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22話 リュウト旅の間にナナファ―ナに告白される
しおりを挟むシャロム辺境拍の領地に行くことが分かると、同行しようとする人が名乗りを上げて仲間3人は決まっているに。
ベレー帽特殊隊長のジャンクがリュウト様の警護で付いて行くと言い張り、リュウトは根負けして連れて行こうと思った。
他の隊員たちから自分たちも同行したいと不満の声が出て。
地面に2mの円を描き。
「此の円から僕を出した人を連れて行く事にする」
ジャンクと他に10人が挑戦したが全員がリュウトを円から出せずに、吹き飛ばされてナナファ―ナの治癒魔法の世話になったのでした。
結局、希望パーティーのメンバーだけが一緒に行くことになり、ジャンクは涙を流して悔しがっていたのだ。
ガンゾイ辺境伯を迎えに王城に行くと、馬車では遅いので馬で領地に帰ると言い、夫人も勇ましい騎士姿で待っていたのだ。
辺境伯の人数は護衛の騎士も含めると30人いたので、車に乗れるのはリュウトのパーティーを引くと6人なので侍女の女性一人と辺境伯夫妻の3人を車に乗せる事にしたのだ。
目立たないように王都の外に出てから、マジックバックに入れていた車を出して説明すると、護衛の騎士たちは。
「大丈夫ですよ。馬は早いですから、私たちの方が先に領地に着きますから」
リュウトはお腹の中で。
(知らないと言う事は幸せだな)
と呟いたのだ。
運転席には、リュウトが助手席には何故かナナファ―ナが乗り。
後ろの幌の中にもゆったりと座れる席があるので2人以外は後ろの席に座り。
車を最初はゆっくりと走らせたが徐々にスピードを上げると、馬の何倍もの速さで走り始め同行していた護衛たちの姿は見えなくなり、護衛たちは。
「えっ? な、何なんだー! あの乗り物は、もう見えなくなったぞ~」
と騒いで必死で車を追いかけていたのだ。
車に乗っている皆が余りの速さに驚き同乗していた侍女は余りの速さに気絶してしまった。
助手席にいたナナファ―ナは、最初は驚いていたが意外と平気みたいで。
「凄いわね、窓の外の景色が飛んで行くみたいね」
だが、やはり強がっているみたいで、顔が少し青くしてリュウトに身体を寄せて腕にきつく抱き付いていたのです。
運転席に乗ったナナファ―ナは、此の旅の間に、女性の気持ちに鈍感な朴念仁のリュウトに自分の気持ちを告白して絶対に落とそうと決意していたのだ。
ナナファ―ナがそんな事を考えているとは知らないリュウトは、脇腹にナナファ―ナの弾力のある柔らかいものが押し付けられて、どうしたものかと弾力のある柔らかい感触に、戸惑っていたのでした。
後ろの席では、いつも強がっているサヨナァが青い顔をしてダンライに寄りかかり、背中を撫でてもらい、その様子を見た母親が。
「ねぇー。あの2人お似合いだと思わない。彼をお婿さんに来てもらいないかしら」
「彼は、公爵家の長男だから無理だろう」
「公爵家には、他にも男の子が二人もいるから上手くいけば下の男の子に後を継がせてあの子を私たちの跡取りに出来るかも」
「お前な~ 当人同士がどう思っているか分からないのに無茶な事を言ううなよ」
当人同士が分からない内に変な方向に何かが進みそうなのだ。子供の為にどんな事でも実行しようとしている母親の力は偉大なのでしょうか。
暫くすると、皆が車に慣れて来て気絶した侍女が窓から身を乗り出してはしゃぎ、夫人から注意されていてサヨナァが。
「此の馬車は早くて凄いな~」
「あのな、此れは馬車では無くリュウトの前世の世界では、誰でも持っている車と言う乗り物だと言っていたよ」
「へぇー、そうなんだ。リュウトの前世の世界に行ってみたいな」
前の運転席では、ナナファ―ナが顔を赤らめてリュウトを上目使いで見ながら。
「ねぇ、リュウトは女性と付き合った事があるの? 今は好きな人はいるのかしら」
「えー! 前世も含めて女性に縁が無くて付き合った女性はいないよ。恥ずかしいけど女性に持てないから今も付き合っている女性はいないし」
「本当に? リュウトは女性に絶対持てると思うわ」
「アハハ 残念ながらそれは無いよ」
「ふ~ん、もしも、私がリュウトを大好きと言ったらどうする」
「冗談はやめてくれ。本気にすると困るから」
「じゃぁ、本当の事を言うわ。私は本気でリュウトの事が大好きよ。女性から告白するなんて恥ずかしいけれど」
「嘘ー! 本当なら嬉しいな。ナナファ―ナは僕にとって高嶺の花だと思っていたから、でも、本当に本気なの? 信じられないよ」
「私は、以前からリュウトの事が好きだったわ。本当よ」
「僕も、出会った時からナナファ―ナに惹かれて大好きだよ」
「嬉しい~! 想いが叶って涙が出るわ」
前世の26年を含めて42年間で初めてリュウトに恋人が出来た瞬間でした。
リュウトは舞い上がり、車を止めてナナファ―ナを抱きしめたかったが我慢して片手運転をして彼女の手をそ~と握りしめている。
ナナファ―ナは、リュウトの肩に頭を乗せて幸せな気持ちになり。
「この幸せが永遠に続きますように」
と呟いた言葉は車の窓から外の風に流されて消えたのでした。
リュウトは、運転しながら此の急な展開にまだ信じられずにいたのだ。
ナナファ―ナの握っている手の温もりが本当だと伝えており。
この世界を救おうと言うより、ナナファ―ナと幸せになる為にもこの世界を絶対に守る為に死にもの狂いで頑張ろうと決意したのであった。
こうして女性経験の無いリュウトはナナファ―ナの罠に?はまり陥落したのだ。
馬車なら5日掛かるのに車は道路事情が悪くスピードは控えめだったが流石に早く、翌日の昼前には辺境拍の領地に入った。
領都に着くまでの辺境伯地は農作地が少なく荒れ地が目立ちガンゾイ辺境伯が、作物が育ちにくいと言っていた意味が分かり。
土魔法で荒れ地を農作に適した農作地に変える事が出来ないか思案していたのだ。
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