魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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6章 魔法少女と奴隷商の国

174話 魔法少女は足止めされる

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 翌日。

「サークルレーザー!」
魔物の真下に魔法陣が描かれ、どデカいレーザーが放出された。手には魔道具を持ち、指揮棒のような細長い物ということしか分からなかった。

 まだ魔物も減らないし……やっぱり、なんかおかしいね。まだあの余波とかあるのかな?

 私はそんなことを考え、レイティーさんの攻撃をボーッと見ていた。

 今は馬車で移動していることに変わりはないけど、魔物の量が一向に減らない。
 数体が束になって何回も襲ってくるから、眠る暇もあんまりない。

 馬車をいちいち降りるわけには行かないから、屋根や御者さんの隣に座って、遠距離攻撃に打って出ていた。

「アンタたち。エンヴェルに着いたら、しっかり働いてちょうだい。負担がワタシたち2人に集中してるんだから。」
開けられた窓に、指揮棒(?)を出して振るってそう言った。そして、恨めしそうに眠りこけるウェントを見た。

 確かに、ウェントはうざいね。夜は一晩中起きててもらおう。そうしよう。

 私は、「一旦変わるよ」と言って、御者さんの隣の席に座った。
 魔法は馬車内では撃てないしね。

「はぁ……なんでこうなってるんだろう。」
ため息を大きく吐く。

 こんなめんどくさいなら、バックれればよかった。
 ま、そんなことしたら、レイティーさんに後から殺されそうだからやめとくけど。

「アクアソーサー、暗黒弓ー、万属剣ー!」
いくつかの、水の刃、弓、剣が縦横無尽に飛び回る。

 そのままオートモードで。魔導法、よろしくね。

 そのまま仮眠を取ろうと目を瞑るも、ガタガタしてとても眠れたものじゃない。
 ウェントが、睡眠欲の塊だと言うことが分かった。

 ちなみに、御者さんと話ができず、めっちゃ気まずかった。

 そんな時。

「どうすりゃいいんだか。」
「さっさと行けないのかね?」

「この先の道があぁじゃあ……なぁ?さすがに無理ってもんよ。」

「迂回していけばいいだろう!」
「どれだけの時間が余分にかかると思ってるんだ!」

「私はどうしてもエンヴェルに行かねばならんのだ!さっさと通れ!」
「死ねと言うのか!?」
小太りのうすらハゲで、よくアニメでいそうな商人。それと、筋肉が少し付いたおじさんが口論をしていた。

 なにこれ?修羅場ってやつ?
 馬車は停車し、何が起こったか聞こうと御者さんが馬車を降りる。

「どうした?何が起こったか?」
トインも馬車を降り、それに続いて他3人も降りてきた。

「なんかそこの2人が喧嘩してたみたいで、エンヴェルに行きたいけど行けないって話で。」
そこで気づく。

 「あれ、それ私達もやばくね?」だ。

「なんだお前は!」
「おい、他人にまで当たり散らすな!」
筋肉おじさんが、小太りのおじさんを止めて御者さんに謝る。軽く事情を説明し、私達も向こうに行くことになった。

「ウェント、レイティー、トイン、ライ、ソラか。……どこかで聞き覚えのある名前もあるが、気のせいだろう。」

 多分それ、私のことだね。プライバシーを一切守られないので、普通に名前をバラされる。
 冒険者Sさんとかでいいのにね。

 日本だったら未成年は、少年法か何かで名前や職業は伏せられるのに。

「聞いているかもしれないが、向こうの道の橋が完全に千切れちまっててな。魔物の影響だろうな。まったく、面倒なことをしてくれる。」
やれやれ、と言った風に深いため息を吐いた。

 と、いっても。私にはどうすることもできませんしね。
 だからといって帰るなんてできないし……

「あ、そうだ。いいこと思いついた。」
ぽんっ、と手を叩く。

 そもそもなんだけど、魔法使えば1発なんだよね。これからも安全にするためには、この方法の方がいいけど。

「ソラ、何がいい案でも思いついたのかしら?」
「まぁね。そんなとこ。」

「はっ、そんな小娘のことなんて信用できるか!私は1人でもエンヴェルに行ってやる!」

 どうしてここまで頑なにエンヴェルに行きたいか分からないけど、面倒はほっとこう。
 面倒ごとは、2つも要らないしね。

 そうして、商人は森の奥に入っていった。

「あんなとこ行ってもエンヴェルなんかには着がないのにな。まぁほっとけ。すぐに帰ってくるさ。」
そう言って馬車に腰掛ける。

「まぁまぁ、そこに座ってていいよ。私は橋の修理という名の道生成してくるから。」

「何言ってるか、ぼくには分からないんですが。」
「大丈夫、ワタシもよ。」
ニコッと微笑み、コソコソと話す。

 迫害されてる気分になって、ちょっと悲しくなる。

 1人でテクテクと壊れた橋の元に行く。

「見事な壊れようだね。根本からブチっと言ってるね。」
ロープで繋がれてる系の橋なため、宙ぶらりんになってて笑いそうになる。

 こんなの秒だよ、秒。新しく手に入った魔法、各種地龍魔法を使って魔力付与された土を壁面から壁面に……

「こう、ズドーッン!って。」
ドォーッンッ!轟音が鳴り響いた。

 ズドーッンじゃない、ドォーッンッだった。それにしても……
 攻撃魔法じゃないのに威力高すぎない!?波の魔物なら勢いで死ねるよ?ケルベロスくらいなら勢いだけで3回は死んでるよ?

「まぁ、いいや。」
通れるようにはなったので、報告に行くことにする。報告をしてみると、最初は「何言ってんだ?」的な反応だったけど、実際に見ると呆然と固まっていた。

 私?私はずっと死んだ魚みたいな目でいたよ?何したって「何言ってんだ」なんだから、無駄に感情入れるだけ無駄だよ。
 魔法少女は、そうなる運命なんだよ。

「いい加減、お前の評価を10段階くらい上げないとな……」
ウェントが呻くように、小さな声で言う。

「そうね。そもそもソラを評価という枠組みで捉え切れるかどうかも問題よね。」
「うむ。評価するには、比較が不可欠。比較するものがなければ、評価は不可能。」
「ぼくの調合術が評価されないように、知らないものは評価できないんだね。」
納得しているように、うんうんと頷く。この人達、不思議なことに私に対する感想だけは意見が合致してる。

 魔法少女七不思議の1つに数えられそうだね。

 そう考えていると、森の方から声が聞こえてくる。
 みんなそれに気になり、耳を傾けてみる。

「助けてくれぇぇぇぇぇ!!」
おっさんの声が響き渡った。

———————————————————————

 段々と、4人の強さの段階が分かり始めた頃だと思います。

 レイティーさんは、火力はあるものの、連発ができない。

 ウェントは、一撃は重いものの、接近&遅い攻撃なため当てるのが難しい。

 トインは、機動力を持ち、高速のヒット&アウェイを繰り出せるものの、火力は低い。

 ライは、特殊な技により翻弄や補助、場合によってはメインになりうるものの、どれも決定打に欠ける。

 こんな感じでまとめてみました。活躍どころはほとんどソラとレイティーさんしか与えてないので難しいかもですが、自分なりの強さランキングを作ってみてはいかがでしょうか。
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