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5章 魔法少女と魔物襲来
156話 魔法少女は疲労困憊
しおりを挟む「人神……あのとき、軽くするとか言ってたよね……?」
すると空から、「軽くするのは半減時間だ」という声が聞こえてきた気がする。
そんなのどうでもいいっ!
「あぁ、頭痛い……頭痛が、頭痛がぁ……」
片手で頭を押さえながら、小さく呻いた。
そ、それよりステータスチェック。地龍の能力そのまま譲渡とかいう、超絶イベントが発生したんだし……これを最強と言わずして、何と言う。
ステータス画面を開き、そのとんでもない上がりように驚愕を超えて、気絶ものだ。
「流石に気絶はしないよ?…………それにしても、地龍のステータス凄っ。」
1人で会話していることに気づき、虚しくなる。
ステータスが、こんな感じ。
ステータス
名前 美水 空
年齢 17歳
職業 魔法少女
レベル 168
攻撃4530 防御4560 素早さ4990
魔法力6010+1 魔力5780
装備 魔法少女服 魔法少女ステッキ
魔法 アクアソーサーⅤ 魔導書Ⅵ(-7) 神速Ⅶ
ファイボルトⅤ+1 万属剣Ⅴ+1 投擲Ⅲ+1
鑑定眼Ⅴ+1 食材生成Ⅲ+1 魔導法Ⅴ+1
トールⅣ 物質変化Ⅲ 空中歩行I+1
アースアイスⅢ エアリスリップⅢ
魔力喰らいⅣ+1 混合弾Ⅳ 暗黒弓Ⅲ 流星光槍Ⅲ
各種地龍魔法Ⅴ×3
スキル 魔法生成 魔力超化 魔力付与
万能感知 魔法記憶 詠唱破棄 覚醒
魔法分解 振れ幅調整 身体激化 水竜之加護
調教 基本能力上昇 人神魔力 運命
能力値上昇 地龍之加護 各種地龍能力
SP 206580
うん、うん、うん。狂ってる。
「SPが206580って、バカでしょ?頭狂ってるの……痛ぁ……」
頭を強く押さえる。痛い。
くっ、余計に痛くなってきた。ツッコミどころしかないのは、この際置いとこう。ツッコんでもキリがない。
整理が大変じゃん、これ。どう考えてもさ。
SP多すぎて、迷いまくる。今まで多くても1000くらいだったのが、200倍だよ?どうするのさ、これ。
「ま、少しだけ使ってあとはぼちぼち使ってこう。一気に使ったって、後から小回りが効かなくなるだけだし。」
腕を伸ばし、思いっきり体をほぐす。身体中が痛いのには変わりないけど。
こういう時は、叫びたくなるね。何故かって?知らないよ、そんなの。
「よっしゃーーー!強くなったぁぁぁ!!そして痛ーーーい!」
瞳が潤み、頬に一筋の涙が流れる。決して感動の涙では無く、普通の痛みによる涙だ。
今までで1番本気で覚醒使ったしね、しょうがないっちゃしょうがないけど……説明欄にちゃんと書いといてよ!
『使い過ぎの場合、激しい痛みを伴います』って。
‥‥素材はステッキの中に入ってるから、そろそろ帰るかな。
痛む体を抑えつつ、ゆっくりと歩き出す。
「あぁ……一生分働いた。」
————————————
少女は危惧していた。
遠くからは、けたたましい獣の咆哮が聞こえ、地鳴りがいつまで経っても止まない。
魔物達も怯えるようにして、なかなか出てこない。
あっちの方角は、彼女が好意を抱く人が歩いて行った先だ。
不安で不安で仕方がない。
「ほ、本当にソラさんは、だっ、大丈夫なんでしょうか?たっ、た、助けに行ったほうが……」
「大丈夫だ。逆に俺たちが言ってみろ?邪魔だと追い返されるだけだ。」
不遜な態度で言い放つこの男の名は、ディー。ソラから見れば弱いが、十分な強さを持っている。
「そうですけど……」
弱気で、いつも俯いているこの少女は、フェイル。ソラからすれば、手のかかる妹。フェイルからすれば頼れる先輩(好意の目)である。
「ギュルアァァァ………アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
変な叫びが聞こえる。
「ひぃぃっ!」
「ビビりすぎだ。」
少女同様に、驚いて飛び出してきた魔物を始末する。
「普通はビビりますよ。見てください、魔物だって怖がってますよ?」
今、ディーが始末した魔物の顔は、世紀末でも見たかのような顔だった。
「そんなもんか?」
「そんなもんです。」
「「……………………………………………………」」
2人の間には、長い沈黙が生まれた。
「ま、まぁあいつを待つか。」
「そっ、そうですね。」
このとき、2人はだいぶ気まずかったという。
————————————
2人がそんなやり取りをしていたとも気づかず、一歩間違えたら死ぬような戦いをしていたソラは、今、頭を抱えて歩いている。
「遠い。今までは全く感じなかったけど、遠い。とてつもなく、遠い。」
普通に歩けば数分、だけど私はもう10分は歩いていた。
魔物の反応は薄くなった、でもまだいる。私の身体は悲鳴をあげて、今すぐにでもぐっすり寝たい。
というか、この上着?コート?みたいなの、壊れそうなんだよね。
主にステータスのせいで。
そう、どこかの地龍の力を、丸々手に入れちゃった私は今、龍の力が扱える。
その分強くなり、魔力も濃くなる。それに上着が耐えきれないんだと思う。
「帰ったら、もう少し強めのやつに買い替えないと。出費がぁ……」
別の意味でも頭を抱える。
家買いたいのに、そんなスペックの買ったら、お金すごい勢いで飛んでいきそう。
「そろそろかな?ほんとに休みたい。尋常じゃないから、疲労。」
誰かに語りかけるように話し、あぁぁ……と唸る。客観的に見ると変人だ。かなりキモい。でも今の私に、そんなことを気にする余裕はない。
疲労困憊とはこのことだね。この世の全ての疲労をかき集めたみたいだ。魔力が無かったら、多分もう意識ない。
そんな意識すら危うい中、なんとか歩を進める私だった。
その点で言うと、地龍のステータスが無かったらやばかった。
地龍さん、グッチョブ。
———————————————————————
ステータスを上げてしまい、上記の通りとんでもない強さになりました。
理由はありますが、今書いてはいけないことだと思いますので遠慮しておきます。
これでも勝てない相手には勝てませんよ。
これは、レールガンの威力を全てかき集めたレベルです。……普通に強い。
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