魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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4章 魔法少女と人神の祠

129話 魔法少女は神様と話す

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「まぁまず、君のことを詳しく知らないとね。」
「いや、そこは説明する流れでしょ。」
突然流れを遮断してきたこの神に、誰かツッコミを入れてほしい。

 いや、あんな始め方したら勘違いもするでしょ?「それじゃあ説明しようか。特異すぎる、其方のことを。」とか言ってたんだよ?

「名前と年齢、どこで余を知ったのか、どこまで知ってるか。」
そんな初対面の合コン的な内容に、少し拍子抜けして顔が緩む。でも、「必要なことなんだろう」と思い答える。

「私の名前は空、美水空。16歳の元高校生。転生させられて、見れば分かるけどこんな姿に———」
と、私はことのあらましを話した。

 転生した経緯、転生後の生活、水竜さんに教えてもらったこと、(神のことだ)アトさんのことを説明した。

「ふーん。変態露出魔、堅物ジジィ、ノリ軽魔王も全員知ってるんだ。」

「何その不名誉なあだ名。」
「余が思ったまま付けた名だけど、ダメだった?」
「いや、知らないよそんなの。」
私はため息を吐き、続きを促す。

 実際にそのあだ名を聞いたら、キレてる絵が浮かぶ。……でも、凄い外見の予想しやすい。

「細かいことは一旦置いておこう。もう1度言うけど、余は其方を転生させてはいない。これを見てくれ。」
そう言って見せたのは、人神の背後にあるデカい機械だ。

 私のステータス画面みたいな感じかな?……うわっ、光った。

 目を細めてその画面を見ると、いろんな文字やイラスト、写真みたいなのがビッシリと書かれていた。

「何これ?」
「転生者リストと、概要。そして現在の行動が分かるやつ。本当は見せちゃダメけど、特別に君には見せよう。」
そうやってズラァッと並べられたリストに目を通す。

 ロストワード、ロストスキル、ロストマジック……日本人に分かりやすいようなスキルが盛りだくさん。
 単純なのだと、特殊魔法系とかが書いてある。

「これ、全部スキル?」
「うん。でも、全員常識の範囲内だよ。人神が人間を使って人以外の物を作り出してはいけない。そう言う決まりだしね。」
そう言って画面を戻す。世界地図らしきものが現れ、写真と矢印で転生者の位置が分かる。

 常識?嘘でしょ、それ。ロストとか言ってる時点でおかしい。

「それっておかしく……」
「おかしくないよ。転生者なんだから、多少の優遇は必要だ。余は其方のようなこの世界でもあり得ないものは与えてない。」
遮られ、少し真剣な声音で呟く。

「過去に存在したもの、確かにあったもの。それを与えてる。例えば、空力とかね。」
そう言って一旦画面から離れ、私の方に向き直す。

 ……それじゃあ、私はなんなの。人神の言い方だと、私は特異な存在になる。……私の、何がおかしいの?

「其方の特異性について、そろそろ話そうか。」
「………………………」
人神が、そう話し出した。

「普通、転生者に魔力なんてものはない。だって、他の世界にいたんだから。その場合は、与える能力や武器に機能を追加する。其方の場合は、その服に付いてるはずだ。」

「それが、どうしたの?」

「服を脱いで、魔力は使ったことはある?」
「え?」
その問いの意図が分からず、私は眉を顰めた。

 服を脱いだら魔力は使えない。それは人神と言ってたでしょ?
 ……どういうこと?

「風呂の時、其方はどうした?魔力を使わなければ、シャワーは出ないよ。」

「あ。」
人神のその言葉に、ハッと思い出す。

 あれ、私……温泉とか銭湯とかで、シャワー普通に使ってたよね。

「魔力を持ってない私が、なんで魔力を使えるの?ってこと?」
「御名答。」
人神は、画面の写真をグルグルと回す。

「ここにいる全員、魔力なんて持ってない。魔力も感じられないし、使えるのは与えられた能力だけ。魔法系統のスキルを持つ人なら、魔力は感じられるけど、操れるわけじゃない。」
人神は、淡々と説明する。

「其方は、転生前から魔力を秘めていたのではないか?ほとんど使えない、微小な量の魔力でも。」

 転生前にも、魔力を?

