魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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1章 魔法少女と異世界の街

3話  魔法少女は街に行く

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 私はロアと一緒に街に行くことになった。

「ソラお姉ちゃん、あのケルベロスどうするの?」

 あっそうだった。ここは異世界、ゲームじゃない。解体とかしなきゃダメ?

「冒険者ギルドに行けば、買い取ってくれると思うよ?」
ロアが教えてくれる。

 そうだよね。異世界だからそういうのもあるよね。解体しないと安くなるとか?よく漫画とかであるやつ。

「ありがとう、教えてくれて。」

 でもこれどうやって持ち運ぼう。手で持ってくのとかやだよ。

「あっ収納機能あるじゃん!」
そうだよ、ステッキにそんなスキルあったよ。

「収納機能?」

 しまった、口に出てた。

「いやね、このステッキには物を収納する力があるんだよ。」
こうしか説明のしようが無いからそう言う。

「へ~凄い!」

 うん凄い、私もそう思う。

「それよりどうしてロアはこんなとこにいたの?」

 小さい子どもがこんな森の中にいるなんて不自然だ。

「…少し前にお母さんが死んじゃって、お父さんの仕事もうまくいかなくて、その、妹がいるんだけど体調がずっと悪くて。」

 え…凄い家庭だね。お母さんが死んじゃって、お父さんは仕事うまくいかない?
更に妹が病気…なのかな?

「大変だったね。でも危険なことはしちゃダメだよ。もしそれでロアまで死んじゃったら妹はどうなるの?」

 こんな幼いのに働いてるのは偉いけど、働き過ぎは良くない。それにロアはまだ子ども。本当だったら働く必要なんてない。

「ごめんなさい…」
悲しい顔をする。別に叱ってるんじゃ無いよ?

「お父さんはこのこと知ってるの?」
知っていたら危険だと注意してほしい。

「ううん。私がしたくてやってるの。お父さんに知られると危ない事するなって怒られちゃうから。」

 あぁいいお父さんじゃん。
いい親にいい子ども。そんな家族がこんなに大変な思いをしてるなんて。

「ねっねぇ?街まであとどのくらい?」
話を変えにいく。

「もうすぐだよ。」

 あぁ私の苦労はなんだったんだ。もし、あのまま行ってたら私永遠に森にいることになった。

「ほんとにありがとう。」
ロアと会わなかった時のことを考えると震えてくるので、もう一度お礼をする。

「だからお礼をするのはわたしの方だよ。」

 いい子だねほんと。

「なんで私に助けを求めたの?こんな変な格好してるのに。」

 私の服を指す。自分で言ってて悲しくなってくる。

「分からない。でも優しそうだったから。」

 優しそう?私が?

「そうなんだ。」
私はそう返事を返す。

 ロアと喋りながら歩いていたら目の前に門が見える。

「すみません入れてください。」
そう言ってロアはカードを渡す。

 これは市民カードとかギルドカード的なやつを渡すと入れるとか?

「またお父さんに内緒で薬草を取りに行ったのか?」
門の人が言う。

「はい。」
俯きながら言う。

「気をつけるんだぞ。いくら魔物が少ないからといって、いないわけじゃないからな。」

 門の人は優しく言う。

「で、そこの変な格好をした嬢ちゃんはどうした?」

 うん。変な格好って言わないで。せめて可愛い格好って言って。

「私が魔物に襲われてる時に助けてくれた、ソラお姉ちゃんです。」

「あぁそうなのか。嬢ちゃんみたいなのが魔物を…」

 私のことを上から下へ、下から上に視線を移して見る。

「私みたいなのが魔物倒して悪い?」
なんかムカついたので強めに言う。

「あっあぁ悪い。ロアを助けてくれたんだな。ロアは俺の友の子どもだ、礼を言う。」

 頭を下げてお礼を言われる。

「いや、私はただ魔物を倒しただけだよ。」
門の人に頭を上げるよう言う。

「嬢ちゃん、すまないが通行料を頼めるか?この街の住人じゃないだろう?」

「あ、はい。」

 なんか神様が魔物から何かドロップするとか言ってなかったけ?
お金入ってないかな。入ってないとやばいよ?

 ステッキの収納を見るとお金が入ってる。銀貨が3枚。これってあたりの部類?

「いくらですか?」
値段がわからないので聞く。

「言うのを忘れてたな、銅貨3枚だ。」

 銅貨3枚か、銅貨なんて持ってないよ。
銀貨を分解とかできないのかな?

 収納を欄を見つめてると銀貨が銅貨100枚となった。お、やった。でもこんなに要らない。

「はい銅貨、3枚。」

 お金を払い終え、街に入る。

 街の人たちに凝視されている。この格好、めっちゃ恥ずかしいんだけど。せめて仮面かなんか欲しい。

 あとギルドカードみたいなのも欲しいよね。通行料取られずに済むし。

「ロア、冒険者ギルドの場所って分かる?」
ギルドカードが欲しいので聞く。

「はい、分かります。」

 分かるというのでギルドまで案内してもらうことになった。

 これから私は冒険者になるのか。それ終わったらなんか服買いに行こう。そうしよう。

 そんなことを考え私はロアの後ろについて行く。



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