魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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1章 魔法少女と異世界の街

13話  魔法少女は苦戦する

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 どうする?どう動く。
私はブラックポイズンスネイクを見つめ、動きを読もうとする。

 スネイクもこちらの様子をギロッと赤い目で見る。

 怖い。正直めっちゃ怖い。

私はそんな考えを捨て、ステッキを構える。
この際、魔力なんか気にしてられない。

「でかい体してるのになんでそんなに速いのっ!」
私はスネイクの攻撃を躱しつつ、魔法を放つ。

 軽い技じゃ、意味がない。
もっと魔力を込めた魔法じゃないと。

「ファイア!」
魔力を思いっきり込めたファイアを放つ。

 スネイクはそれを赤黒い尻尾を振り、炎を消す。

「あの尻尾が厄介過ぎる…」
尻尾を振った隙に攻撃するしかない。

 私はスネイク目がけて一直線で走り出、飛ぶ。
それを見たスネイクは尻尾を振り出し私に向ける。

 それを待ってた!

「神速Ⅲ!」
神速で私は素早い尻尾を避け、ウィンドカッターを纏わさせたステッキを思いっきり振りかぶる。

「いけぇぇぇぇ!!」
すると少し鱗が剥げ血が噴き出る。

「シャァァァァーー!」
痛みに悶えるスネイク。

 こんだけ強いんだから痛みを感じたのも久しぶりなんじゃない?

「ファイア!」
私はその傷口に向けて放つ。

 全てに魔力を大量に込めなきゃいけないから辛い。
体から魔力が抜けるたび貧血みたいにくらくらしてくる。でも、こんなとこで倒れたら死ぬだけだ。

 ファイアに当たったスネイクは体を大きく動かし、悶え続ける。

 その時無造作に尻尾を振り回しているから避けるのが大変だ。

「ちょっとは大人しくしてよ。」
今ある魔法でなんとかならないか考える。

 もし無かったら創るしかない。

「まずはこれ。ライニング!」
これもステッキに纏わせ、ステッキからビームのように出す。

 荒れ狂うスネイクは少しだけ大人しくなる。

「少し抑え込めただけじゃん。」
決定打になるものがなかなか無い。

 どうすれば倒せる?
鱗は硬い。炎を当てても意味がない。焦げるくらいだ。風魔法も同じ。跡が付くだけ。
地道にやるしかないの?

 スネイクはようやく痛みに慣れ、こちらをギロッと睨む。

 すると、尻尾を私に向けて突き刺そうとする。
私は飛び上がり避け、着地しようと安全圏を探す。

 そのとき、スネイクの巨大な口がそこにあった。

「ちょ、やばっ!」
私は即座に体を捻り避ける。

 だけど上着の半分を食い千切られた。

「…上着、持ってかれちゃった。」
私は体に残った布切れとなった上着を捨て、走り出す。

「さっきより早く動けるのは気のせい?」
魔法少女服の上に何か着ると力を出しきれなかったりする?

 そんなことを考えながら攻撃を避け続ける。

 無駄に魔力は使いたくない。でも使わないと倒せない。そもそも使っても倒せないかもしれない。

 これ、詰んでない?
私、ここで死ぬの嫌だよ。

 私は死にたくないので本気になって避ける。
普段できないことも出来てるような気がする。
火事場の馬鹿力ってやつかな。

「はぁ、はぁ、はっ!」
息を切らし、ウィンドカッターを当てて、注意を逸らす。

 ずっとこんな感じで続いてる。

「これじゃあいたちごっこだよ。」
いや、私の方が先に力尽きちゃうか。

 目に水でも入れてやろうかな。

 私はロックウォールで四方に壁を作り、そこにウォーターで水を入れる。
その後上に蓋をしたら。

「完成、これでいけるかな?」

「シャァァ!!!シャァ!」
おぉ暴れてる暴れてる。

 …やばい壁壊れちゃう。
ドンドンとスネイクが体当たりをし、壊れ始める。

 今のうちに策を練らないと。
普通に魔法を打つだけじゃ勝てない。打つとしても高火力のやつ。

 この水みたいに何か特殊な方法で倒せないかな?
風を纏わりつかせて宙に上がらせて、無防備なところに一発と。

 でもその一発が無いんだよね。
どうしようか、ほんとに。

 そんな考えをしてるとドコォーンと水飛沫と一緒に壁が破壊され、爆発したかのようになった。

 …爆発?…そうだ!爆発だ!

 いい技を思いついた。今ある魔法の中で出来る、最高火力の技を。

「ここからは、私のターンだよ。」
 
 私はさっきと同じように走り、注意を逸らす。

 そのとき、床にウィンドカッターを撒いとく。
私がスネイクの周りの一周しウィンドカッターをスネイクを軸にして回転させながら集める。

 するとそこには小さな竜巻が現れ、スネイクを持ち上げる。

「魔法は使いよう。使い方次第でここまで化けるだね。」

 それじゃあ作戦決行だ。

 私はスネイクを上だけを開けてロックウォールを作る。

「よし、倒される準備はできた?」
分からないと思うけど、言う。

 私はステッキを両手で握り、スネイクの真上に巨大なファイアを置く。

 そのファイアはまるでマグマの様だ。

 そこに私はさっきと同じように水を作り出す。

 これで、私の勝ちだ。魔力ももうほとんどない。
これで倒せなかったら、私の負けだ。

 でも、私だって負けるつもりはないし、負けたくない。

 私の日本での知識が役に立つ時が来た。
私はぎゅっとステッキを握りしめ、水も炎の近くに置いた。

———————————————————————

 一体どんな技を使うんでしょうか。
(結構簡単だと思います。)



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