魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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4章 魔法少女と人神の祠

119話 魔法少女は祠を開ける

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「どうすればいいんだろう?これ。」
私は祠の穴に宝玉を嵌め込み、頭を悩ませていた。

 ただ宝玉を集めて嵌め込むだけじゃダメみたいで、何の反応も無い。

 ……うーん、どうしよう。迷ったらもう1回文を読んでみるってのが、こういうのの定石だよね。

「えーっとなになに、『空が橙に染まりし時、理を排除せし獣が現れん。太陽に背き月に従う獣は、道を開きし鍵を持つ。鍵は個々に同調し、重なり合う時道は開く。』ね。」

 前半はもうどうでもいいとして、問題は後半。

「鍵は個々に同調し……重なり合う時道は開く……それって、宝玉を4つ同時に光らせればいいんじゃない?」
いきなり読み返しの効果が出てきて、少し驚きながらライトを出す。

 四つの宝玉全てが光を吸収し、結構な強さの光になった。
 その4つの光はゲットした順に光が繋がれていく。

「お、おぉ。なんか神秘的。これで嵌めてみればいいのかな?」
1つずつ嵌めていき、(予想外に、カチッといい音が鳴った)すぐに全部を嵌め終わる。

 すると、ゴゴゴゴゴッ!と轟音が鳴り、祠の一部が崩れ去った。

「危なっ、っと。祠がこんな風に崩れていいの?修繕費とか徴収されない?」
そこまでケチケチした神では無いと思う。私にここまでしてくれた(悪い意味でも)神様だから大丈夫でしょ、と開いた入り口に足を運ぶ。

 祠の中は、何というか少し暗くて洞窟っぽい雰囲気があった。

「暗いなー、電気くらいつけてくれたっていいのに。」
仕方ないからまたライトを生み出すだと、パキッとヒビが入って消えてしまった。

 えっ、何が起こったの?私の魔法が消えた?

 いきなりの事態で驚き、勘違いかと思ってまたライトを出したら、やはりまた消える。

「……ここでは魔法が使えない?」
そんな恐ろしい仮説が浮かぶ。

 自分の足音ですら体がブルっと震え、狼狽する。そんな私の気も知らずか、明かりはどんどん消えていく。

「本当にどうするの、暗くなったらもう歩けないよ?この服といい、趣味悪過ぎだよ、神様。」
眉を寄せて愚痴を言う。

 どうせ聞こえてるんでしょ!何とかしてよ!

「あ、もうお終いだ。帰らせて。ねぇ帰らせて。」
明かりは完全に消え、どうしようもも無くなってしまう。

 もし、何とかここまで辿り着けた人間がいたとして、人神の元に行けた人0人なんじゃない?
 そもそもここに行ける人すら0な気もする。

 絶望の色が見え隠れし始めたその時、光る文字が浮き出てくる。
 しかも、光っているのに辺りは明るくならない。

 浮いている文字には、こう書いてある。

「原点に立ち返り、寒さが満ちた暗闇を突破せよ。」
すると、この状況に更に謎の文字が現れて、混乱する私の目の前に変なものが転がった。何か魔法少女の勘とかで、それを拾ってみた。

 ステッキを腰に挿し、2つのある物を見る。

「というか、何で暗闇のはずなのに物が見えてるの?神様が指定した物なら見える系?」
まず両手に視線を落としてみると、左手にはよく分からない石、右手には尖った金属が握られていた。

「って原始的すぎる!!」
石と金属を思いっきり投げて、地面に叩きつけた。
バンッ!といい音が鳴った。

 いや、鳴らなくていいよ。

 なんで火打ち石なの!え、これ火打ち石だよね?何でそんなもの落ちてるの?

 寒さが満ちた暗闇って、火打ち石で火を起こせってこと?原点に立ち返れって、人間の原点に戻れっていうこと……?流石人神……ってこと、かな。

「……それなら、炎魔法でもなんとか代用できるんじゃない?」

 そ•し•て、使えないのは、自分以外に影響を与える魔法だと思う。だから、魔法動力とか動きを見る系のやつなら何とかなる。

 「よっし、やってみよう!」と気合を込めて、魔力の流れを読む。
 ……方向だけ分かった、うん。方向だけは分かった。

「やっぱり普通に炎の魔法でも使おう。火打ち石なんてあっても、使い方知らないし。」
ファイボルトのファイ部分だけを頑張って抽出し、固めて出す。

 すると、何と言うことでしょう。空中には炎が舞い、明るく照らされます。
 寒さなんてものは元から感じないので今はありませんが、明るくなったことによって、何と言う開放感。

「これで先に進めるようになったし、神様の元までどれくらいあるか分からないけど、頑張りますか。」
体をぐっと伸ばして、準備運動をする。

 こんな暗い洞窟みたいなところからは、早く脱出したい。ということで、早足でさっき確認した方向に向かう。

「謎解きとかはめんどくさいから、出来ればゴールでお願いします。」
小声でそんな戯言を吐くも、そんなだらけた願いが叶うはずもなく、また薄暗い空間に入った。

 今度はちゃんとした遺跡って感じの雰囲気になって、目を細めて確認したところ、石の直方体が何個も並べられていた。

 この光景に眉を顰めつつ、先にテクテク歩き出す。

「ここに火を置ってこと?」
こんなものがあるからには、出口がないことは分かりきっていたけど、松明を置いてくださいと言わんばかりの3本の足のついたかごに、火を灯す。

 その瞬間、あたりがパッと明るくなる。

「お、正解だ。」
気づかなかったら危なかったね、と一息ついた。

 その松明の近くに、石碑が置いてあるのに気がついた私は、その石碑を読んでみる。

「読んでばっかだね。まぁいいや。なになに、『正解の石を割れ。1つでも失敗すれば、敵が現れる。』なんか物騒なのばっかだ。」
何はともあれ、やらなきゃいけない。私は9つある直方体に振り返って目を向け、ひとつひとつ見ることにする。

 直方体は3種類の色があり、文字も書いてある。
そして、今の私の気持ちを言おう。

「ミミックロ○ックじゃん。」

 石碑は上の赤の少し前にあって、火はその左側にある。そして、石に付いてる色と文はこうだ。

 黒        赤         黒
「赤の石    「黒の石   「1番上の列には
 は不正解」   は不正解」  不正解がある」

 赤        赤         青
「上の石は  「青の石は   「不正解は隣り
 不正解」    不正解」   合っている」

 黒        赤         赤
「この石は   「赤の石は   「不正解は隣り
不正解じゃない」不正解じゃない」合っていない」

「これを解かなきゃいけないのか……はぁ。」
深いため息をついて、情報をまとめようと頭を回した。

 こういうの、めんどくさいんだよね。

———————————————————————

 ミミックロジ○ク、始まりました。皆さんはもう正解はわかってると思いますが、ソラさんは分かりません。
 変なところで頭が回らないソラさんです。

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