魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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6章 魔法少女と奴隷商の国

182話 魔法少女と潜入捜査(西商)

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 昨日の事件は脳内から消し去り、私は安心安全西商にいた。

 あれは事後だ!あ、間違えた。事故だ!

 いや、事件だろ。というツッコミをいただいた気がする。

「今日は休もうかな?」
「働け。」
すると、後頭部を小突かれる。

 この声は……はぁ。

「その言葉、そっくりそのまま返すよ。ブーメランだよ、ブーメラン。」
「何言ってるんだ?」
深いため息をつくウェントに、それはこっちのセリフだよとツッコみたいけど……やめた。

 どうせいったって無駄だよ。あのバカが、学習するとは思えない。

「レイティーの野郎に扱き回されて、ようやくの休みなんだ。ゆっくりさせてくれ。」
「そっちが声かけたんでしょ。」
もう会話すら煩わしくなり、呆れた目で見つめ返す。

「なんだよ。」
「レイティーさんは野郎じゃないよ。」

「レイティーみたいなこと言うな。」
そう一言残し、場を荒らすだけ荒らして「じゃ、帰るわ」と言ってどっかいく。

 なんだったの。そもそもこの時間何?なにもするつもりはなかったけど、時間返して。
 あ、無理ですか?じゃあウェントの仕事を増加でオネシャス。

「で、西商のどこを見れば良いの。」

 確か暗器や毒薬の製造が盛んなんだよね。
 だから何って感じだけど。

「じゃ、2日間働き詰めのご褒美に何か買おうかな。」
ということで、聞き取り調査を始めます。

 私はアクティブなオタクなんだよ。

 そして終わりました。
 こういうのはテンポ良くいかなくちゃ。 

 暗器と毒薬のいいお店の情報を聞いて回ったけど、どこも、ある1つのお店を選んでいた。

 それがここ、なんか廃れた感じがまたなんともいい雰囲気を出している一軒家のお店。

「いらっしゃい。」
おじさんの渋い声が聞こえる。

 みんなが勧めてた割には人が少ない気がする……?まぁいいや。暗器とか売ってるのに、人が多かったらもうそれ暗器じゃない。

「適当に見てってくれ。」
「あ、はい。」
パッと見た感じ、暗器なんて売ってなさそう。でも、奥に行けば行くほど暗器類があった。

 えーっと、何買おっかなー。

 ようやくそういうコーナーが現れ始め、足を止める。棚にひっそりと置かれた武器達をみて、ぶつぶつと呟く。

「仕込みナイフ、普通にナイフ、小刀、魔力行使型ナイフ……って、ナイフばっかだ。」
チラッと横を見ると、別のものもある。

 あれ、ここナイフのコーナーかな。
 別にナイフなんていらないんだよね。毒薬とか、私が支えなさそうなやつが欲しい。

 ぱっと見それっぽいのはない。聞いてみようかな。こっそり聞いてみよう。そうしよう。

「あの、いい毒薬とか売ってません?気になってるので買いたいんですけど。」
「……ふむ。…………まさか、暗殺者の類か?」
「いや、観光客です。」

「そうか。こっちへ来い。」
会計の席に座っていたおじさんは立ち上がり、裏口の方向に向かう。

 あ、そっちにあるってこと。オッケー分かった。
‥‥何も分かってないけど。

 おじさんが案内した先は、危なそうな薬がずらっと並ぶ、どデカい棚があった。

「うわぁ‥‥ここまできたら引く通り越して呆れるレベルだよ。」
さすがの私でも、毒薬を買うのは忍びない。ここは、睡眠薬ぐらいが丁度いい。

 戦闘中に使えば、穏便にことを解決できる……気もしないでもない。

「この睡眠薬、お願いします。」
そうして、クスリ(合法)を得た私であった。

 することがなくなり、今日は最初の宿に泊まろうと帰路を辿っていた。

「ほんと、北商と東商との差が激しい。」
なんとも言えない息を吐き、歩く速度も落ちる。

 あんなに濃い街から、急にこのほんわかな感じだよ。落差がね。
 「僕らは物資担当です」ってこと?別に平和なのはいいことだけどさ。

 そんな風に、文句と愚痴の合わさったようなことを考えていた。
 すると、もう宿屋の前まで着いていた。

「げっ。」
「なにがげっ、だ。」
ウェントと会ってしまった。

 せっかく休めると思ったのに、こんなんと一緒だったら休めないよ。

「お前、調査はどうした。」
「犯人なんてあそこで決まりでしょ。この国で1番平和なこの街を調査する意味ある?」
思ったことを言ってみる。

「それを言ったらおしまいだろうが。それでも調査するのが仕事だろ。」
「ウェントは私の昨日までの仕事を知らないからそんなことが言えるんだよ。」

「何やってたんだ?」
訝しげに首を傾げ、返答を求める。

 ちょっとオブラートに包んで言わないと、お縄につきそう。

暴力団を壊滅させたりちょっとした暗殺者を殺したりトラブルがあって。」

「なんだよ、トラブルって。まぁいい。西商に特に何もないってのは、同感だからな。」
そう言って宿屋に入るウェント。

 さっきから外ぶらついて、何してるんだろう。何かイケナイことでもしてるのかな?
 ま、それに私が口を出すような無粋なことはしないよ。

 大人な私に感謝するといい。

 そのまま私は、ウェントを追うように宿に入る。

 そして部屋では、御者さんが眠っていた……っていうのはどうでもいいことだ。

———————————————————————

 今回はこのくらいで勘弁してください。ちょっと話も変な感じな気もしますが、お気になさらず。
 西商、薄すぎます。

 暗器と毒薬?そんなチャチなものでなんの話が作れるんですか。
 なんですか?東商の人が買いに行ってるのを見て、口封じに殺されかければいいんですか?

 取り乱してしまい、申し訳ありません。
 許してヒヤシンス(反省の色無し)
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