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8章 魔法少女と人魔戦争

256話 魔法少女とご都合展開

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 異変を感じてすぐのこと。突然ステータス画面が発光し、紫を帯びる。

 次第に色褪せていき、そこにはたった1行、文がが並んでいた。それでも、どこか迫力がある。

「キュー……ッ!」
なんの影響か、私は口が開けない。つまり、これを読む以外ではない。キューが何やら騒がしく威嚇するも、道がないんだから仕方ない。


 龍に背くものよ、来い。相手になろう。


 それを読んだ途端、急に地図のようなものを脳内に埋め込まれたような、変な感覚に陥る。

「……っ、はぁ!あ、喋れる。」
ようやく拘束が解かれ、内心少し安堵する。

 多分、あれは龍神。脳内に入ってきた情報からすると、そんな感じがする。
 何か絶対的力を感じないでもない。

 威圧効果でも混じってる?

 そう思考を回すと、今さっきの短くも大きすぎる情報に上書きされて中断される。

「うっ、……厄介……まともに頭も回せないの?落ち着いてくれるといいんだけど。」
「キュウ……」
心配そうに見つめるキューに一瞥をくれ、「大丈夫」と一言呟き、頭をトントンと撫でる。

「え?あの……状況が飲み込めないんですが?」
少し、いや結構な困惑し、目がぐるぐると回っているようにも見えた。

「いやね。ちょっと殺し合いパーティーのお誘いがあってね。」
「そんな危険なパーティー見たくないです!」
久しぶりのボケにちょっと嬉しくなりながら、やいやいとうるさい百合乃の動きを静止させる。

「私の目的が向こうからやってきてね。場所を教えてくれた。試練?的なものも途中にあるけど、まぁなんとかなるでしょ。」
「なんとかなっちゃうんです?」
「え、知らない。」

「そこは確信持って!」
攻守逆転でツッコまれる。百合乃に言われても説得力というか威力に欠けるので、あんまりよくはない。

 って、今そんな採点してる場合じゃない。
 つまり、今は結構なご都合展開ということだ。

 特に苦労もせず……いや、めっっちゃ苦労してた。苦労しまくってた。
 まぁそこは置いとくとして、こんなあっさり目的の場所に行けるとか思ってなかった。

 王国行こうと思ってたけど……未来の王都で我慢しようかな。

 統合前を見てみたい気持ち半分を抑え、もう半分の龍神にフォーカスを当てる。

「この前言ったよね?私の目的。」
「はい。龍神を倒すんですよね?」

「うん。そう。私はその楔?みたいなのにされたらしいんだけど、ちょうどいいから討伐してこいって。」
「随分とノリの軽い神なんですね。」

「ただ軽く説明しただけだからそこは関係ないよ。」
変なところに突っかかられ、話が止まる。

「話戻すね。多分あれは創滅神の故意だね。絶対狙ってるよあれは。」
かくいう私も話がずれ、地味に愚痴らしき物になっていた。

「敵からやってくるとか、随分なご都合主義なパターンですね。探す手間が省けるし、いいんじゃないです?」
「まあ……うん。そうかもね。」
どこか嫌な雰囲気を感じ取りながら、曖昧な返事をする。

 キューのあの騒ぎよう。ステータス画面への干渉だけのそれとは思えないんだよね。
 もっと別な……ん?

 訝しげにステータス画面を見つめ、スキルの項目に違和感を見つけた。


 逾樊が
莉サ諢上〒縺薙?荳悶〒譛?繧るォ倅ス阪?繝舌ャ繝峨せ繝??繧ソ繧ケ繧剃サ倅ク弱&縺帙k縺薙→縺後〒縺阪k縲。解除不能。


「は?何これ。」
思わず口からそんな言葉が洩れ、そんな文字化けしまくったスキルを睨む。

 解除不能……とにかく、悪いってことははっきり分かる。
 意味ないだろうけど……鑑定眼。

 右目を染め、文字を睨むように見る。

 荳榊庄閭ス荳榊庄閭ス荳榊庄閭ス荳榊庄閭ス荳榊庄閭ス荳榊庄閭ス荳榊庄閭

「……ダメか。」
項垂れるように腕を力なくおろし、解除する。

「さっきから空、どうしたんです?大丈夫です?」
「全然大丈夫じゃない。でも龍神倒せばなんとかなる……かな?」

「なら、わたしも行きます!」
「は?」
突然聞き捨てならないセリフを、さも当然のことのように力強く宣言する百合乃。

「ダメだよ?」
「どうしてです!?わたしが弱いからです?なら、強くなります!」

「龍神はそんな生ぬるい相手じゃないよ。しかも私今、なんか変なスキルも付けられてるし。守りきれない。」

「なら余計にわたしが必要なはずです!」
自分は絶対に必要だと、胸を張って言い切る。どんな根拠があるのか、と聞きたくなるけど、さすがに言い過ぎになるので口を噤む。

 何がなんでもダメだ。流石に、こんなことに百合乃を巻き込めない。
 完全に私と神の問題なのに、そこに百合乃が巻き込まれるなんてあっていいわけない。

 それに、こっちしてから数日の人に何ができるかなんて限られてるし、そんなことだったら私もできる。

 ぶっちゃけ足手まといだ。

「空……いいんですn」
「ダメだけど?」

「えぇ!?なんでです?今の沈黙は、了承の沈黙じゃないんです?」
「いや、なんて返そうかなと。」
「意外に普通ですね!」
よく分からないところにツッコミを入れられ、「もっと腕を磨こう」と肩を叩いて言っておく。

「なんのです!?」
その日1日は百合乃に着いていく着いていくと言って付きまとわれたので、途中にいたリーシーさんに引き取ってもらって私は野宿をしに端に移動する。

 なんで私に着いていきたいなんて思うんだろうね。こんな1歩間違えば……いや、間違わなくても死ぬような世界に、わざわざ。

「はぁ。明日は武器作って準備でも整えよう。」
元からする予定だったことを早巻にし、明日の用意を収納の中でしておく。

 ま、私も危ないと思ったら逃げますし。勝てない相手に向かうなんて、そこまでバカじゃないよ。

———————————————————————

 龍神の招待文に文字化けのスキル。さてさて、嫌な予感がしてきています。

 そんなことは置いといて、今は私の口の中が化けています。(?)
 口内炎に謎に切れた内唇、火傷により染みる上顎と、口内が痛みのパラダイスになっており、それこそ痛みによる『パーティー』が繰り広げられております。(??)痛いです。


 すみません、また設定ミスです
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