上 下
42 / 48

第42話 内政に力を注ぐ

しおりを挟む


 カンボナ王国への備えが出来たので何か動きがあったなら通信機で直ぐに連絡するようにアヤナに言い内政に力を注ぐことにした。

 最初に元バスタ王国の様子を見る事にして代官のボンズの所に行ってボンズの案内で視察をした。

 街は依然と違い上下水道も完備していて、治療院も出来て清潔な街に生まれ変わっていた。

 住民に話を聞くと。

「以前と違い奴隷制度も無くなり治安も良くなり安心して暮らせます。此れも陛下のお陰です」

 農民に話を聞くと。

「農地改良を指導してもらい、今では作物の収穫も倍になり此れも陛下の政策のお陰で感謝しています」

 ボンズが笑顔で。

「住民は陛下の政策のお陰で豊かになり、治療院でいつでも病気の治療を受けられて安心して暮らしていけて陛下に感謝しています」

「余のお陰だけでなくボンズたちが住民を大事にして良い仕事をしてくれるからだ」

「そう言っていただけると私たちももっと頑張れます」

「何か問題点はないのか?」

「そう言えば、最近、魔獣が増えて住民が襲われて困っております」

「ギルドに頼んだら魔獣を狩ってくれるのではないのか」

「それが冒険者は危険な仕事なので冒険者を止める人が多く、此れも皆が豊かになったお蔭で嬉しい反面困っています」

「そうか、魔石を取る冒険者が減るのも困るから警備隊に魔獣狩り専門の隊を作るように言っておこう」

「助かります」

 10カ日間各地を回って見て感じた事は義務教育の学校に通う子供が未だに3分の2くらいで少ないのだ。

 教育大臣アンナに理由を聞くと。

「私も困って調べたところ、子供は学校に行きたいのですが、親が子供に仕事をさせて学校に行かせないのです」

「それなら義務教育を卒業しない子供は働く事を禁止してはどうだ」

「うーん。親が守るでしょうか」

「義務教育を卒業していない子供を雇った者には罰金を科せば良いだろう」

「それなら雇う者もいなくなり親も子供を学校に行かせるでしょう。早速,実行してみます」

 次の問題点は不当に賃金を安く雇う経営者がいる事だ。

 産業大臣カールに聞くと。

「最低賃金を決めているのですが、いまだに読み書きや計算の出来ない者が多いので仕事につけなくて、安い賃金で働かないと働き口がないのが現状なのです」

「やはりそうか。最低賃金を守らない者は罰則を強化してもダメか」

「難しいでしょう。特に小さなところは人件費を抑えないとやっていけないところもあるので」

「それならそういった所には国が補助金を出しなさい」

「ええー! 補助金を出して国庫は大丈夫なのですか」

「大丈夫だ。通信機の利益や税収が多すぎて使い道に困る程だ。ビヨンドなど利益の1割でも多すぎて0,3割に減らしたくらいだ」

「それなら補助金を出したなら最低賃金を守るでしょう」

 国庫を使って補助金を出しているのは今回だけではなく、農漁業の振興の為にも出しているが、ばら撒きではなく財務大臣ルパートが厳しくむだ使いを監視して有効に使っているお蔭で国庫は潤っている。

 各大臣と側近がそれぞれの仕事を真面目にしているお蔭で俺は、賢帝と呼ばれて感謝している。

 特にリズの家族は父親のショーンは軍務大臣として、兄のラオスは宰相として俺の右腕として支えてくれている。

 ラオスは家臣だが口は悪いが、何でも話せる親友で皇帝は孤独なので助かっている。

 皇帝は独裁者だが独裁者は良い面もある。良い政策をすれば直ちに実行に移せて国民に届くので物事が早く済む。

 まぁ、反面、皇帝が国民をないがしろにして悪政を行えば最悪だが、俺の子供のタクミにも善政を行うように厳しく教育をするつもりだ。

 リズも次の皇帝になるタクミには今から厳しく育てているので心配はないだろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

2回目の人生は異世界で

黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる

黒ハット
ファンタジー
 【完結しました】以前の小説をリメイクして新しい小説として投稿しています。  名前も付けられずに公爵家の屋敷の埃の被った図書室の中で育った元聖国の王女は虐待で傷だらけで魔物の居る森に捨てられ、王太子に拾われて宰相の養女となり、王国の聖女と呼ばれ、波乱万丈の人生をおくるが王太子妃になり幸せになる。

異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。

黒ハット
ファンタジー
 前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

処理中です...