、私は眉間をつねる。

「ねぇ、やる気ある?」
「あります。」

「ほんと?」
「空、わたしが嘘をつくような女だと思ってるんです?でしたら心外です。」

「まずそのタメ敬語やめようか?どっちか統一して?」
さっきから気になっていたその部分を指摘すると、百合乃は首を傾げて不思議そうに見る。

 え?なに、この子。分かってないの?

「はぁ。もういいや。タメ敬語でやればいいよ。うん。もういいや、諦める。でもさ、返り血とかは仕方ないんだから割り切ろうよ。洗えばいいんだから洗えば。」
「逆に空は気持ち悪くないんです?学校のプールの入口に行くまで裸足で歩くあの感じですよ。前日が雨だった時は地獄です。」
「いやなんの話?」
突然プールあるある(?)をぶち込んでくる百合乃に1つチョップを浴びせると、「へぶっ」と声を上げる。

 確かに気持ち悪いけどさ。それとこれとは違うわけよ。
 あとなに?私はプールなんて1回たりとも入らなかったよ?全て見学してきた。
 なんでかって?この髪、年頃のガキ、水着。
 はい、どうなるでしょう。そういうことだよ。

 何気に私も話が脱線し、これはいけないと思って頭を振った。

「ついてくるんでしょ?ならこのくらいやってもらわないと、置いてくからね?」
「やります、やらせてください!むしろご褒美っ!」
「ドM発言やめて。」
私の説教もそっちのけで魔物を探しに魔力感知を駆使して探し回る百合乃。逞しくなったなぁ、としみじみ感じる。元から神経だけは逞しかったけど。

「はぁ。私は私で練習するとしようかね。」
そういいつつ、地面に落ちている石を拾い上げ、。でも、数秒と経たず落っこち、私ははぁ……、と大きめのため息を吐く。

 重力操作、ほんとむずい。これどういう原理なのかほんっと分からない。

 眉を顰めながら今度は落ちた石を持ち上げようと、重力を反転しようとするもうまくいかない。

「魔力を纏わせて変換……?それとも魔力で持ち上げる?でもそれは重力操作とは言えないし……」
スキルは十全に使える百合乃は精神力も別の意味でついたことだから無視するとして、私は1番苦手なこの魔法を練習する。

 はぁ。今できるのは体重を少し軽くすることと、物を少し重くすることだけ。
 相手を圧死させることは不可能だし、ゼロにすることもできない。

 もちろん相手を浮かせたり落としたりとか、固定もできない。脳内イメージでは結果のイメージは完璧だけど、発動イメージが湧かない。

 魔力で補完できるなんてね、そんなの小説の中だけなんだよ。

「宝の持ち腐れって、こういうことを言うのかな。」
空を仰ぎながら、苦々しく呟く。空が空を。とてつもなく寒い。ブルっと身を震わせていると、木陰からわしゃわしゃと音を立て、魔物が出現する。

 あー、もう。邪魔だなぁ。百合乃に相手してほしいんだけど、いないよね。もうどっか行っちゃった。

「しゃーなし。私がやりますかっと。」
右手に銃、開いた左手は重力魔法の練習のためステッキを握る。

「加重。減重。」
文字通り自分の体重を減らし、相手の体重を増やす。特に意味は無い。

「はぁ……ダメだよね、やっぱ。と言うか効果より薄れてる気がするんだけど……」
練習あるのみか、と落胆し、ノールック射撃をする。

「グルワッ!」
「って避けた!?」
慌てて1歩後退し、ジリジリと迫り来る黒色のワンちゃん(人を数十人単位で殺してそうな凶悪な顔)に銃を向ける。

 重力操作で完全に忘れてたけど、私銃も下手なんだった……

 ほんとに何もできない私自身にうんざりし、空間を縮めてトリガーを引く。
 パァァンッ!パァァンッ!

 脳(?)と腹部に1発ずつ放ち、すぐさま破裂するようにして貫通する。
 残弾数ゼロ。さっき百合乃とこあれこれで2発使ったので、もうマガジンは空だ。

「核石は回収して遺体は燃やす……マガジンも変えなきゃ。えっと、ここだここ。」
銃の後ろにあるスイッチを切り替え、銃底を手で叩いてマガジンを取り出す。収納で入れ替え、マガジンをセットしスイッチを上げる。弾詰め完了だ。

 まだ魔物襲来の時の核石が余ってるけど、銃弾は消耗品。核石はたくさんないとダメだ。しっかりとるっておこう。

 この世界の人達は核石を取ることをしないから、取り放題だと半ば喜びながら、百合乃の帰還を待つ。

 待つ、待つ、待つ。

 日が落ちかけてきた。オレンジ色の空が綺麗。

 重力操作もほんの少しだけコツが掴め、数個同時に石を持ち上げられるようになった。
 ただの念力にしか見えないけど。

 視界の端にはこの世界で言う月が見えてくる。やっぱりどこの星にも太陽と月は必要みたいだ。

 既に闇がかかる空。10日間魔力を酷使してきたせいで、そろそろ今の魔力残量もやばい。
 SP3100を使って魔力高速回復Ⅳを作る。有意義な生成だ。

「いや、いくらなんでも遅すぎる!」
痺れを切らした私は、結構な大声を張って立ち上がる。

「いつまでやってんの百合乃……程度って物を知ろうよ……」
頭に手を置き、半ば諦め気味に嘆く。

「はい?どうしました?」
「うおっ!?は?百合乃……?」

「はい、空のアイドル、百合乃です。」
「アイドルじゃないよ?……じゃなくて、どこ行ってたの?」

「心配しました?ありがとう!」
「いや、微塵も。」
「酷っ!?いや、これは信頼を置いていると言う意味ではいいことなんじゃ……」
1人悶々と考え始める百合乃に肩を竦めて近づく。そこには、放送禁止になるレベルで血と臓物が飛び散った百合乃が、いた。

「ねぇ、百合乃?」
「っ!……………は、はい?」

「百合乃は肘か膝、どっちが好き?」

「どっ、どちらかと言うと唇……」
言うより早く、私は神速で突撃して肘と膝をクロスさせる。

「程度って物を知れ!」
「あべふぅっ!」

———————————————————————

 名前 青柳 百合乃

 年齢 16歳

 職業 軍人(仮)

 レベル 34

 攻撃2150 防御1490 素早さ1710

 魔法力520 魔力0

 装備 軍服セット 対魔のサーベル

 スキル 剣姫 魔力感知 軌道予測 魔断
 衝撃断 断絶 吸魔 衝波 天震 俊敏向上

 技能 飛翔刃


 ソラさんの序盤ステを覚えてないので、こんな感じになりました。ご覧の通り、適当になっております。


 いつもステータ画面が見にくいと思いますが、もう修正はめんど……難しいのでこれから直そうかと思います。
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