魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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1章 魔法少女と異世界の街

4話  魔法少女は冒険者になる

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「ここが冒険者ギルドです。」
ロアが紹介してくれる。

 へー、ここが冒険者ギルドかぁ。なんか大きいな。
なんか二棟繋がったような形だね。

 私は恐る恐るギルドの中に入る。

「私は薬草を向こうで売ってきます。」
テクテクと歩いていく。

 見られてる。確実に見られてる。
中には思ったより人がいなかった。

「冒険者ギルドへようこそ。なにか御用ですか?」

 ギルド嬢だ、美人さんだね。

 「普通」に可愛い服でスタイルもいい。
私は自分の姿を見てその差に絶望する。

「あの…?」
困惑しながらこちらを見る。

「すみません。ギルド登録したいんですがいいですか?」
みんなの顔がよりこちらに向かれた。

 え、なんか私変なこと言った?

「…っはい。ギルド登録ですね、こちらです。」
ギルド嬢は受付に案内する。

 私はギルド嬢の後を追い、受付に行く。
 するとなんか体の大きい冒険者がこちらにくる。

「………」
ジッとこちらを見てくる。

 怖い。凄いく怖いからやめて下さい。

「あの、退いてくれません?」
その冒険者に言う。だけど退かない。

「ほんとに、退いて下さい!」
手で横に退かして、そこを通る。

 なぜかまた見られる。どうして、みんなどうしてそんなに見るの?この服のせい?そうなの?

「あの…あの!」
あっ…ギルド嬢が呼んでいる。

「はっはい、今行きます。」
考えることをやめて受付に行く。

「はい。ここにお名前、年齢、職業を書いてください。」
 すると目の前に画面が出てくる。

 これに書けばいいの?ハイテクだね、異世界。
日本より凄いものがあるじゃん。

 えっと、名前はソラっと。年齢は17、職業は…
職業…魔法少女?でいいのかな。

「書けました。これでいいんですか?」
画面を見せて聞く。

「名前 ソラ、年齢 17…職業 魔法少女……」
微妙な顔をして口に出す。

「ダメ…ですか?」
流石に魔法少女じゃダメだったかな?

「いや大丈夫です。」
そのまま行く形なんですね、はい。

「どうぞ、ギルドカードです。」
ギルド嬢からカードを受け取る。

 これがギルドカードか、なんか嬉しい。
あと魔物売らないとな。

「ねぇ、魔物ってどこで売ればいいの?あと、解体とかしてないけど」
売り場を聞く。

 売れないと私、お金無いよ。

「あ、魔物……魔物の売買はあちらの棟で行っております。」

 ねぇ今「こんな子が魔物なんて倒せるわけない。」って思ったでしょ!

「ありがとうございます。」
ひとまずお礼を言って隣の棟へ移る。

 その途中ロアがやってくる。薬草売り終わったのかな?

「ソラお姉ちゃん、登録終わりましたか?」
ロアは聞いてくる。

「うん、終わったよ。ロアは?」
一応聞いておく。

「終わりましたよ。」

「私も魔物を売るから待ってて。」
ロアに待ってるよう言う。
 でないと私はこの街で迷ってしまう自信がある。
私は早足で売り場に行く。

「このケルベロスっていくらで売れますか?」
私は聞く。

「………」

 ……無言やめてもらえませか?目がずっと合ってて気まずいんですよ。

「あの、なんですか?」
私はこの空気に耐えられず、そう切り出す。

「すみません、ケルベロスですね。素材等全て頂いてもよろしいでしょうか。」
今の私に使い道はないのでオッケーを出す。

「綺麗に切られているな。切られている箇所は多いけど、剥ぎ取りやすくて助かる。」
そう言いながら手慣れた手つきで解体してい。

 うわグロい。いや凄いんだけど、現代っ子の私にはとても見ていられるものではないね。

「核石も貰いますね。」

 核石ってなんだろう。あれかな?魔物の中心部分とかのやつ。ゲームで言ったら魔石とかそういう系の。

「今回の魔物は綺麗なのでプラスしておきます。」
この人、解体するときだけ素に戻る人だ。

 そんな事はおいといて、プラスしてくれるのは嬉しい。

「はい、銀貨4枚です。」
4枚、ケルベロス一匹でこれだったら高い方なのかな?

 私はお金を受け取りロアの元に戻る。

「ただいま。ちゃんと売れたよ。」

「それは良かったです。」
笑顔で言ってくれる。

 優しいし可愛いし頑張り屋だし、ロアの将来は安泰だね。絶対に私のようにはなってほしくない。

「ソラお姉ちゃんはこれから何するんですか?」

 それだよそれ。これから何しよう。まず住むところだよね。それは宿屋でいいとして、そこがどこにあるのか分からない。ロアに聞くか。

「ねぇ、宿屋の場所って分かる?」
聞いてみる。

「宿屋の場所ですか?あの先に行って右の角を曲がってそのまま真っ直ぐにあります。あと私の家は東に行った先にある赤い屋根の202号室です。」
 宿屋とロアの家を教えてくれた。

 出会ったばっかの私に家の場所なんて言っていいのかな?

「ありがと、また今度ね。」
私は手を振って宿屋に向かう。

 いや、それにしても人に見られてる、恥ずかしいね。私は見せ物じゃないよ!

 そんなことを考えていたら道の脇に一軒の店があった。

「何ここ?入ってみようか。」
のれんのようなものをくぐり店に入る。

 服とか武器とか色々売ってるなぁ。ここでなんか買ってこうかな?

「これいいんじゃない?」
上から下まで隠せる大きめでフード付きの上着?がある。

 こういうのが欲しかったんだよ。どういう名前か知らないけどね。

 値札を見ると銀貨1枚と書いてあるので買うことにする。

「すみません…誰かいませんか。」
レジらしきところで店員を呼ぶ。

「そこに値札と金を置いてきな。」
レジ奥から声が聞こえてきたので言う通りにする。

「よし、着てみるか。」
私は裾に腕を通しボタン(?)が数個あるのでそれもつける。

 凄いよ、全部隠れた。やったね。別の意味で見られるような気もしないでもないけど深く考えないでおこう。

 最後にフードもかぶって店を出る。
いい買い物をしたと思う。

 そのまま私は宿屋に入った。










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