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2章 魔法少女と竹林の村
49話 魔法少女の作戦
しおりを挟む「それでは、カロォーク討伐についての会議を始めたいと思う。討伐代表、ソラ殿何か一言。」
そんな一言から、会議が始まる。
と思ったんだけど、なぜか私から一言を言わなきゃいけなくなった。
ないよ。ないよそんなもの。逆にあると思う?私に、一言が。
なんか、村の中でも偉そうな面々が揃ってて、私を1点に見つめてる。
やめて。やめて。期待の目を向けないで。
いや、期待はされてないか。
「ゔ、ゔんっ…え、えっと、今回の依頼を受けさせてもらいました、空と申します。一度、挑んでは見たんですけど、まぁ見ての通りここにいるということは負けたと言うことです。」
周りの人達は、「こんな子どもが…」「よく戻って来れたな…」とヒソヒソ話している。
「皆、静かに。」
いつもの優しい声とは違い、太く響く声を出す。
その声に一瞬たじろぎ、黙りこくる。
えー、こんなピリついた空気の中、自己紹介しなきゃいけないの?
キツイね……どうしよう。
「そっそれで、あの、勝つ方法とかを考えたいんですけど…」
「……そんなものは、」
「ねぇ。」
「見たこともないですし…」
「考えもつきません。」
村人たちは、おろおろとしながら、隣同士でコソコソと喋り出す。
「お主らなぁ……何か少しでもないのか?」
呆れたように嘆息を吐き、そうみんなに言う。
「「そう言う村長は?」」
「……無いな。」
はっはっはっ、とアボデルさんがなぜか笑って、私の方を向いてくる。
「えっと、何ですか?」
「いや、ソラ殿の意見を聞こうと思い。」
そうですか、そうですか、丸投げですか、そうですか。まぁ、そうだよね。カロォークなんて知らないから、対処法なんか知らないよね。
なら、今から私の考えを発表するよ。
「じゃあ、私の意見を言いたいと思いま……」
そう言おうとした瞬間、誰かが玄関の扉を思い切り開ける音がする。
おっ来た来た。タイミングとしては、まぁ悪く無いと思う。
誰が来たのかと言えば、チャールさんだ。
実は昨日の夜、チャールさんに頼んで竹を撮りに行ってもらった。
なるべく強く、固く、色々耐性のある竹を頼んだけど、取ってきてくれたみたいだ。
「遅れ…ました…、」
はぁはぁと荒い息遣いで、そう言って私の前に竹を置く。
「ありがとうございます、チャールさん。」
本当にありがたい。こうしないと、すぐに始められないから、別行動にしといてよかった。
会議に参加してる人達は、何だろう?といった感じの表情をして、チャールさんと竹を見る。
「あの、その竹は?」
1人の参加者がそう尋ねる。
「ちょっと待っててください、説明するので。」
一旦質問は受け付けず、そう言う。
別個で話すのはめんどくさいし、1回で話しちゃった方がいい。
「私が考えた策は、レールガンです。」
「「「れーるがん?」」」
私が何を言ってるか分からないように、みんながそれぞれ小声を出す。
「その、れーるがんというものは、何でしょう?」
だから今から話すって。
そう焦らせても、話せる口はひとつしかないんだから。
まぁ、レールガンは漫画やアニメでお馴染みの、火薬の代わりに、レールで物体を電磁気力で加速さて撃つやつだ。
私も検索したのをうろおぼえで言ってるから、正しいかは知らないけど、大体は覚えてる。
ここの世界の人たちに、電磁力とかローレンツ力とか、化学の言葉を使っても分からないから、適当に大雑把に説明する。
「レールガンは、まぁ、電気の力で加速させて、凄い威力の兵器のことです。」
この説明で、理解されるとは思わないけど、そう言った。
「なぜ、そのれーるがんというものを策に?」
「それは、カロォークには電気の魔法が効いたので、電気にまつわる高威力の技を探した結果、このレールガンがあったからです。」
質問した、強面の男性は「ふむ」と一言言った後、話を続けろと言う。
「他に意見は?」
そう私は言ったけど、そもそもレールガンを知らないから、どう質問すればいいか分からないと思う。
「実際に作ってみた方が早いですよね。」
そう言い作り始める。
ダメだったら、他のものを考えるしか無い。
今回のレールガンは、威力を上げるために色々付け足す。
そのためのスキルがたくさん必要だったから、SPを貯めに行った。
欲しい魔法その1
加速させるための電気。
ファイボルトにライニングが吸われたから、電気の技が欲しかった。
欲しい魔法その2
威力を増すための射出魔法。
投擲の魔法に、射出の能力をプラスするつもりだ。
欲しい魔法その3
物質変化系の魔法。
機体を金属みたいにして、磁場や電流が通るようにする。
他にも欲しい魔法はあるけど、今後付け足すことにする。
レールガンなら、普段使いもできそうだしね。
弾は、物質変化で魔力に金属の性質を付け足す。
こんな感じで、作れるかどうかは謎だけど、作るとこにする。
大丈夫だ、きっと。頭の中では完成してるから。なんとかなる。うん。
「みなさんにも、手伝ってもらいたいんですけど、いいですか?」
「まぁ、少しくらいなら。」
「よく分からんが、出来ることはやろう。」
「そうね、出来ることがあったら、行ってちょうだい。」
そんな優しい声をかけてくれる。
こんなどこから来たかもハッキリしない、謎の少女に、力を貸してくれるなんていい人たちだね。
この人達のために、優しさに報いないといけない。
———————————————————————
ソラの作戦とは、みんな大好きレールガンです。
レールガンって強いし有名だから、よく使われますよね。
今回は、電気の力だけじゃなくて、魔法もあるのでもっと高威力になります。
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