魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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4章 魔法少女と人神の祠

101話 魔法少女と噂話

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「どこに行くんですか?ソラお姉ちゃん。」
いつものように私が出かけようとすると、ロアがそう聞いてくるので、「まぁ色々……」と誤魔化して家を出る。

 今から私が行くのはギルドだ。心臓は競りに出されたらしく、思った以上の値段がついたという。
 金額の問題もあって、手渡しでとのことらしい。
 今回のことをレンカ(久々の登場だ)で、ギルマスに報告しといたら『今度ギルドに顔を出せ』と返ってきた。

 嫌だよー、めんどくさいよー。行きたくなぁーい!行きたくないよ。またギルマスからなんか言われるでしょ、絶対。

 まぁまずは、私のお金を回収にいかなきゃいけないわけで。仕方なーく、ギルドに足を運ぼうということで、私は玄関に向かったところロアに話しかけられたということだ。

 私のお財布が潤うのは非常にありがたいことだけど、ギルドカードに送って欲しかったな。
 なんで、そんな都合よく手渡しの条件満たしちゃうかな?

「はぁ……魔物討伐の後は、なんでこんなにめんどくさいことが多いんだろう。」
嘆息を吐き、ギルドに向けて歩を進める。

「何辛気臭い顔してんのよ。」
「……あ、別になんでも。って、リアナさん⁉︎」
「久しぶり。」
くしゃっと笑い、私の横を歩き出す。

 いや、「久しぶり」じゃなくて。なんでここにいるの、リアナさん。

「ちょっとリアナ、勝手に走り出さないで……って、確か君は……」
すると、後ろの方からリアナさんを追いかけて走ってくるクレアスさんと、息を切らしたエヌさんが来た。

 この3人ってティランの冒険者なのかな?ずっといるし、そういうことなのかな?

「久しぶり、ですね…ソラ、でしたよね?先日は、ありがとう、ごさい、ました……」
エヌが肩で大きく呼吸をして、私に挨拶する。

 そういえば、別れた時はなんかギクシャクしてたけど、もう大丈夫みたいだね。
 それにしても、あの時のリアナさんはなんであんなに暗い顔してたんだろう。

 それを聞くのはやぶさかなので、聞くのはやめておく。

 さすが私、気が効くね。

「そういえら、さっき冒険者ギルド行ってたんだけど、ギルド内ではソラの話題で持ちきりで参ったわね。どこに行っても『青髪の少女が———』よ。一体何しでかしたのよ?」
「あははー……」

 どうやら、言い逃れは出来そうにないらしい。

 どうにか抜け出す手段は……そうだ、はぐらかせばいいんだ。
 人神のことを聞いてみよう。ギルドでも一応は聞くつもりだったし、早くても損は無い。

「そっ、それよりさ。リアナさん達は人神って知らない?」
「人神?なんだそれは。わたしは聞いたことが無いが。」
「何かの宗教の神様の名前でしょうか?わたしも知りませんね。」
2人はまったく聞き覚えがないらしい。あとは、リアナさんの反応を待っていた。

 なんとか話をはぐらかせたね。このまま話が戻りませんように……

「知らないわ。それより、何をしでかしたの?」

 話戻ってきたぁぁ……やめてー、黙秘権を使用する。

「チョット、ナニイッテルカワカンナイナー……」
「ふざけてないで。」
私は黙秘権を使用した、しかしリアナさんには効果が無かったようだ。

 くそっ、強敵だ……!水竜の鱗(偽造)でも渡して機嫌取りでもしようかな?そしたら水竜倒したってバレるし、うーん……どうしたものか。

 こうなったら濁しに濁しまくって言おう。なんとか逃れられると信じて……

「少し強い魔物を討伐しただけだよ。それに尾ひれがついて、変な話になってるだけでしょ。」
ほら、私こんなだし、と自分で言ってて悲しくなるセリフを言う。

 なんでこんなことで自分が傷付かねばなら無いんだろう……理不尽な世界だね。

「ふーん。まぁいいわ。また今度会いましょう。」
「引き止めてしまって申し訳ない。」
「次に会ったら、またお話ししましょうね。」
3人はそのまま帰っていったので、私はギルドに向かってまた歩き出す。

 ギルドはそこまで遠くないく、そんな長い描写は必要無いということで、ギルドに着いた。

 まぁね、知ってたよ。知ってたけど。入った途端全員の視線が浴びせられましたよ。

 無視すれば?って言われるかもだけど……知らないよね、冒険者の視線が全員自分を見る光景とか、分かんないよね、想像つかないよね?
 これがすっごいプレッシャーというか、怖いの。

 いやいや、私が怖いって言うと微妙な感じするけど、本当にヤバいから。
 人の視線ほど、無害な恐怖は無い。(それは無害で無く有害なのでは?)

