魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

文字の大きさ
上 下
12 / 681
1章 魔法少女と異世界の街

11話  魔法少女はスネイク討伐に行く

しおりを挟む

 今日はスネイク討伐の日、門の前で待っていろと言われたので言われた通り待っていると。

「おはよーソラちゃん。」

「…おはよう。」
エリカとゼンが挨拶をする。

 あれ?バージとダクラスは?

「おはよう、2人とも。それで残りの2人は?」
気になるので尋ねる。

「それがね、2人が行きたくないって言うのよ。」
なんでそんな事に?

「2人ともソラちゃんに負けてからずっと元気が無いのよ。」

 あれ?それ、私がやり過ぎたせい?

 いや…それはあの2人が悪い。私のことを散々馬鹿にしたんだからその報いを受けただけだよね。

「これじゃあ無理だと思ってソラちゃんに報告に来たんだけど…」
そういうことね。

 でもあのモブ2人、いてもいなくても変わらないんじゃ?

「別にこれでもいいよ。」
私はエリカを止めて言う。

 だってさ面白そうだし、やってみたい。
ん?最初は断りたがってたって?
そうだっけ。ちょっとオボエテナイナー。

「え?でも3人だよ。」
私が近接と魔法。エリカが私とゼンを支援してゼンが私が倒し損ねた魔物を倒す。
そんな感じで。

「うん。丁度弱い2人がいないからエリカだって魔法を温存出来ていいでしょ。あと連携もしやすくなったし。」
2人がいたら連携なんてものはできないと思うけど、(主に私と)この3人なら出来る。

「…そう言うなら出来るのだろう。」
ゼンが静かに言う。

 もうちょっと感じがよかったらちゃんといい人に見えるんだけどね。

「そうね。あの2人の代わりにソラちゃんが来たって事にすれば…?」
エリカは無理矢理納得した。

「それじゃあ行こうよ。」
私は振り返り森の方を指す。

「そうね。」
エリカも私の後を追う。

 あと一つ気になってたんだけど

「スネイクってどこにいるの?」
するとエリカはどこかの芸人みたいにすっこける。

 実際にこんな風に転ぶ人っているんだね。

「知らないで行こうとしてたんだ…」
エリカは呆れた様子でスネイクの発生場所を教えてくれる。

 場所を把握した私たちは(実際は私だけだけど)その場所に行くことにする。

 そこまで歩いて行くが魔物は一匹もいない。
これもスネイクのせいなのかな?

 そのまま何もなくスネイクの発生場所に着いてしまった。

「ほんと何もいなかったわね。」
エリカがキョロキョロと周りを見る。

 スネイクすらまだいないなんて、どうなってるの。

「…あっちに何か気配が。」
私の魔力感知に何か引っかかった。

「ソラちゃんそんなこと分かるの?」
エリカは驚く。

「まぁ…ねぇ。」
神様のチートなんて言えないので濁して言う。

 するとその方向から何匹かスネイクが飛び出してくる。

「キャッ…スネイク!?」
ほんとに出てきて驚いている。
でも飛び出したスネイクをゼンがハンマーで弾き飛ばす。

「エリカ、支援魔法を。」
エリカは魔法を使おうと詠唱を始める。
…やっぱり遅いなぁ。

 私の魔力付与で速くならないかな?
やってみよ。

「魔力付与。」
手を伸ばし、小声で言う。
するとすぐに魔法が完成し、ゼンと私に全能力アップの魔法をかける。

「なんだか今日は調子がいいわね。」
嬉しそうに言う。
 成功したね。

 私は弾き飛ばされた方のスネイクを相手にする事になったので、神速で近づく。

 それにスネイクは驚き、逃げようとするけど逃がさない。
危うく噛まれそうになったけどなんとかその前にウィンドカッターで切れた。

「エリカーゼンーこっちは終わったよ。」
手を上に振って報告をする。

「こっちも終わったよ。」
手を振りかえしてくれる。

 そのまま発生場所をぐるっと回り、見つけたら倒していくと言った感じで進んでいった。

「うーん、ただ単に集まっただけなのかしら。」
スネイクは大体5匹以下の群れが多かったので、そんな予想をエリカはする。

「…あの上に何かある。」
ゼンが顔を上げ、指を指す。

 ほんとだ。明らかに何かあるね。

 そこは高い崖になっていて、その崖には擦れてる場所があり地面には何かが降ってきたかのような跡がある。

 これ、発生元がここって言ってるようなもんじゃん。

「でも高くて、あんな所行けないわ。」
エリカが報告だけしましょと言ってさっき倒したスネイクを解体してる。

 女の子なのに解体できるなんて凄いね。
私には到底無理だ。

「あんな所、空を飛べない限り無理よ。」

 …空、飛ぶ、…魔法。
っ!そうだ!スキルでどうにかなるじゃん!

 あと帰ったらどんなスキルが増えてるか見ておくか。戦闘中にピコーンピコーン鳴って集中できそうもなかったから切っておいた。

 魔力で擬似的に足場を作ればいい。そうすれば、空は飛べないけど、跳べるようにはなる。

「空、跳べるよ。」
私はエリカに向かって言う。

「だけど行けるとしたら私とエリカだけだけど。」

 行けないことも無いけどさすがにゼンのあの巨体を運ぶのはちょっと…

「…ほんとに?」

「ほんとに。」

「嘘じゃ無い?」

「嘘じゃ無い。」
そんな会話を繰り返すこと数分。ようやくエリカは行く決心がついた。

「…それじゃあ、お願い。安全にね、ソラちゃん。」
震えながら言う。

「はいはい分かってるよ。」

 私は身体強化をしてエリカをお姫様だっこの要領で抱え、ジャンプする。

「行くよっ!」
私は魔力を動かして、空に跳び上がる。私は上に一直線で走っていく。

「キャーーーーー!」
エリカは涙を浮かべながら叫ぶ。
…そんな怖いのかな?

「ついたよ。」
私は上についてエリカを下ろす。

「ソラちゃん、意地悪。」

これでエリカに少し嫌われてしまったかもしれない。

 


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。

みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい! だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

実家から追放されたが、狐耳の嫁がいるのでどうでも良い

竹桜
ファンタジー
 主人公は職業料理人が原因でアナリア侯爵家を追い出されてしまった。  追い出された後、3番目に大きい都市で働いていると主人公のことを番だという銀狐族の少女に出会った。  その少女と同棲した主人公はある日、頭を強く打ち、自身の前世を思い出した。  料理人の職を失い、軍隊に入ったら、軍団長まで登り詰めた記憶を。  それから主人公は軍団長という職業を得て、緑色の霧で体が構成された兵士達を呼び出すことが出来るようになった。  これは銀狐族の少女を守るために戦う男の物語だ。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

処理中です...