魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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2章 魔法少女と竹林の村

57話  魔法少女は見つける

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 寝落ちする人達が増え始め、食事会も終わりが見え始めた。

 予想外にアボデルさんがお酒に強くて、ずっと起きてお酒を呑んでいたというのは、また別の話。

 私も当然寝落ちしてしまって、今、朝早く起きてしまったというわけだ。

「まだ、日は昇りきってないね。」
庭に出て、私は空を見上げる。

 みんな寝ちゃってるし、起こさないようにしないと。

「そういえば、どうやってカロォークはあんなところまで来たんだろう?」
1つの疑問が頭に浮かび、1人、首を傾げる。

 そうだ。あんな巨体で、あんな所まで来れるわけがない。
 あそこに行く方法としては、竹藪の奥の、私がまだ知らない向こう側から来る。
 もう1つが、私が行ったように村の裏口からの道。

 元からあそこにいるんだったら、もっと前から被害が出てるはずだし、突然竹の味を覚えたかもしれないけど、そんなこと考えてたらキリがない。

 どこからか、やって来たってこと?

「謎が深まる……考えれば考えるほど、横に広がっていく。」
つくづく探偵の人は、すごい仕事をしてるんだなと、思い直した瞬間だった。

 さっきの話の続きは、えっと、そうだ。カロォークは、どこからやって来た?って話か。

 もし、その先にカロォークの巣でもあったら……またこの村は、カロォークの被害に遭っちゃう。
 そういう人間の都合で排除されちゃうのも、可哀想ではあるけど、あれに同情の念を抱くのはちょっと……

 私はカロォークの姿を思い出し、体を抱いて振るわせる。

「でも、行ってみたほうがいいのかな?」
私は地面に落ちていた小石を、池に投げて言った。

 倒す手段はある。
いなくても、いないということが分かるから、行って意味がないということはないはず。

 なら、アボデルさんに大体の地図を貰って、行ってみようかな?

「最後の一仕事といきますか。」
バッと立ち上がり、アボデルさんのところに向かおうと、振り返る。

「どんな一仕事をするのです?ソラ殿。」
「アボデルさん⁉︎」
いきなりのことで、思わず叫んでしまった。
 急いで口を塞ぎ、私は「聞いてたんですか?」と問いかける。

「まぁ、聞いてはいた。」

 それなら、早く言ってほしかった。
どこから聞いてたか、聞かないのかって?そんなことしたら、悲しくなっちゃうじゃん。

「それで、一仕事というのは?」
そう聞き返されたので、私はさっきまでの考えを話すことにした。


「そうか、それはありがたいことだ。重ねて礼を言おう。」

「それは、終わった後に言ってください。」

 まだやってもいないことでお礼を言われても、変な気分にしかならない。

「あの竹藪は、この村が出来た時からあったそうだ。この先に何があるかなんて、考えたことも無かった。」
だが、と真剣そうな顔になって、話を続ける。

「この先には、魔物の原点があると、聞いたことがある。」
そういい、竹藪の地図らしきものを手に持ち、私の元に歩いてくる。

 原点?それも魔物の?それって核石ってことになるのかな。核石から魔物が生まれて、核石にまた戻る……

 そう考えていると、アボデルさんが地図を広げた。

「これが竹藪の地図だ。」
それを見ると、一面緑でとんでもないことになっていた。

「この先、まだ未踏の地。そこにカロォークがいるやもしれん。」
指先で、くるっと楕円を描いて、右上のあたりを囲った。

 この辺り、ってことは……

 カロォークを発見した場所に点を打ち、線でななめ45°に引くと、アボデルさんが指で描いた楕円の中心に、ピッタリと合う。

「ありがとうございます、じゃあ行ってきますね。」
思い立ったら吉日。思ったことは、すぐに行動したほうがいい。

「ソラ殿、気をつけて行ってきてくれ。」

 私は、神速を駆使しながらうまい具合に竹藪をくぐり抜ける。

 迷うことはないのかって?魔力を落として置いてるから、道導みちしるべになってくれる。

 そんな風に走り続けていると、やはり神速の凄さとありがたみがヒシヒシと伝わってくるわけで、えっと、何が言いたいのかというと、そうだ。

「もう、着いてしまった。」
何度地図を確認しようとも、目の前にはどでかい竹、霊木ならぬ、霊竹のようなものがある。地図を確認すると、そこにも巨大な竹が描かれている。

 早い、あまりにも早すぎる。

「この竹に、何か秘密でもあるの?」
適当に一周ぐるっと回ってみようと、普通に歩き始める。

「危なっ!落とし穴?なんでこんなところに…」
若干斜めの地下通路みたいなものがあり、ここが目的の場所だと言わんばかりの、謎の通り道がある。
 
「見つけちゃった、のかな?」
恐る恐る、魔力感知を使ってみるけど、魔力が強すぎて感知ができない。

 こういう時の魔力感知って、なんでこんなに役に立たなくなるんだろう。

「もっといいスキル頂戴よ。」
謎の仕組みに文句を言いながら、仕方なく穴の中に入る。

 カロォークがいたら、片っ端からレールガンを撃てばいいし、出力上げれば同時に倒せたりしない?

 色々な気持ちが合わさり合い、結局は好奇心が勝ったため、ウキウキで探索を開始した。

———————————————————————

 なんかめっちゃ急にテンポが良くなりました。
これは私の都合です。



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