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第34話 魔道具作り2
しおりを挟む携帯電話もどきは通信機と呼ぶことにして、最初に魔道具作りの職人で髭面のビヨンドのところに行き見せると。
「この箱は何だ」
ビヨンドに新しい通信機を渡して魔力を流させて俺が通信機で話して。
「ビヨンド聞こえるか?」
ビヨンドはビックリして。
「ウワー! 頭の中に陛下の声がしたー」
「驚いたか。これは遠くにいる人と念話で連絡ができる魔道具だ」
「スゲー! 陛下が作ったのか」
「本当は耳で聞こえるようにしたかったが、此れしか作れなかった」
「これでも凄いぜ。これは売れるよ」
「そうか。それならビヨンドのところで作ってくれるか」
「本当ですか? 勿論作り方は陛下が教えてくれるのでしょう」
「教えるが、利益はどうする」
「陛下は利益が出たらどうするのですか」
「決まっているだろう。国庫に入れて国のために使うよ」
「偉い! 流石陛下だ。その辺の貴族に聞かせてやりたい。俺の取り分は利益の1割で良いですぜ」
「ビヨンドはそれで良いのか」
「多分1割でも物凄い金額になると思いやすぜ」
「ハッハッハー! そんなに売れたら良いな。とりあえず余の分50機を作って届けてくれ」
「分かりやした。届ける時、興味があるので陛下の工房を見せてくれませんか。」
「ああ、良いぞ」
携帯電話もどきの通信機が出来たのでいよいよ蒸気機関を作ってみよう。
試作品を3回作ったがいずれも失敗し落ち込んでいるとリズが。
「3回失敗しただけなのに落ち込んでどうするの。私もポーション作りを何10回も失敗しているわ」
最近リズは俺の工房にポーションを作る部屋を作り、俺のポーション作りを引きついで色んなポーションを作っている。
聖の魔法のスキルを持っているお陰なのかリズの作るポーションはA級ばかりで評判が良く、忙しい毎日をおくっている。
そんなある日にビヨンドが通信機を届けに来て工房を見て。
「あれは何を作っているのですか?」
「蒸気で動かす機械だ」
ビヨンドが俺の試作品を見て。
「駄目だ! 歯車が狂っている、此れじゃ正確に動かないぜ。発想は良いが腕が悪すぎる。やっぱり素人じゃ無理だ」
俺はガックリと肩を落として。
「やっぱりそうか。そうだビヨンド一緒に作ってくれないか」
「ええー! 良いんですか。出来上がったら凄い発明だ。是非やらしてください」
次の日からビヨンドは自分の工房は弟子に任せて一緒に蒸気機関作りをしている。
1カ月後に試作品が出来上がり今日は試運転をするが、果たして成功するか不安だ。
ビヨンドがスイッチを入れるとグォーンと音を立てて動き出し、歯車が動いて試運転は成功と思った瞬間バーンと釜が割れて蒸気が噴き出てしまったのだ。
ビヨンドが慌てずに平静に。
「思ったより蒸気の圧力が強く釜の強度が弱かったみたいだ。だがこれで分かった。次は釜の強度を倍に強くすれば成功するだろう」
それから1カ月後、作り直して今度は成功した。
最初は蒸気車を作る事にして俺が簡単な図面を書きビヨンドがその図面を基に正確な図面と想像絵を書き見た俺は笑ってしまった。
想像図は馬車を大きくした図で車とはかけ離れていたのだ。
俺が想像図を描いて見せるとビヨンは。
「へえー! 見た事の無い乗り物だ。此れを作るには車輪やクッションを考えないと駄目だな」
それから材料集めに時間がかかり、出来上がったのは半年後で車と言うよりは前世のバスみたいだ。
多分、蒸気機関が大きいせいだろう。
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