 ただの持論だけど。

「あのー、ギルマスっています?」
「……あっ、今、あの、呼んできます。」
それから数分待たされ、ギルマスがやってきて、ゆっくり布袋のような物をカウンターに置いた。

「ようやく来たか。人様の大金をずっとここに置いておくのだって、気を使うんだ。早く持っていってくれ。」
そう言って出されたのは、いくつかの布袋だ。どれもぎっしり詰まっていて、重みを感じた。

 凄い重みだ。これが、お金の圧。金圧っ……!
ダメだ、大金を手にして頭がおかしくなった。

 そういうおふざけは置いといて、ギルマスにも人神について聞いてみる。

「ねぇギルマス。この街に、人神の噂とかって無い?ちょっと事情があって知りたいんだけど……」
「人、神?僕は知らないな。」
一瞬眉を顰め、何事も無かったかのように話を戻し、答えた。

 知らないよね、そりゃ。いきなりこの世界の人に、「人神って知らない?」って言われても、「頭おかしいんじゃない?」ってなるはずだ。

 答えてくれただけ、収穫はあったってことで。

 久しぶりにリアナさん達とも会えたし、ロアを遊びに誘って海でも行こうかな。

「ありがとう、ギルマス。」
「……何も答えていないのだから、礼を言われる覚えは無いぞ?」

「私がお礼を言いたいから言っただけなんだから、素直に受け取ったら?」
ギルマスのくせに察しが悪いと思いながら、ずっしりと重いお金を収納する。

 そろそろ、ステータスチェックしようかな?
視界の端をポチッと押して、画面を開きながらギルドを出た。

 魔力感知はやっぱりあってよかったね。無かったら、ながら歩きなんて到底出来ない。

 よーし、確認しよっと。

 名前 美水 空
 
 年齢 17歳

 職業 魔法少女

 レベル 30

  攻撃680   防御710 素早さ950

 魔法力1420+1 魔力1430
  
 装備 魔法少女服 魔法少女ステッキ

 魔法 アクアソーサーⅤ 魔導書Ⅵ(-2)  神速Ⅴ
  ファイボルトⅣ+1 万属剣Ⅳ+1 投擲Ⅲ+1
 鑑定眼Ⅴ+1 食材生成Ⅱ+1 魔導法Ⅲ+1 
トールⅣ 物質変化Ⅲ 空中歩行Ⅰ

 スキル 魔法生成 魔力超化 魔力付与
 魔力感知 魔法記憶 詠唱破棄 覚醒
  魔法分解 振れ幅調整 身体激化 水竜之加護

  SP   750

 ん?え、ふーん。はぁ……なんでこんなにあがってるんだろうね。

 ……まさか、心臓をちょっと貰ったから、それで半分倒した判定になってるとか?
 神様ぁ、ありがとう……

 よし、確認アンド魔法生成とかやっちゃいましょうか。

 と、いうことで。こんな感じになりました。

 名前 美水 空
 
 年齢 17歳

 職業 魔法少女

 レベル 30

  攻撃680   防御710 素早さ950

 魔法力1420+1 魔力1430

 装備 魔法少女服 魔法少女ステッキ

 魔法 アクアソーサーⅤ 魔導書Ⅵ(-7)  神速Ⅵ
  ファイボルトⅣ+1 万属剣Ⅳ+1 投擲Ⅲ+1
 鑑定眼Ⅴ+1 食材生成Ⅲ+1 魔導法Ⅴ+1 
トールⅣ 空中歩行Ⅰ 物質変化Ⅲ
 アースアイスⅢ エアリスリップⅢ

 スキル 魔法生成 魔力超化 魔力付与
 魔力感知 魔法記憶 詠唱破棄 覚醒
  魔法分解 振れ幅調整 身体激化 水竜之加護

  SP   50

 魔導書から、いくつか魔法分解で拝借させてもらって、そのまま生成して2つ魔法を作った。

 アースアイスは、地面を揺らして氷の槍を下から生やす魔法で、エアリスリップは、トルネードを発生させて水球を、その威力で射出させるやつだ。

 スキルの水竜之加護は全く分からないけど、こんな感じ。

 いやぁ、神様にはほんとに感謝してもしれない。
魔法少女服を除いて、だけど。

———————————————————————

 4章始まりました。
……章の名前でネタバレがすごいですね。未定に変更しましょうかね?










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