 ……でも、そうかもしれない。だって考えてみて。黒髪の両親から、どうやって青髪の子供が生まれるの?
 地毛が青髪なんておかしい。人間の髪の毛が、完全な青色なんてことはあり得ない。

 ……それを、知らず知らず受け入れいた。

「異世界には、いろんな髪色の人がいるでしょ?それは、彼らの魔力を示すもの。余の髪の毛は、薄めの黄色。ブロンドと言ってもいいかな?一般的な魔法型。余はそれの頂点にいる。」
自分の髪の毛を、指でくるっと巻いて見せてくる。

 じゃあ、私の髪の毛の色は何型?そう聞きたいけど、上手く口に出来ない。
 こう言う大切なときに、私の口は動かない。

「……其方の髪は、特殊型。青色には、ハーフの人しかならない。厳密には瑠璃色なんだけどね。」
何を思ってか、人神は私に小さく微笑みかける。

 いや、そこで微笑む理由が分からない。……って、思わずツッコんじゃった。まぁ、これがいつもの私でしょ。

「瑠璃色ね。なんの因果なんだろう。私の髪を例えるとき、「ラピスラズリ」って言葉、使うんだよね。」
「心のどこかで、知っていたからなんじゃない?」
適当に言い放ってくる。

 責任とかありゃしないね。この神。

「ハーフの人しかならないって言ってたけど、私の両親は日本育ちの日本生まれ、血液型まで一緒の元おしどり夫婦だよ?」

 元、ここ大事。

「魂が、ね。其方の体は純日本人でも、魂が違う。其方の魂には魔力が宿っていて、魔力に反応してその髪色になったんだと思うよ。」
そういうと、魔法陣を作り出す。クルクルと回る魔法陣は、いつの間にか立体になっている。

 こんな魔法の使い方もあったのか……勉強になる。

 式を重ねて丸める。私は、新しい魔法の使い方を覚えた。

「この魔法は、他者の内面を見ることが出来る魔法。これが其方の魔力。そして魂。」
なんとも言えない滅紫みたいなオーラが、魂らしきものに纏っていた。

 何これ。なんか禍々しいんだけど。

「色を足すと、それだけ黒に近くなる。それは知ってるよね?」
「まぁ。美術で習うし。」

「其方の魔力も、色々なものが掛け合わされている。これは……先天的ではなく後天的に付いたものだね。つまりは、転生。転生したときに、何かがプラスされた。」
なんか複雑なことを言われ、ちょっと情報をまとめるために寝ようと床に寝転ぶ。

 厄介なことは寝て忘れよう。まとめる気なんてサラサラ無い!

「ちょっ、寝ないで!人の隠れ家で寝ないで!」
うるさいから眠れなかった。不機嫌な顔でもして対応する。

「なんで其方がそんな顔?余の顔だよ、それは。」

「早く話し続けてよ。」
「其方が止めたんでしょ!」
軽い雰囲気に戻る。

「はぁ。要するに、其方はぐちゃぐちゃ。それはもう、ぐっちゃぐちゃ。」

「ぐちゃぐちゃ……?」

 よく分からないのでスルーしよう。

「更に簡単に言うと、全神の雰囲気を感じる。」

「……………………………!!!!!?????」

———————————————————————

 今までラピスラズリラピスラズリうるさかったのはこのせいです。
 そして、ソラの髪の毛が青いのは、異世界の不思議で無く魔力が原因でしたね。

 投稿遅れてすいません!私には根性がありませんでしたね。(何のこと?っとなった人は、近状ノートをご覧下さい)鎮痛剤飲んで寝たらすっかり良くなったので、(脇腹が異常に痛みますが、文字打つのに支障はありません)これからも毎日投稿頑張ります。
 馬車馬のように働く(執筆する)ので、是非読んでください。


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