魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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2章 魔法少女と竹林の村

41話  魔法少女は説明を聞く

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「あぁ~はぁーー…」
私は今、温泉にザバーって感じで浸かってる。

 朝にこうやって風呂に入るのって、気持ちいよね。こう、なんか、心が穏やかになるね。

 別に私の心が汚れてるとかじゃないよ⁉︎

 今日は、アボデルさんが依頼内容について教えてくれるらしい。
 …そもそも依頼内容知らないのに、依頼を受けるなんて、おかしいと思うのは、私だけじゃないはず。

 それを、受けた本人の私が言うのもなんだけど。

 そろそろ出ようかな。

 それから部屋に戻ると、朝食が用意れていたから
それをもぐもぐと食べて、外に出る準備をする。

 まぁ、準備するものなんて何も無いけどね。

「えっと、確か村長の家に集合だった気が…」
畳の上に置いたステッキ回収して、部屋を出る。

 私は、何をどうやっても断ることはできない。何故かって言うと、見ての通りこんなに旅館を楽しんでしまってる。

 ここまで楽しんで、依頼は無理ですとか言ったら、それはその人の感覚を疑うよ。

 村長とか、領主(主にフィリオ)の家ってなんでこんなに端っこに立てられてるだろう。

 メタいこと言うと、作者の事情なんだけどね。
こんなこと言うと、私の存在が謎のものになりそうだから、ちょっとメタ発言は自重しよう。

 よし、そろそろ真面目にいこう。私のキャラが壊れてしまう前に。

 もう壊れてるだろって言った奴は、このステッキで頭を叩き割るよ。

 ……すいません、そろそろほんとに真面目にいきます。

 私は、ササっとアボデルさんの家に向かう。途中でチャールさんとも会って、一緒に行くことになった。

 もちろん、話すことが無くて、気まずくなったは言うまでもないことだね。

「いらっしゃい、さっ入ってください。」

「お邪魔します…」

「お邪魔します、アボデル村長。」
私たちは、アボデルさんの家に入り、こないだと同じように座布団(?)に座る。

 お茶を出されたので、一啜りして、アボデルさんが座ったのを見て、こう切り出す。

「それで、依頼内容はなんですか?」

「あぁ、説明しよう。」
アボデルさんは、そう言って説明を始める。

 まとめるとこうだね。

 これは昨日も言われたことだけど、カロォークの討伐をしてほしいと言うこと。
 今のところ打開策は思い当たらないらしく、カロォークの生息場所はアボデルさんの家から、少し離れた向こうの竹林のどこかにいるらしい。

 カロォークは、勝手に竹を破壊したり食べたりして、助けてほしいとのこと。

 縦横の長さが、約数mで、カタツムリのような姿をしているらしく、普通に戦っても傷ひとつつけられないそう。

 試せるものは試したらしい。
剣、槍、弓。使える武器や攻撃を最大に使っても倒せなかったから、外部に助けを求めて、1人の男性を街に行かせたらしい。
 その辺は昨日聞いたね。

 最後に、カロォークは攻撃されて、だいぶお怒りのようだ。

「それでも、受けてくれるか?」

「受けますよ。」
ここで受けないとか言ったら、罰当たりそうで余計に怖いし。

 こんな風に異世界に送ったんだ。絶対どこかで私のこと見てるでしょ。

「では、討伐の日時はどうしましょう?」

「ソラ殿に好きに決めてもらおう。」
そう言って、2人は私のことを見る。

 何か期待されているような目で見られるから、なんか緊張するんですけど。
明日行けってことですか?そうなんですか?

 ……仕方ない。明日行くよ。
どっちみち、いつか行かなきゃいけなくなるんなら、早めに行ったほうがいい。

 そっちのほうがより楽だしね。
楽を求めるなら、面倒も必要ってね。

 バカの天才は紙一重って、よく言うでしょ。
それと一緒で、楽と面倒は紙一重ってことよ。

「明日行きますよ、討伐。」
そう私が言うと、2人は驚いたように口を開く。

「だってそうでしょ、早く討伐しないと、村のみんなも危ないし。」
私は、建前を口に出してそれらしい理由を言う。

 別に、そう言う考えが無かったってわけじゃないし、ちゃんと、村人のこと考えてたし。

「そこまで考えてくださって…ソラ殿、感謝しても仕切れない。」
勢いよく頭を下げて、また土下座の体制になる。

 アボデルさん、土下座好きだね。もう、見慣れちゃった。

「ほら、チャール。お前も頭を下げなさい。」

「はい、この小さな村のために、ありがとうございます。」
2人の大人が、(1人はお爺ちゃん村長)17歳の小娘の私に頭を下げてるという、謎の構図が出来上がってしまった。

 一体、これを見た時、人はどんな反応をするんだろう。

 これじゃあ、一方的に私が与えてばかりと思われてしまってるんじゃない?

 もう旅館で遊んで十分なんだけどな。
……そうだ。

「じゃあ、依頼を完了させられたら、何か私の言うこと、一つでいいから聞いてくれない?」
私はそんな提案を出す。

 そうすれば、ウィンウィンじゃない?
向こうは討伐できて嬉しいし、こっちはこっちで、一つの村に一つのお願いができる。

 何にしよっかな。旅館無料宿泊券とか、竹も欲しいし、う~ん。悩むね。

「そんなことでいいのか?なら、どんな願いでも、なるべき聞き届けよう。」

 やった、これでモチベーションも更に上がるね。

「ねぇ、この村の観光スポットとかない?」
この後の時間は暇になるし、行っておきたい。

「僕は知っていますよ。」
チャールさんは、小さく手を挙げてそう言う。

「ソラさんと会った、あの石畳の道の脇道を通って、小高い山のような場所を登ると、とてもきれいな景色が見られるんです。」

「あそこか…確かに綺麗な場所だったな。」
思い出すようにぽつりとこぼす。

「今から行けば、夕日も見られますよ。」
案内しますよ、と言って立ち上がった。

 夕日ね。昨日の露天風呂?の夕日の景色も綺麗だったし、行ってみてもいいかもね。

「じゃあ、お願いします。」

「それじゃあ、ついて来てください!」
アボデルさんに、「お邪魔しました、アボデル村長」と言っているチャールさんの後ろを、ゆっくりついていく。

「お邪魔しました。」
ガラガラと扉を閉め、笑っているチャールさんの後についていく。

———————————————————————

 これから討伐へ!…ではなくて、綺麗な景色を見に行きます。
 のんびり回です。のんびり回。

 後、チャールさんは、21歳のちょっと子供っぽい設定です。
 こんなこと言ったってことは、何かあるということかもしれませんね。

 すいません、投稿忘れてました。
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