魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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2章 魔法少女と竹林の村

56話  魔法少女の過去

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 幼稚園児だった頃の私は、まだ純粋でアニメなんてものも見ていなかった。

 まぁ、チャールさんにそんなこと言っても、分かるわけないんだけどね。

 私の母も、父も、子供の頃は優しい人達だった。
私の髪の色が、青という異種であっても、優しく接してくれていた。

 私の両親は純日本人。2人とも完全に黒髪。逆に黒髪以外に見ようがない。

 両親は、私の髪の色を褒めてくれた。
この綺麗な青色の髪を、「綺麗」と褒めてくれていたので、私もこの髪の色はとても好きだった。

 いつも私は髪を弄り、色を見て笑っていた。それを見た両親も、微笑ましそうに笑っていた。

 幼稚園に行くと、友達も「きれー」とたくさん褒めて、先生にも「綺麗だね」と褒めてくれる。
 今となっては、ボキャ貧過ぎじゃ?と思ってしまう思い出だ。

 男子達にも、「すげー」とか「どうなってるのー?」とか、色々興味を持たれた。
 この時の私は、心底嬉しかった。自分が大好きな子の髪の色を、みんなも褒めてくれる。昔の私にとっては、こんなに嬉しいことはなかった。

 幼稚園児や、小学校低学年の大抵の子供達は、物珍しい人だったり足が速いだけでモテる。
 
 単純な人達だね。

 そして小学3年生の頃、色々と変わってしまった。

 1、2年生の頃は、見知った人や、知らない人もいて楽しかった。髪のことはあまり触れられなくなったけど、普通に生活できていた。

 3年生にもなると、グループとか派閥とか、そんなようなものが生まれてくる。
 その歳になってくると、やけに生意気になったり、意地を張ることも多くなる。

 そんなバカ共に絡まれちゃった、(そのバカ共は、学級でも上位派閥だった)ということだ。
ここからは、寸劇風にやってみよう。


A「おいお前!なまいきなんだよ!」

私「えっ…?」
(何もしてないのにという困惑の声)

B「あとなんだよそのかみの色。」

C D「きもちわりぃー」

D「かみそめてんじゃねーよ」

私「染めてないよ…」

A「うそつくなよ!」

B C「やーい、うそつきー」

D「おーいみんな!こいつうそつきだぜ!かかわらないほうがいいぞ!」

私「わたし、嘘なんてっ、…」
(焦りの声)

 こいつらが上位派閥のせいで、みんなそいつらに合わせて生活しちゃってる。
 そこから、私はいじめられっ子になった。

 いじめられっ子は、1度なると中学に上がっても「こいつ、いじめられてたらしいよ」ということで、いじめられる可能性もある。

 段々と派閥メンバーも増え、それと同時に私のいじめる人数も増えていった。

 その時、父の仕事もうまくいかず、それと同時に不倫も発覚というとてつもない家庭崩壊が起こってしまった。

 当然1人っ子の私には、その怒りの矛先が向いてくる。

「この子は悪魔の子だ。こんな青の髪、私の子供じゃない。悪魔の子だ。」や「こんな悪魔がいたから、こんなことになってしまった。出て行け。」などと言われた。

 私は髪を引っ張られ、叩かれ、そして髪を切られそうになった。

 今すぐ、この地獄から逃げ出したかった。
学校ではいじめられ、どこからか両親のことも伝わっていて、

「お前の父ちゃん、不倫したんだってなー」
「不倫したやつの血が流れてるぞー」
「こいつも不倫するんだー!」
とか、意味の分からない非難を受けた。

 どこにいっても地獄。
家に行っても腐った母が1人、学校に行けば大量の人がいじめて来て、先生も見て見ぬ振り。

 死んでやろうか、とも思ったほどに追い詰められていた。

 そんなことを思っていたある日、母が自殺した。
1番この世界から消えたいと思っていた私を差し置き、1人だけ楽になった。

 私は絶望に染まる。
それと同時に、これは転機だったのかもしれない。

 すぐに里親に引き取られた。
私みたいな青の髪の色の私を、一目見て、綺麗、可愛いと言って引き取った。

 義母と義父は、優しく、子供が生まれなかったから里親になったと言う。

 私がいじめを受けていることも、本当の親ではないから言いやすかったし、できる限り協力もしてくれた。

 学校は地獄でも、家に帰れば好きにさせてくれ、ゲームやテレビもたくさん見れた。

 成績も悪くはないから、怒られもしない。(逆にそのせいでいじめも加速したけどね)

 そこで私はアニメにどハマりし、帰って来てはアニメ、ご飯食べて宿題して、アニメ。少し予習復習して、寝るまでアニメ。そんな生活を続けていた。

 中学に入っても、いじめは変わらず。(ってか人数が増えた)

 そこでも生活は全く変わらない。
アニメにハマり、漫画を読んで、ラノベにも手を出した。

 その時の私は、「学校なんて、バカの巣窟だ」と思っていた。

 高校は義母と義父が、まだ一緒にいてほしいということで、地元に留まり、遠くの高校へ行った。

 ほんとは1人暮らしでもして、知り合いのいない所に行きたかったけど、義母と義父には世話になっている分、頼みは断りづらかった。

 そのせいでアニメを見る時間は減ったけど、電車の中でスマホを使って、イヤホンをつけながらアニメを見ていたから、問題はない。

 高校に行くと、流石にバカは少なく、私の髪の色なんて関係なく友達は出来た。(主にアニ友)

 それが私の過去。
こんな風に軽く語ってるけど、実際絶望の部分の印象は強過ぎて、悪い部分の記憶の方が多い。

 ここからは、転生直後の話。
電車を降り、少し歩いたら学校に着く。

 信号を待っていて、青になって歩き出す。
すると、信号無視をした異世界モノありがちトラックが突っ込んできて、転生と。

 こう見ると、ほんとに青は悪魔に見えて来た。青信号で死んだんだもん。

 青の髪の悪魔のこと言われ、青信号で死んだ。
青に嫌われ過ぎじゃない?

 チャールさんには、昔髪の色のことでいじめとかがあったと、超濁して話しておいた。

————————————

「そんな過去が…」

「まぁ、色々あって今ここにいるの。」
説明がめんどくさくなってきた私は、ご飯をまた摘み始める。

 うーん、美味しい。

———————————————————————

 12話から引きずられていた、髪の毛の話、ようやくここで回収されました。


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