魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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2章 魔法少女と竹林の村

40話  魔法少女は旅館を満喫する

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「いっただきまーっす!」
ぱん、と手を合わせてご飯を食べ始める。

 さっき料理が運ばれて来て、机の上に乗せられた。
 パッと見た感じだと、テレビで見るような旅館っぽい料理だね。

 小鉢が6種類程あって、大鉢が4種類ある。
旅館って、なんか小鉢とかでたくさん出てくるイメージあるけど、ほんとに出るんだ。

 さっきおかみさんが言ってたけど、後でデザートも来るらしい。やったね。

 味の薄いもの順に食べてくと、美味しく食べられるらしい。(テレビで見た)まぁ、どれが薄いか分かんないけど。
 
 それじゃ、改めて、いただきますということで。
何から食べようか?

 竹のお吸い物?なんか、竹が入ってるお吸い物がある。飲もうか。

 うーん、丁度いい味付けじゃないかい。竹の可能性を感じた。凄い。

 これをちょびちょび飲みつつ、色々つまもう。
煮物とか(もちろん竹&タケノコ入り)、魚に見えてしょうがない竹の焼いたやつを食べる。

「うん、美味しい。」
あんな紹介だけど、真面目にやってるよ。ネタじゃないよ。

 そんな感じで、小鉢は食べ切った。
あとはご飯とミニ鍋だね。

 ご飯の蓋を開けると、炊き込み竹ご飯が入ってる。

「おぉ、こんなところにもon the竹。」

 竹は英語でバンブーでしょっていうツッコミは置いといて、食べようと。
 
「美味しい。竹がいい味出してる。」
食感もなんというか、…いい感じ。

 同じようなことしか言ってないけど、別にグルメリポーターでもなんでもないんだから、関係はない。

「美味しいものを美味しいと言って、何が悪いというのだよ。」
箸をぱくぱくと動かして、誰もいない虚空に話しかける。

 さっ、次で最後だね。
竹のすき焼きのようなやつ。肉が、竹だね。

 味付けは、完全にすき焼きのような、なにかだよ。具材はもちろん数種類の竹。

 もう、何があっても竹で片付けられるね。
ほんとに竹が凄過ぎる。

 これも美味しく食べ終わり、私は床で満足して寝転ぶ。

「あー、お腹いっぱい。」
いっぱい食べて、満足満足。

 数分経ったところで、おかみさんが食器を下げてくれて、デザートも置いていく。

「oh…竹。」
驚きのあまり、英語がでてしまった。

 まさか、デザートまで竹とは思ってなかった。

 食べてみた結果、普通に美味しかったのは、また別のお話ということで。

「それじゃあ、行きますか。」
バッと立ち上がり、私は靴を履いて部屋の外に出る。

 確か、こっちにあるって言ってたよね。

「おっ、発見。」
のれんのかかった場所があり、入ってみると更衣室になっている。

 誰もいないから、ゆっくり浸かれるね。
服を脱いでるから、今の私は普通の女子高校生に逆戻りだね。

 扉を開けて中に進むと、シャワー室?なのかな?そんなとこがあって、その奥(外)に行くと、露天風呂になってる。

 檜風呂?って言うのかな。それの竹版。竹風呂。

 私はシャワーで体を流してから、風呂に入って、もう1回流す派だから、シャワー室に入る。

 ……石鹸までもが竹の香りがするのは、どういうことだろうか。

「ま、いい香りなのは違いないけど。」
泡立たせながら、そんな独り言を呟く。

 軽く水で流し終えて、タオルを巻いてから風呂に入る。

「あ、あぁ…気持ちぃ。」
温泉の気持ちよさに、思わず声が漏れ出てしまった。

 この前飲んだお茶を、温泉にしましたって感じだね。
 こう、身体中全てに行き渡る感じ。
身体が軽くなってくる。

 肩こりとか腰痛とかが、治りそうな温泉、それがこの竹温泉。

「…温泉のせいで、頭おかしくなった?」

 まっ、そんなことはどうでもいい。この気持ちい温泉を、満喫しなくては。

 …やばい、ここまで楽しんだからには、ちゃんと依頼しないと。

「魔物にやられて、この村が無くなっちゃうのはちょっと勿体無いな。」
綺麗な景色を見ながら、そう小さく漏らす。

 よし、やるか。依頼。元からやらなきゃいけなかったけど、ちょっとやる気出た。

 この村を救えば、ヒーローになって、優遇とかされそうだし。(下心しかないのは許してほしい。)

 私の性格上、1回こうと決めたら、曲げない性格だから。絶対に守ってみせるよ、この村を。

 こんなカッコつけたこと言ったら、フラグ立っちゃうじゃん。何してんの、私。

 でも、言葉に出してないから、セーフ。セーフだとも。

「はぁー、もう出ようかな。」
体をグッと伸ばして、立ち上がる。
 
 静かな夕日に、温泉の水の音が鳴り響く。

「静かだなぁ。」
こんな平和で、綺麗な街に魔物がいる。到底想像もつかない。

 シャワー室で、軽く体を流してから、脱衣所に戻る。
 頭を乾かそうと思ったけど、ステッキを部屋に忘れたので、仕方なく濡れた髪のまま部屋に戻る。

 濡れた私の青い髪は、ラピスラズリのような色で、輝いている。

 綺麗だとは思うけど、私はこの髪は好きじゃない。いい記憶なんて、無いからね。

 まっ、そんな話する機会ないし、忘れよ忘れよ。

 部屋に戻った私は、ステッキから出る髪を乾かし、敷かれていた布団にバタンと飛び込んだ。

「ふっかふかだ。」

 今日は早寝しよう…なんていうと思った?夜更かしするに決まってるじゃん。

 しようじゃないか。夜の旅館といえばの、あれ。
1人じゃできないけど、魔法で代用すればいいよね?

 私は枕に魔力を付与させて、ステッキで動かす。
オートモードとかあったら、楽なのにな。

 そんなスキル、都合よくないよね。
主人公補正(自分で主人公と言っていくスタイル)
でなんとかならない?

 これが小説とか漫画とかになったら、確実に主人公コースだよね。私って。

 そんなどうでもいいことを考えて、枕投げを開始する。

 そのあと、おかみさんに怒られてしまったのは言うまでもない。

———————————————————————

 今回は、ただ単にソラが旅館を楽しむ話ですね。
自分の髪の毛が嫌いな理由は、いつか話します。
 髪の色の話が最初に出てきたのは、洞窟の辺りでしたね。
 そこからずっと、触れずに置いといてます。(ただ話を作るのがめんどくさかっただけどは言えない。)

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