魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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5章 魔法少女と魔物襲来

149話 魔法少女は違和感に気づく

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「「……………………………………………………」」

 そんなこと言ったって
狐人が答えられるわけでは無いので、沈黙が生まれる。

 いや、空力であってるでしょ。今の私は、人神の力を少し受け継いでる。
 だから、何となくだけど分かる。空力を使える生物が残ってるなんて、人神は知ってたのかな?

「そんなことが分かったからって、どうにかなるわけじゃないけど。まぁ、やるしか無いっ!」
もう1度地面を強く踏み、地面を駆ける。

 まず、狐人が空力で扱う業火が危険すぎる。消しても消しても生み出されるから、一気に全部消すでもしないと、意味が無い。

 そこで、一気に決める。それが唯一の勝利方法。

「グワァァァァァァァァァァゥゥ!!」
爪が再生し、唸りながら炎の爪刃を放ってくる。

 ……っ!これは当たっちゃダメなやつだ。当たったら、大変なことになりそうな予感がする。

 その爪刃は空気を焼きながら、かなりのスピードで通り過ぎる。
 爪刃の先には木が生えており、溶けるように切り裂かれた。

「あっぶなぁ……当たったら痛いじゃすまないよ。」
流石か弱い人間が強い魔物達から身を守る手段だけあるな、と思う。

 これを人間が、ねぇ。

 なんとなく、途絶えた理由が分かったような気がした。でも、人間として言ってはいけないような気がした。

「トールっ!!」
両手を横に伸ばすと、雷がバチバチと音を鳴らして出てくる。

 魔導法と合わせて、自分で操作しなきゃいけない。能力の1つだけど、結構大変なんだよ、これ?

 ホーミングのように左右から飛ばされた雷が、狐人に迫る。
 でも、業火が油でもかけられたかのように、大きく炎を上げて燃え盛ることによって阻まれた。

「っ!どうしろっていうのさ!倒しようが無いよね?ね?」
文句を垂れながらも、なんとか戦っていく。普通にイラついてきて、ミョルスカイを構えそうになったのは言わないお約束だ。

 ……奥の手を使う?SPがもったいないけど、やらなきゃ勝てないならするしかない。

 魔法の項目をタップし、SPを使って能力をプラスする。

「これで、勝てるといいんだけど……」
ステッキを握りしめ、動きを読む。

「グルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
向こうも警戒心剥き出しで、唸っている。

 ここまで太刀打ちのできない敵、カロォーク依頼いなかったんだけどね……素は弱いけど、能力がとんでもない。

「まるで私のようだ。」
左手を目元に当てる。

 ダメだ、自滅する前に倒さないと……っ。

 別の意味で負けそうになり、歯を食いしばって足を動かす。

「グルォォォォォォォォオオ!!」
狐人も前のめりになり、よろめいた。その瞬間、炎が後押しするように速度が速くなる。

「魔力喰らいっっ!!!」
ステッキを上から下に振り下ると、暗紫の影が辺りを満たす。

 魔力喰らいは、名の通り魔力を喰らうことしかできない。だから、その魔力を奪うだけ。

 空力のように、未知の力を喰らうことはできない。なので、諸々含めた「」を喰らう能力にした。

 生物に当てれば、力を削ぐこともできる!

「グォゥ?」
何が起こったか分からないように立ち止まり、暗紫の影に飲み込まれていく。

「よしっ!」
私は拳を握り、ガッツポーズをする。そんなことをしてる間に、影は次第と晴れていき、狐人の姿が見えてくる。

「グゥゥ、ォォ……」
見るからに弱っている。魔力を吸われ、倒れかけのようだ。
 
 一応……鑑定眼。状態確認ということで。

 ずらっと目を通すと、驚愕の事実を発見する。

「え、生力低下?魔力不足……生存確率3%?」
読み上げてみると、ことの重大さに気づく。

 これ、生命力も奪っちゃう?

 確か炎も消えて、威圧感も無くなったけど……

「そこまでする必要ないよ。」
自分に向けて、そう言った。

 悲しいことに、この技は加減をするか封印するしかないらしい。

「ごめん、狐人さん。」
最後は楽に行かせてあげようかと、刀を取り出し首元を一閃する。

 その瞬間「うぉっ」と嗚咽音が聞こえる。

「えぐいな、ほんと。」
ディーだ。

 遅い。もう終わっちゃったよ。

「持ってきた?持ってきたならちょうだい。私はまだやることがあるから。」

「おいっ、てめっ……ったく。」
呆れたような表情をして、戻っていく。

 うんうん、素直でいい子だ。

 そんなことより、だ。魔物の数がやっぱり減ってない。逆に増えてるかもしれない。

 魔力反応がすごい。画面で言うと全面真っ赤。いや、ピンク……

 地龍復活説もあるけど、全く映らない。

「だからといって、復活してないとは限らないんだよなぁー。」
ステッキをいじりながら、確認のために地龍を倒したところに向かう。

 その前に魔力回復っと。

 瓶を傾け、こくこくと飲み干す。

「うん、いないね。」
地龍を倒した場所に着くと、そこには大きな戦いの跡があるだけで、生物はいない。

 減らない魔物、消えた地龍、謎の核石、カモフラージュのように配置される魔物。

 これを合わせると、なかなかの知能犯だと言うことが分かる。

「まず地龍を支配できるってことは、それなりの力、技術がある。核石をばら撒ける経済力、魔物の布陣の築き方……絶対人為的だ。」
何度も状況を見直し、結論に至る。

 本当はフィリオに相談したいんだけど……そんな時間は無い。
 あのフィリオだ。もう気づいててもおかしく無い。

「まずは地龍を倒すのが先決。魔物を集めてる原因か、統率を取ってるのが多分地龍だ。倒せば動きやすくなる。」
その後の考えは軽くしか決まっていないいけど、なんとかなるはずだ。

 魔法少女を甘く見てちゃ、痛い目合うよ?

———————————————————————

 ここからは魔法少女の快進撃……にはなりませんが、頑張らせていただく所存です。

 そろそろクライマックス。(ぽく無いけど)早くない?と思われそうですが、後半わちゃわちゃするので仕方ありませんよね。








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