魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

文字の大きさ
上 下
86 / 681
3章 魔法少女と水の都

83話  魔法少女はステッキ強化に勤しむ

しおりを挟む

 翌日、私はお屋敷のすぐ近くの川の先で、ステッキ強化を始めることにした。

 一応この辺りはフィシアさんの土地らしいから、ちゃんと許可は貰ったよ。

 ご飯を食べ終わったら、さっさと出てって、すぐに川の方に行く。

 みんなはと言うと、ロアはいつも通り起きていて、意外なことにフィリオも起きていた。

 フィリオが言うには、「仕事の問題で寝る時間も惜しいことも少なくない」とのこと。
 大変だね。

 大変にしてる張本人なんだけど。

 一方ネルとハリアは、まだ寝息を立てて寝ているらしく、確認だけした。

 寝顔を見ると、ただの女の子なんだけどね。

 それはそうとして、ステッキ強化スタート!

 今のステッキ(初期)はこれだ。

 魔法少女ステッキ

 [特殊効果]魔法少女
 [特殊耐性]魔法耐性
 [特殊属性]なし
 [特殊性質]なし

[設定可能] 黒鱗こくりん 武装 スイングアップ

 まだ2つしか設定されてないし、可能なものも3つしかない。

 これから、私の魔法によって増やすつもりだ。
あっ、ちなみにあの後手紙が来たけど、この能力が増えるたびにSPも増えるらしい。

 早く言ってよ…………言われてたんだった。

「今日は神速を多用しそうだね。」
1人で魔法を撃って、1人で攻撃を防がなきゃいけない。それを、川に被害が出ないようにしないダメだから、結構大変だ。

 川から離れればいいじゃんって?昨日見られなかったんだし、せめて今日くらい見たいじゃん。

 まぁ細かいことは置いといて、早速始めよう。
まずはアクアソーサーからやってみよう。初めに手に入れた魔法だし。

 ところで、なんで私はこの魔法を作ったんだろう。もっとあったんじゃない?

 過去のことだから覚えてないや。

「じゃあちょっと調節して……スピードが出過ぎないようにしないと。私の反射神経の低さを舐めてもらっては困るね。」
私は軽く魔力を込め、大きめの一発を撃つことにした。

「アクアソーサー!それと神速‼︎」
回転する水の刃は一直線に飛んでいき、それを神速で追い越す。

 えっと、これをステッキで防いだり攻撃したりするんだよね。
 魔力を込めるのはセーフ、魔法を撃つのはアウトと。

 私は真上にステッキを持っていき、思いっきりアクアソーサーに叩きつける。ガギンッ!と水とはとても思えないような音が鳴り、ステッキと刃が相対する。

「ちょっと強くしすぎたかな?魔力追加しよう。」
ステッキに魔力が流れ込み、徐々に刃を壊し始める。刃には亀裂が走り、ただの水に戻る。

「これで1つ目は終わり。じゃんじゃんやってこう、テンポ良くね。」

 そんなゆっくりやってたら日が暮れちゃう。設定もしないといけないしね。
 次は魔導書でやってみよう。ステータスアップ系は、ステッキに直接やればいいかな?

——————

 最後の魔法も防ぎ終えて、私はその場で腰を下ろした。

 だいぶ魔力使っちゃったね。神速を使いすぎたのも魔力消費の原因だけど、ほぼ全種類の魔法を使うのは、結構魔力を使う。

 なんかここ最近、魔力の持ちが異様にいいんだよね。
 そのおかげもあって、こうして出来たわけだけど。

 え?レールガンは撃ったかって?撃つわけないでしょ、バカなの?
 そんなもの撃ったら余波で大変なことになるし、そもそも防げないでしょ。

「休憩がてら、設定でもしましょうかね。」
ステッキの画面を開き、ステッキ変換を能力を使う。

 魔法少女ステッキ

 [特殊効果]魔法少女
 [特殊耐性]魔法耐性
 [特殊属性]なし
 [特殊性質]なし

[設定可能] 黒鱗こくりん 武装 
スイングアップ 水杖すいじょう 水斬すいざん耐性 風斬ふうざん耐性
閃光耐性 水流耐性 氷結 頑丈 高速移動 
自動治癒 火雷からい耐性 刺突耐性 
万能属性 擲力てきりょく上昇 魔法動力 特異体質 魔装 魔道士 神雷しんらい耐性 雷無効 雷鳴速 錬成

 うわぁ、凄いことになってる。大変だ。
とんでもないラインナップだ。文字からして凄そう。いや実際凄いのか。

 これを今までやってなかったと。本格的に私の記憶力を上げなければ。

 細かな能力説明はめんどくさい。適当に付けていこう。

「えーっと、これはここ。これ……どうなってるの。こっちに移して、これをここに。……多い。」
そして10分近く経った頃に、ようやく設定を終わらせた。

「完成完成。いいんじゃない?だいぶ様になって来たね。」

 魔法少女ステッキ(2)

 [特殊効果]魔法少女 武装 スイングアップ 高速移動 自動治癒 擲力上昇 魔装 雷鳴速 錬成

 [特殊耐性]魔法耐性 水斬耐性 風斬耐性 閃光耐性 水流耐性 火雷耐性 刺突耐性 神雷耐性 雷無効

 [特殊属性]氷結 万能属性 特異体質 魔道士
 [特殊性質]黒鱗 水杖 頑丈 魔法動力

 こんな風に振り分けられて、属性と性質は少なめな感じだ。
 さっきより画面が見やすいようになってて、そこに神様の機転を感じた。

 今日はやたらと画面ばっか見るな~。これを見ると現実感が無くなるんだよね。なんか、夢でも見てるような。

 こんな機械的なのが、異世界で起こるのかってね。

 そもそも異世界転生自体がおかしいことだけど、それには気づかない私であった。

「これで明日の水竜戦もバッチリだね。」

 戦わせてくれるかどうかは知らないけど、私は私の好きにさせてもらおう。
 追い出されない、最低限に。

「そういえば明日は、フィリオの父親の誕生日か。ネルは行かないって言ってたけど、連行されそう。」
「いやです、お父様!行きませ……あぁー助けてソラさ~ん」と言っている光景が頭に浮かび、ちょっと吹き出してしまった。

 なんかほんとに言いそうなんだけど、この台詞。ちょっと覚えておこう。

「どっちにしても、楽しくパーティーしてる間に、私は討伐依頼に行ってるって言うのには変わりはないね。」

 私は1人、大変な仕事に行きますよ。

 明日のためにも、今日は休む……と言うと思った?遊ぶに決まってるじゃん。
 目の前に綺麗な川があるし、何より暇だし。

 私は全くアウトドアじゃないけど、遊びたい時は遊びたい。

 日本にいた頃、家の近くには川はなかったし、あっても行けなかった。
 家が家だったからね。

 話が逸れたね。

 私は早速さっき手に入れた水流耐性を使って、安心安全に川遊びを楽しむことにした。

———————————————————————

 ソラさん、とんでもないものを忘れていましたね。最近、タイトル変えましたよね?理由の一つはこれです。

 チートじゃないですか、チート。

 



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。

みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい! だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々

於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。 今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが…… (タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

処理中です...