上 下
13 / 48

第13話 始めて領地に行く

しおりを挟む


 離宮にポージョンを作る工房を作りポージョン作りをしていると、陛下から使者が来て皇宮に来るように連絡があり、空間移転で行くと陛下が。

「え? 使いを出したばかりなのにもう来たのか早いな」

「空間移転で来ました」

「空間移転だと?・・・・どんな魔法だ」

 空間移転を説明すると。

「リオンは余の知らない色んな魔法が使えるのだな。お前が早く生まれていれば・・・・」

 よく聞こえないので。

「なにか言いましたか? 」

「何でもない。今日呼んだのはソロソロ領地を見に行って領地経営をしてみてはどうだ」

「領地経営は15歳に成人してからではないのですか」

「本来ならそうだが、リオンなら今でも立派に経営出来るだろう」

 俺はまだ10歳の子供だぜ! 

 陛下はますますブラック企業になって来ている。


 離宮に帰り側近に領地経営をする事になって、領地を見に行くからと言うとシモンが。

「旧ダマス公爵領は酷いらしいです」

「どんな程に酷いのだ」

 今度、赴任した代官の報告によると税金は40%で普通の4倍で、貧民や浮浪者が多く領内は不衛生で病人が多いらしい。


 1週間後、離宮をシモンに任せてアヤノ、バース、リンダを連れて馬車で領地に出発した。

 領地はリマ皇都の北側にあり、馬車で1日なので夕方には着くだろう。

 初めてリマ皇都を出るので楽しみだ。街を出ると農作地帯が続きその後は山が遠くに見える所々に小さな森のある草原が続いている。

 時々50cmくらいのネズミ魔獣1mくらいのツノウサギ魔獣が出てバースが倒して進んでいる。

 最初に与えられた領地を過ぎ、予定通り夕方には新しい領地に着いて代官の出向を受けた。

 以前はダマス公爵の領地だった、領都の街は聞いていた通り不衛生で街を歩く住民も暗く元気がなかった。

 道路は石畳ではなく土を固めてあり、家は木造が多くここで暮らす住民が可哀そうになった。

 最初に与えられた領地を通り見てきたが普通の街で此処まで酷くはなかった。

 領主の屋敷に着いて驚いた!

 住民の家と違い、まるで宮殿のように豪華で中に入るとさらに驚いた。

 屋敷の中は黄金が多く使われ、装飾品も高価な物が沢山飾られている。

 俺が呆れていると代官が。

「陛下が、リオン様が来るまでは何もせずにそのままの領地を見せるように言われました」

「そうか。お前の名は何という。以前からこの地に住んでいるのか」

「申し遅れましたが、私の名はボンズ・ジュノンと申します。父親が先代のドリン公爵に仕えており私は成人するまで此処で育ち、その後は皇都で役所に勤めておりました」

 俺は此れからも代官を任せられるか鑑定の目で見ると。

 名前 ボンズ・ジュノン
性別 男
年齢 25歳
称号 第5皇子の代官
レベル:40/100
魔力量 400(最大1,000)
統率力 60   威圧力 40 
武力  40(剣 40。軍事力10) 
体力  60  知性  70   
精神  60  指導力 60   
運   50  誠実  80 
スキル
土魔法 50 

 誠実が80で知性も70、統率力も60で良い人材だったので領地を任せても良いと思った。



 その晩、与えられた部屋のベッドで、領地をどうするか考え、先ず領都を先に与えられた領地とダマス公爵の領地にするか、それとも新しい場所にするのが良いか領内を見て決める事にした。



 次の日、ボンズの案内で馬車を使い領内を見て回ると、先の領地と旧ダマス公爵の領地の境目に大きな河が流れておりその河が海に流れている。

 だが河の周りは農地も家もないのでボンズに。

「此処は水の便もよく農地に適しているのにどうして人が住まないのだ」

「此の地は毎年、河が溢れて水害が酷く農作を作れなく住民が住めないのです」

「堤防を整備すれば良いのに今までの領主はしなかったのか」

「えっ? ・・・・堤防ですか ・・・・」

「堤防を知らないのか」

「はい。初めて聞きました」

 そうか。治水工事という概念がないのなら仕方ないが、俺なら出来るので丁度ボンズが土魔法を使えるので河のそばに行き。

「ボンズ土魔法で幅5m、高さ10m、長さ20mの壁を河に沿って作れるか」

「作った事がありませんが試してみます」

 最初は失敗したが2回目に何とか形になり、3回目に成功して子供みたいに飛び上がって喜び。

「出来たー! やったー! ・・・・・・」

 ついて来たリンダが。

「そうか皇都の軍の宿舎やインフラの整備も土魔法でしたのを忘れていた。土魔法は便利だな」

 俺はボンズに。

「どうだ。それが堤防だ。堤防で水害を防げるだろう」

「はい。此れなら農作地を作れます」

「農作地もそうだが、ここに新しい領都を作る予定だ」

「ええー! 何年もかかりますよ」

「大丈夫だ。半年で作って見せる」

 新し領都を作る候補地を見つけて屋敷に戻ったのである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

2回目の人生は異世界で

黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる

黒ハット
ファンタジー
 【完結しました】以前の小説をリメイクして新しい小説として投稿しています。  名前も付けられずに公爵家の屋敷の埃の被った図書室の中で育った元聖国の王女は虐待で傷だらけで魔物の居る森に捨てられ、王太子に拾われて宰相の養女となり、王国の聖女と呼ばれ、波乱万丈の人生をおくるが王太子妃になり幸せになる。

異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。

黒ハット
ファンタジー
 前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

処理中です...