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3章 魔法少女と水の都
83話 魔法少女はステッキ強化に勤しむ
しおりを挟む翌日、私はお屋敷のすぐ近くの川の先で、ステッキ強化を始めることにした。
一応この辺りはフィシアさんの土地らしいから、ちゃんと許可は貰ったよ。
ご飯を食べ終わったら、さっさと出てって、すぐに川の方に行く。
みんなはと言うと、ロアはいつも通り起きていて、意外なことにフィリオも起きていた。
フィリオが言うには、「仕事の問題で寝る時間も惜しいことも少なくない」とのこと。
大変だね。
大変にしてる張本人なんだけど。
一方ネルとハリアは、まだ寝息を立てて寝ているらしく、確認だけした。
寝顔を見ると、ただの女の子なんだけどね。
それはそうとして、ステッキ強化スタート!
今のステッキ(初期)はこれだ。
魔法少女ステッキ
[特殊効果]魔法少女
[特殊耐性]魔法耐性
[特殊属性]なし
[特殊性質]なし
[設定可能] 黒鱗 武装 スイングアップ
まだ2つしか設定されてないし、可能なものも3つしかない。
これから、私の魔法によって増やすつもりだ。
あっ、ちなみにあの後手紙が来たけど、この能力が増えるたびにSPも増えるらしい。
早く言ってよ…………言われてたんだった。
「今日は神速を多用しそうだね。」
1人で魔法を撃って、1人で攻撃を防がなきゃいけない。それを、川に被害が出ないようにしないダメだから、結構大変だ。
川から離れればいいじゃんって?昨日見られなかったんだし、せめて今日くらい見たいじゃん。
まぁ細かいことは置いといて、早速始めよう。
まずはアクアソーサーからやってみよう。初めに手に入れた魔法だし。
ところで、なんで私はこの魔法を作ったんだろう。もっとあったんじゃない?
過去のことだから覚えてないや。
「じゃあちょっと調節して……スピードが出過ぎないようにしないと。私の反射神経の低さを舐めてもらっては困るね。」
私は軽く魔力を込め、大きめの一発を撃つことにした。
「アクアソーサー!それと神速‼︎」
回転する水の刃は一直線に飛んでいき、それを神速で追い越す。
えっと、これをステッキで防いだり攻撃したりするんだよね。
魔力を込めるのはセーフ、魔法を撃つのはアウトと。
私は真上にステッキを持っていき、思いっきりアクアソーサーに叩きつける。ガギンッ!と水とはとても思えないような音が鳴り、ステッキと刃が相対する。
「ちょっと強くしすぎたかな?魔力追加しよう。」
ステッキに魔力が流れ込み、徐々に刃を壊し始める。刃には亀裂が走り、ただの水に戻る。
「これで1つ目は終わり。じゃんじゃんやってこう、テンポ良くね。」
そんなゆっくりやってたら日が暮れちゃう。設定もしないといけないしね。
次は魔導書でやってみよう。ステータスアップ系は、ステッキに直接やればいいかな?
——————
最後の魔法も防ぎ終えて、私はその場で腰を下ろした。
だいぶ魔力使っちゃったね。神速を使いすぎたのも魔力消費の原因だけど、ほぼ全種類の魔法を使うのは、結構魔力を使う。
なんかここ最近、魔力の持ちが異様にいいんだよね。
そのおかげもあって、こうして出来たわけだけど。
え?レールガンは撃ったかって?撃つわけないでしょ、バカなの?
そんなもの撃ったら余波で大変なことになるし、そもそも防げないでしょ。
「休憩がてら、設定でもしましょうかね。」
ステッキの画面を開き、ステッキ変換を能力を使う。
魔法少女ステッキ
[特殊効果]魔法少女
[特殊耐性]魔法耐性
[特殊属性]なし
[特殊性質]なし
[設定可能] 黒鱗 武装
スイングアップ 水杖 水斬耐性 風斬耐性
閃光耐性 水流耐性 氷結 頑丈 高速移動
自動治癒 火雷耐性 刺突耐性
万能属性 擲力上昇 魔法動力 特異体質 魔装 魔道士 神雷耐性 雷無効 雷鳴速 錬成
うわぁ、凄いことになってる。大変だ。
とんでもないラインナップだ。文字からして凄そう。いや実際凄いのか。
これを今までやってなかったと。本格的に私の記憶力を上げなければ。
細かな能力説明はめんどくさい。適当に付けていこう。
「えーっと、これはここ。これ……どうなってるの。こっちに移して、これをここに。……多い。」
そして10分近く経った頃に、ようやく設定を終わらせた。
「完成完成。いいんじゃない?だいぶ様になって来たね。」
魔法少女ステッキ(2)
[特殊効果]魔法少女 武装 スイングアップ 高速移動 自動治癒 擲力上昇 魔装 雷鳴速 錬成
[特殊耐性]魔法耐性 水斬耐性 風斬耐性 閃光耐性 水流耐性 火雷耐性 刺突耐性 神雷耐性 雷無効
[特殊属性]氷結 万能属性 特異体質 魔道士
[特殊性質]黒鱗 水杖 頑丈 魔法動力
こんな風に振り分けられて、属性と性質は少なめな感じだ。
さっきより画面が見やすいようになってて、そこに神様の機転を感じた。
今日はやたらと画面ばっか見るな~。これを見ると現実感が無くなるんだよね。なんか、夢でも見てるような。
こんな機械的なのが、異世界で起こるのかってね。
そもそも異世界転生自体がおかしいことだけど、それには気づかない私であった。
「これで明日の水竜戦もバッチリだね。」
戦わせてくれるかどうかは知らないけど、私は私の好きにさせてもらおう。
追い出されない、最低限に。
「そういえば明日は、フィリオの父親の誕生日か。ネルは行かないって言ってたけど、連行されそう。」
「いやです、お父様!行きませ……あぁー助けてソラさ~ん」と言っている光景が頭に浮かび、ちょっと吹き出してしまった。
なんかほんとに言いそうなんだけど、この台詞。ちょっと覚えておこう。
「どっちにしても、楽しくパーティーしてる間に、私は討伐依頼に行ってるって言うのには変わりはないね。」
私は1人、大変な仕事に行きますよ。
明日のためにも、今日は休む……と言うと思った?遊ぶに決まってるじゃん。
目の前に綺麗な川があるし、何より暇だし。
私は全くアウトドアじゃないけど、遊びたい時は遊びたい。
日本にいた頃、家の近くには川はなかったし、あっても行けなかった。
家が家だったからね。
話が逸れたね。
私は早速さっき手に入れた水流耐性を使って、安心安全に川遊びを楽しむことにした。
———————————————————————
ソラさん、とんでもないものを忘れていましたね。最近、タイトル変えましたよね?理由の一つはこれです。
チートじゃないですか、チート。
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