魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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5章 魔法少女と魔物襲来

141話 魔法少女は混乱する

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 木々を跳び移っていく私は、どんどんと魔物に近づいていく。

 反応的に3万は全部ここに集約されてるみたい。

 ちなみに、魔力感知は万能感知に変わってた。いろんな力を感知してたおかげ……なのかな?
 でも、そう言うことだよね。

「あれ……かな?」
目を細めて陽の光を手で隠す。まるで、国の戦士が侵攻してきてるみたいな構図で、ビビる。

 え、あれ?口で聞くより多い気が……ほんとに3万体なの?多くない?

 私のステッキを握る力が強くなる。

「多いよ……これ、ほんとにやらなきゃいけないやつなの?」
ウダウダ言っても仕方ない。よっこらせと立ち上がって地面に着地する。

 もちろん、魔物の目の前だ。

 気合を入れるために、何か言おうと頭を働かせる。

「勝負だよ、魔物達。」
その一言で、戦いの火蓋が切って落とされる。

 魔法少女VS魔物3万。こんな戦い、一生に1度も無いことだ。私の力がどこまで通用するか、だね。

「「「「「グルァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」」」」」
轟音と呼ぶに相応しいほどの咆哮が、森中に響いた。

 他の生物は……いない。

「アースアイス!!」
大量の魔物がいる。見たことないものから、あるものまで。今いるのは、亜種ワンコと亜種ケルベロス的な魔物だ。

「あの頃とは違う。この程度の魔物なんかに、遅れなんてとらないよ!」

「「「グギャァァァァァッ!!」」」
空からはプテラノドンみたいな魔物が唸りをあげ、私を見下ろしていた。息吹を口から吐き、私に向かってくる。

 危なっ!ギリギリ躱せた……

「レイタースタート!刺されっ!」
万属剣が20本空を舞い、風を切り裂く。

「グワッ!?」
そのうちの何本が刺さり、緑の血が滴り落ちた。

「おっけー、ワンコたちも刺し殺せた。回収してる暇は無いし、っ!後からっ!」
身を翻し、突然の攻撃を避ける。一瞥すると、刃物のようなものだ。

 蜂?群れだ。

 後退して数を数えると、約500匹。蜂はこれで全部だと思う。

「毒とかあるやつじゃん、って、また後ろにも敵!多い!!」
猿の群れが石を投げて威嚇してくる。

 いてっ、いてっ、……やめろい!

 アクアソーサーで直線斬りをし、切り返しで絶命した。怯んだ魔物達は、一歩下がる。
 そんな中、毒針は飛んでくる。

「刺突耐性はある。毒耐性がないから当たれないんだけどねっ。っと、危ない。」

 一応、全部鑑定眼にかけてる。細かくは見れないけど、大雑把に。

 空中歩行で空を歩き、蜂の上空に跳ぶ。鳥の魔物達は万属剣で、両翼を的確に撃ち抜く。

「私に魔法勝負で勝てるわけないよ!」
トルネードみたいなのを起こそうとしているイタチみたいな小動物に向けて、トールを放つ。トルネードは見事に分散され、雷が直撃する。

 血が出ない分マシだけど、黒焦げもまたくるものがあるね……

「全方位!やってられないよ。」
蜂の針が全方位からやってきて、頬に冷や汗が伝う。

「魔力喰らい!」
辺りの魔力を食い尽くすように、暗紫の影のようなものが現れる。

 これが失敗した場合、私はやばい。あの針は連射することができる。そんなの物理的に無理だし、魔法だと思う。

「喰らえー!」
意味が違ってくるけど、今更そんなのどうでもいい。

 暗紫の煙が、毒針を飲み込んだ。あとは、待つことしかできない。
 万が一のため、私は空中歩行で空に逃げる。

「今のうちに……ファイボルト!」
雷の音を鳴らす炎がした方向に噴き出す。蜂達は、逃げ切ることができずに餌食となった。

 羽を焦がされ、触覚を焼かれ、足が灰となりて絶命す。
 どう?かっこよくない?

 戦闘中にふざけるな、とどこからかツッコまれた気がするが、無視する。気にしたって仕方がないしね。

「倒したとしても、まだ数100。まだまだ魔物はいるし、フィリオの話では竜もいる……ほんとにいける?」
戦況を把握しつつ、レイタースタートを小出しで放っていく。

 刻一刻と時は過ぎ、魔物の数は減る。

 あの蜂は後ろの冒険者さん達に任せよう。煙とか吸ってダメージもあるだろうし、何とかしてもらおう。

「集中。私は、私のことに集中しよう。」
頬を叩き、気を入れ直す。

 ここからが第2フェーズ。

 刀を取り出し、構える。ステッキはすぐに取り出せるような位置に挿しこみ、刀を構えて息を吐く。

 この量に混乱しないはずがない。でも、私がやらなきゃ誰がやる。

 後ろからは冒険者が挟んでくれてる、魔物に関しては直にどうにかなる。
 さっさとここを突破して、竜を倒さないと。

 減ってるはずなのに、一向に見た目が変わらない軍勢を見てため息が漏れる。

「トール。」
刀にトールを巻き付かせ、魔法刀として使う。

 魔物が私を囲んでる。こっからが勝負所。

 私は空から着地し、魔物達に向かって刀を向ける。

「てりゃぁっ!」
可愛い声が漏れるけど、威力は全然可愛くない。目の前の魔物が縦に焼き切れ、血が噴き出す。

 ……グロい。

 無視方の魔物も現れ、口に手を当てて「うぇ」と呻きながら、地面を踏み込む。

「「「シュゥゥッッッッ」」」
何かを擦るような鳴き声に吐き気を催す。

 そこの巨大蝶、うるさいから黙って、

 刀から雷を飛ばし、口を塞ぐ。感電した蝶は、力無く飛んでいた。

「キリがない……」
走りながら、バタバタと敵を切り裂いていく。それでも、全然数は減らない。

 途中、ティランの冒険者らしい人もいたけど……苦戦していた。

 置き土産にレイタースタートのトールを投げといたから、何とかなってると思う。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
息も上がってきて、休憩しようと気に手をつく。そのとき、

 トレント!?名前があってるから分からないけど、木方のモンスターは厄介だ。早めに処理しないと、大変なことになるかもしれない。

「アクアソーサー!」
アクアソーサーの魔法を重ね、巨大な丸い刃が生まれる。

 人神の真似だけど、上手くいった。

 それを10個ほど作り上げる。

「私の仕事、キツすぎる……」
ブラックな仕事に嫌気が差す。それでも、やらなきゃいけないことがある。

 これは相当なお金をフィリオに請求しないと気が済まない。
 いや、土地ごと買ってもらおう。

———————————————————————

 すごい量の魔物との勝負です。ここまでちゃんとした戦いは、今まであまりなかったですね。
 一対一とかばかりでしたし。




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