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48話、ヘタレなリュウトの悩み
しおりを挟む帝国軍は、奴隷兵たちが解放されたとは思わず。全員殺されたと思ったみたいでその日は後方の陣地に戻ったのだ。
夜にザーガイが来てご機嫌な様子で。
「リュウト様、同胞の奴隷兵たちを助けて頂きありがとうございました。帝国軍は、どうするつもりでしょうか? わしが帝国軍の指揮官だったら撤退しますが。撤退されては、後が面倒ですから、打撃を与えたいのですが何か良い方法はありませんか」
「俺も、帝国軍が何のために戦いに来たか疑問だよ」
「今迄の戦争は、防御壁などありませんでしたし。ナナファ―ナ様が使った防御のバリアーも初めてで帝国軍が今までの戦いと違うので戸惑っていると思いますが」
「そうか、仕方ない敵に塩を送る事にしようか」
「えっ? 敵に塩を送る??・・・・」
「敵に少し味方してあげる意味だよ。この場合は敵が戦いやすくしてあげる意味だが」
俺は、その晩のうちに作った溝を埋めて、防御壁を2km崩して敵が攻めやすくしたのだ。
次の日の朝に奴隷兵だった者に偽装した奴隷首輪をつけさせて奴隷兵の指揮官の虎獣人に防御壁から出して大声で叫ばせた。
「敵に捕らわれましたが脱出して魔法具を壊して溝を埋め防御壁を壊しました。
今のうちに攻めて下さいーー!!」
此れを聞いた帝国の指揮官が喜んで進軍を命じて帝国軍が崩れた防御壁から攻撃をしようとしたのだ。
だが、今迄の戦いをする帝国軍と今迄に無い新しい戦いをする俺たちとの差は歴然で。帝国軍の指揮をする将校たちは煌びやかな衣装を着ているので目立ち魔銃部隊の餌食になり。
防御壁の上のライフルで狙い撃ちされて指揮官のいなくなった帝国軍は、壊滅状態で敗走してしまい。公国と帝国の戦いは魔銃部隊の活躍で公国の快勝で幕を閉じたのだ。
然し、リュウトたちも手放しで喜んではいられなかった。
何故なら、帝国軍にはギャラン新皇帝を始め3人の将軍の内の1人しか参加しておらず。
その1人の将軍も早々と戦場から離脱しており、何の為に帝国が戦争を仕掛けて来たのか意図が分からなかったのだ。
リュウトたち仲間は、領地の城に帰り、領地の執事ボンドに迎えられてその日は、早々と眠りについた。
次の日に仲間と諜報部のハンドイとサスハにサイゾィを呼び今回の戦いを振り返って情報を共有する事にした。
諜報部からの報告では、今回の戦いの間にナチラス聖国の堕天使サリスン・ナチラス教皇の動きは、全く無く帝国のギャラン新皇帝の動きも無かったとの事でハンドイの意見は。
「今度の帝国の侵略は、此方の実力を探る為に起こした戦争ではないでしょうか」
と言い、サビオが首を傾げて。
「それにしては、帝国の戦い方が幼稚過ぎておかしいのではないか」
俺もサビオと同じ気持ちで何故か釈然としなかったのだ。
それから一月が過ぎたがナチラス聖国の動きは無く、堕天使との戦いを早く終わらせてのんびりと暮らしたいのでイラついていたのだ。
そんなリュウトを見かねてナナファ―ナとライナとお茶をしているとライナが少し顔を赤くして。
「ねぇー、リュウトそんなにイライラしていると身体に悪いよ。私たちと結婚して抱いたら少しはストレス解消になるかもよ」
ナナファ―ナも。
「別に結婚しなくても、避妊すれば問題ないから今晩にでも私を抱いても良いのに」
「ま、待ってよ! どうしてそんな話になるの」
「だって、男の人は・・・・じゃないの??」
リュウトは、2人の話に唖然としてしまい。確かにそうかも知れないと思った。
前世の年齢を合わせると43年間童貞でまだ経験がないので分からずに。
