魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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1章 魔法少女と異世界の街

20話  魔法少女は領主と話す

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 今、私は領主の家に向かっている。

「ちょっと遠いね。領主の家なんだからあんな端に建てないでよ。」
文句を言いながら歩いていく。

 私は昨日、ギルドに行ってギルマスと話をした。ギルマスに今日のことを伝えるためだ。
 領主に頼んで、良い物件を探してもらいたい。出来れば紹介状とかもらえると尚嬉しい。

 今回の件もロアのためだ。あんなに美味しい料理を作れるのに、人が来ないなんておかしい。
 宣伝と店の場所、そして料理の見直し(これは味というより見た目や新しいメニューということだ。)それを改善すれば人は来ると思う。

 そんなことを考えてると大きい家が間近で見えてくる。

「あれが領主の家…近くで見ると迫力あるね。」
私はこれからあれに入るのか。

 私は門に向かって歩く。すると門番のような人がこちらに槍を向けてくる。

「誰だ!」

 いや、怪しくないよ。ちょっと怪しいだけだよ。
いきなり槍向けてくるのはどうかと思う。

「あの、ギルマスに呼ばれた冒険者ですけど。」
私はギルドカードと共にそう言う。

「はぁ?Cランク?この達成数でCランクはおかしいぞ。」
門番は眉を顰めて言う。

 そうですよね。おかしいですよね。でもそれで合ってるんですよ。ギルドに言って下さい、私に言われても…

「知りませんよ。ギルマスが勝手に上げたんですよ。」
私は全てをギルマスのせいにする。
 ごめん、ギルマス。

「…待っててくれ。」
その門番は走って家に入っていく。

 こんなところでと1人きりってなんか嫌だな。
早く帰ってきて。
 10分程度経ち、門番が帰ってきた。

「通って良いぞ。入れ。」
門番が通してくれる。

「分かりました。」

 ようやく入れる。歩きも待ちも結構かかった…
ガクッと疲れたよ。

「ソラ様こちらへ。」
おぉ、メイドさん。この世界にもいるんだ。若くて可愛いメイドさんだね。
 でも様はやめてほしいな。

「様って取ってもらえる?様とか付けられるような人じゃないから。」

「いいえ、そうはいきません。」
えー様付けは嫌だなぁ。

「取ってやれ。それで気分を害してしまうかもしれん。」
するとどこからかそんな声が聞こえてくる。

「フィリオ様。…承知しました。」
領主の名前ってフィリオって言うんだ。

「それではソラ、入れ。」

 私は言われるがままに部屋に入り、置いてある高級そうな椅子に腰掛ける。

「見たぞ、ギルドカード。」

「はぁ。」
短く返答する。

「なんだ、ケルベロス討伐、ゴブリン20匹討伐、スネイク60匹討伐、そのどれもがほとんど単独。最後はブラックポイズンスネイクときた。」
ハッと笑う。

 なんで笑うの?人の討伐履歴で笑うって酷くない?

「別に変じゃないでしょ?」

「変に決まってるだろ。冒険者になってすぐに、こんな討伐する冒険者なんていると思うか?もちろんいない。ソラくらいの冒険者は薬草採りが普通だ。」

 うん。分かってた、分かってたよ。だってエリカにどれだけ驚かれたと思ってるの。
まぁ私を知らない冒険者は私のことを弱いと思ってるけど。

「お前の職業は魔法使い…いや魔法少女だったな。」
口角を上げながら言う。

 この領主、確かに悪い人ではなさそうだけど人の職業を笑うって性格悪いと思う。

「いやいや、ここまで優秀な冒険者がこの街にいるとは、驚きだ。」

「そうですか。」
私はさっさと要件を済ませて帰りたいので返答は短く速く行う。

「それで、ソラからは何か言うことはあるか?」
よし、来た。

「レストランを開くのに良い土地って無い?出来れば紹介状とかあると嬉しいんだけど…」
私は手短にそう言う。

「なんだ?商売でも始める気か?」

「違います。友達のためですよ。」
ロアが安心して暮らせるようにさせたい。だからわざわざ領主にまで会ったんだよ。

「そうか。それは商業ギルドに行ってこい。紹介状なら書いてやろう。ソラみたいな優秀な冒険者を引き止めるためだと思えば安いくらいだ。」
すると領主は紙に何か書いていく。

 これで紹介状もゲット。今から商業ギルドにでも行こうかな?

「ほら、書いたぞ。」
私は軽く包まれた手紙を受け取り、収納する。

「それじゃあ、帰らせてもらいます。」
私は立ち上がり、ドアを開ける。

「あぁ、行ってこい。」
領主は座りながらそう言う。

 最後までメイドさんは見送ってくれていたけど別によかったのにな。

「紹介状はもらったし、商業ギルドに行くだけだね。」

 それまでメニューについて考えとこう。

 あそこは、パンやお肉が美味しかった。柔らかくてジューシーだし、パンももっちりしてた。
 あぁいうのじゃなくてもっと軽く食べられるのだと人気でそう。

 サンドイッチとか?うーんいっそカフェにしちゃっても良いかもしれない。

 美味しいところを全部使っていこう。
…料理スキルとかあったら便利じゃない?食材生成とか。

 残りのSPで創るか。

 魔法 アクアソーサーⅤ 魔導書Ⅵ(-2)  神速Ⅴ
  ファイボルトⅣ+1 万属剣Ⅳ+1 投擲Ⅲ
 鑑定眼Ⅴ+1 食材生成Ⅱ+1

 今あるのじゃこれが限界だね。
カフェの料理を作ってみてロア達に食べさせてみよう。
 今の私はどんな食材も、魔力ある限りどれだけでも使える。

 夢の異世界コーヒーだ。宿屋戻ったら飲もうかな?

 商業ギルドまで、そんな考えを巡らせながら歩いていく。

———————————————————————

 こういう系の話、あんまり上手く書けないんですけど頑張って書きます。

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