魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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6章 魔法少女と奴隷商の国

169話 魔法少女は呼び出される

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 もぐもぐ。

「人助けって、いいね。」

 もぐもぐ

「人は助けてなんぼだよ。嫌がらず、人のために何かをしたら返ってくるんだよ。」

 もぐもぐ。

「因果応報って、このことなんだね。よく分かったよ。」

 もぐもぐ。

 どういう状況かを説明しよう。今、私は家でマカロンのようなお菓子を食べている。美味しい。これはまさしく、高級品だ。

 口に入れた瞬間分かる、これはいい物だ。

 なんでこんな物を食べてるかって?そんなの簡単だよ。
 昨日助けた女性、この人がどこかの会社の社長(?)の娘さんらしくて、お礼にスイーツ詰め合わせをもらった。

「う~ん、おいしぃ~。」
そのうちの1つを頬張りながら、舌鼓を打っていた。

 あの、ちょっと間抜けそうな人、社長令嬢だったんだ。
 失礼なかったよね?大丈夫だよね?

 余計な心配をするも、スイーツを食べるとそんなことは忘れてしまう。

「あ~、美味しい。ロア達にもお裾分けしようかな?テレスさんとか、お店メンバーにも食べてもらおう。」
全部食べ切らないよう、配分を考えながら食べていた。

 その時。

 ピコン、と音が鳴った。確認してみると、それはレンカの連絡機能の通知だった。

「あぁ、レンカ。めっちゃ久しぶり。何ヶ月ぶり?」
光を出すレンカを見つめ、連絡機能の欄に目を向ける。

 『よう、魔物討伐以来だな。早速だが、新しい依頼が入っていてだな、がご所望だそうだ。明日の午前にギルド集合だ。』

「……仕事、見つかっちった。」
実に1週間と少しぶりの仕事だった。非常にめんどくさい、そんなことを考えながら明日の予定を潰していた。そんな予定はないけれど。

 あぁ、明日からまた仕事?物によっては嬉しいし、楽しいからいいけど……前回みたいに度が過ぎたのは嫌だよ?

「はぁ……お金はまだ十分あるけど、稼げる時に稼いどきますか。」

 翌日

 朝起き、掃除をし、風呂に入ってご飯を食べ、しっかりと支度を済ませてから少し早めに家を出た。

 目の前にギルドはあるけど、依頼で忙しくなるかもしれないからロア達に先にスイーツを渡してあげようかと思った。

 ステッキに入ってるから、今のところは賞味期限とか気にしなくてもいい。
 流石ステッキ、万能だね。

 少し駆け足気味にロアのアパートへと向かい、ドアをノックする。

「ソラお姉ちゃん?どうしたんですか?」
ロアが出てくる。

「ちょっと渡したいものがあって。貰い物なんだけど、美味しかったから。」
ステッキから取り出したばかりの袋を渡し、私は「じゃ、2人で仲良く食べてね」と言って帰っていく。

「そ、ソラお姉ちゃん!?」
困惑した表情で虚空に手を伸ばし、こっちを見ていた。

 許して、これからギルド行かなきゃいけないし、お店にも行かないとだから。

 少しロアの家から遠めだけど、テレスさんのカフェに到着する。
 見た目と中身が一致して無い部分があるから、仕方なく料理の変更も考えてる。
 主に、装飾を。

「お邪魔しまーす。」
いつも通り、こっそり裏口から侵入する。

 侵入っていう言い方はちょっとあれかな?犯罪的過ぎかな?
 そんなこと気にしても今更感すごいけど、ま、いっか。

「ソラさ……ん。何か用事ですか?」
一瞬気付いたような顔をしたけど、何故かまた敬語に戻るテレスさん。

 今のさとんの間、なに?さん付けるか付けないかで迷った?
 ぶっちゃけ、どうでもよくない?私は敬語じゃなくてもいいけど、敬語にしたいならそれでいいと思うし。

 少し大人になった私は、そんなことを考えた。

「特には。やっぱりロアとテレスさんは親子なんだね。よく分かった。」
スイーツの入った袋を置き、冷蔵庫入れときますね、と言って隅の方に置いた。

「なんです?今の。」
「スイーツですよ。ロア達にもあげたので、お店メンバー4人で食べてください。そして給料、あげましょう。」
「ありがとうございます。ですが、後者は認めません。」

「くっ、意地が固い……っ!」
そんなおふざけをしていると、クスッと笑ってしまう。

「でも、頑張り過ぎないでくださいよ?給料と働きが釣り合いがとれなくなっちゃいますよ。」そうとだけ言い残し、入りと同じように裏口から出る。

 よし、やること終わったしギルド行こう。

 仕方なぁーく、冒険者ギルドに足を運ぶことにする。

「あっ、そういえばまだランク上げてなかった。」
ふと気づき、ついでにやってこよう、と呟いた。

 初手からランク上がって、今やランクB。難易度調整もし、量も増やされた。それでもランクAに昇格させられる。

「怖いねー、世間は。」
1人で肩をすくめる。

 こんな可愛い魔法少女1人を、そんな祭り上げたって何も起こらないよ?
 それに、国王まで私の情報行ってるんでしょ。こんな怪しげな少女の情報が。

 「世も末だね」と、心底思ってしまう。

 ってか、依頼って何?ドラゴン討伐してこいとか?

「あははは~、そんなわけないよね。そんなわけ、ないよね?」
そんな妄想をしていると、いつの間にか巨大なギルドが目の前にあった。

 いつ見ても大きいねー。この2棟編成っていうのも、なかなか新鮮でおもしろい。

 ま、私は真ん中の応接室とかの方がよく行くんだけど。
 どういう生活したらこうなるんだろう。自分に聞いても分からないんだよね。

「ギルマスー、来たよ。さっさと要件話してー!」
私は、少し大きめの声でギルマスを呼んだ。

———————————————————————

 そろそろ本題に入ります。章の名の通り、あそこに行きます。
 伏線(?)も少し前に貼りました。準備は万端です。
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