「2人はその行為をしたいのかな?俺は正式に結婚してからの方が良いと思っていたけど」
2人は顔を真っ赤にして同時に。
「好きな人には、早く抱いて欲しいのが当たり前でしょう。リュウトは違うの?」
俺は返答に困り声を上ずりながら。
「わ、分かった。・・・・・・善処する」
と変な返事をしてしまい。自分で自分のヘタレさに呆れたのだ。
その日からナナファ―ナとライナを見る目が変わり、2人の胸やお尻に目が行き困っている。
リュウトは意を決したが実行に移せずにいたのだ。
そんなある日に執事のボンドが俺に。
「リュウト様、何かお悩みですか最近、ため息が多いのですが」
ボンドに言われてボンドは女に持てるのか3人の奥さんがいるのでナナファ―ナとライナの事を相談したのだ。
ボンドは噴き出して笑い。
「ㇷ゚ッ~、アッハハ、リュウト様は普段は何事も決断が早くて素晴らしいのに女性に関しては、ヘタレですね~ アッハハ」
「おい、ボンドそんなに笑うなよ。自分でもヘタレだと思っているがそんなに笑われると傷つくよ」
「す、すみません。リュウト様そんな時は欲望のままに行動するのが一番です。あれこれ考えるよりは、動物に戻ってオスとして本能に身を任せてメスを征服するのが一番ですよ」
「分かったよ! 俺は、考えすぎるのかも貴重なアドバイスを有りありがとう」
その晩にベッドに入ると、ボンドのアドバイスの意味を考えたが動物の様に本能のままにと言われても人間だから動物みたいに本能のままに出来るはずが無いと思い。
結局は何の結論も出せずに眠りについてしまったのだ。
次の日に食堂でナナファ―ナとライナに顔を合わすと、照れくさくて顔を見て真面に話も出来ずに自分のヘタレさに落ち込んでしまった。
どうしてこんなリュウトに2人が惚れたのが信じられないでいる。
気を紛らわすために久しぶりに母上に会いに行くと開口一番。
「ねぇー、ナナファ―ナとライナとは上手くいっているのかしら。戦いが済んでからとか言わずに、さっさと事実婚でもしたら良いのにリュウトは女性に奥手だから母さん心配だわ」
「そんな事無いよ。俺は、やるときはやる男だから心配しなくて良いから」
「女以外は心配ないけれど、フゥ~ 女性に関してはヘタレで奥手だから心配なのよ」
「そんなため息つかないでよ。余計自信なくすから」
何の為に母上に会いに来たのか・・・・・・最近は、こんなことばかりで流石に落ち込んでしまい。
城に戻ると、ダンライとサヨナァがリビングで仲良くお茶を飲んでいて俺を見るとダンライが。
「リュウト暗い顔をしてどうかしたのか」
「何でもないよ。いたって元気だよ」
思い切ってダンライをテラスに連れて行き。
「ダンライ、サヨナァとそのー、あのな、もう男と女の・・・・その・・・・」
「リュウトの言いたい事は分かったよ。サヨナァとはもう一緒の部屋で寝てるから夫婦みたいなもんだよ。リュウトもいい加減に2人を抱いてあげなよ。滅茶苦茶、楽しくなるから」
リュウトは、ダンライに言われてヘタレからから抜け出す決をしたのだった。
決心はしたものの、ナナファ―ナとライナのどちらを先に誘えば良いかで悩み、実行に移せないでいたがそんなある日にライナが。
「リュウト、無理しなくていいのよ。身体の繋がりも大事だけど精神的な繋がりはもっと大事だから、自然にそうなったら良いからね。それと、もしその気になったらナナファ―ナを優先してね」
ライナの言葉で救われたが開き直って自然の成り行きに任せる事にしたのだ。
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