37 / 38
第37話、番外編1
しおりを挟む早いもので私とトムの結婚してから3年の月日が立ち私は王太子妃として王宮で暮らしています。
私たちは1人の女の子に恵まれて2歳になる女の子の名前はシルビアで。
最近は言葉を話すようになり、私の事を「おかあしゃま」と呼んで後を就いて回りとても可愛いのです。
侍女のサヨはそんなシルビアが可愛くて仕方がないのか、最近は私を放っといてシルビアにつきっきりですが、トムが優しく私の相手をしてくれるのでサヨを許している。
陛下夫妻は国王の座をトムに譲って隠居したいと言いますがトムと私が。
「まだ若いのに今から引退したらボケルから駄目だ」
と言い反対しているのですが、孫のシルビアを甘やかしてばかりなので、トムが余り甘やかすなら合わせないと言うと少しはましになったのですが、陰では相変わらず甘やかしていた。
私は、魔法具を研究して魔石をエネルギーにして、馬が引かなくても動く馬車を作り上げたのですが、ジイチャンが魔石で動く馬車を見て。
「サヤカ様は意外な才能をお持ちですな。
今度は わしの様に空を飛ぶ船を作っては如何ですか」
「ジイチャン、私は風魔法で自分は飛べるけれど船を飛ばすのは流石に無理よ。もしかして又、私を揶揄っているのかしら」
「フォッフォ・・ばれましたか」
「もうジイチャンは いつも そうなんだから今度仕返しをするからね」
そんな風に私は穏やかで、優しい人達に囲まれて幸せな毎日を送った居るのですが最近悩み事が二つあるのです。
一つは私が有名過ぎて、平民の様に街に出て買い物や食べ歩きしたいのですが少しくらい変装しても直ぐにバレテ街に出れなく。
ですから今は、魔法で姿を変えれないか研究中なのです。
二つ目は私の護衛騎士団の団員が次々に結婚しているのに、騎士団長のシャネット・スワローズがそろそろ25歳になるのに独身を通している事なのです。
ジャネットは顔も綺麗でスタイルも良く15歳の頃から婚約希望者が殺到したのですが、何故か断り続けて。
この世界では16歳から19歳までが適齢期で20歳を過ぎると年増と言われて行き遅れで欠陥があると思われて婚約希望者が居なくなるのです。
今では、奥さんをなくして年の離れた男性からの結婚の申し込みしかないのですが、それも断り続け彼女の両親が困っている状態なので、陛下夫妻や私のお母さまが心配しているが。
私はジャネットには好きで想っている男性がいるのではないかと思っていて、注意して見ていると。
近衛騎士団長のライルィ・バレンタイに合う時は顔を赤らめてモジモジしているのでもしかしたらライルィを好きなのでは無いかと思い。
近衛騎士団長のライルィを調べるとイケメンで女性の人気もあるのに30歳になる今も、一度も結婚していなくて男色の噂がある位なのでした。
近衛騎士団長のライルィも婚約希望者があるのにも関わらず、結婚しないのはジャネットを好きなのではないかと思い。
トムに相談すると。
「サヤカの言う通りかも知れないな。私も2人は好きあっているがライルィは男爵家の男でジャネットは伯爵家の1人娘だから問題があるのかも知れないな」
「そうなのかしら それなら2人が可哀そうね。何とかならないかしら」
「う~ん、 良し! 2人の為に動いてみるか」
トムが作戦を立てて、2人を私たちの夕食に招いたのです。
勿論、2人には招いた相手は知らせずに当日に2人を合わせて様子を見る事にした。
その当日、私たちの応接室に先に来たのはジャネットで、騎士服では無く、清楚な感じのドレス姿で来て、私が。
「ジャネット久しぶりね。元気だった」
「えっ? サヤカ様 一昨日にお会いしたばかりですが」
私がライルィと間違えてしまい、誤魔化して。
「そ、そうだったわね。最近娘のシルビアの相手が忙しくて・・・」
「シルビアちゃんは可愛いですものね。ウッフフ」
「そうなのよ、最近、言葉を覚えて相手が大変なのよ」
「こんばんわ。今日はお招きに預かりありがとうございます」
そう言って部屋に入って来た近衛騎士団長のライルィを見てジャネットが驚いて、顔を真っ赤にして。
「あのぅ、ライルィ様お久しぶりです」
いつもと違う、ドレス姿のジャネットを見てライルィが固まり私が。
「ライルィようこそ。ジャネットも招いたのよ。同じ騎士だから話が合うと思ったからよ」
「は、はい。ジャネット様にお会いできて光栄です」
私とトムは顔を見合わせて、目で頷き合い2人に聞こえない小さな声で。
「やっぱりね。うん そうだね」
サヨの給仕で食前酒から始まるコース料理を食べながら話をしたのですが、ジャネットとライルィがお互いに緊張して話が弾まないので、私はイライラして爆発してしまい。
「あのね、貴方たち! 本当は好きあっているんでしょう。何で堂々と付き合わないの」
トムが慌てて。
「サヤカ、落ち着きなさい」
「いえ 私は落ち着いておりますが2人を見ているとイライラするのです。ライルィ貴方、男なら自分の気持ちをハッキリと伝えなさいよ。それとも私が2人に催眠魔法を掛けて本音を言わせましょうか」
「アッチャー! 私の奥さんが切れたみたいだ。2人とも本音を吐いてしまわないと本当に催眠魔法で全部言わせられるぞ」
ライルィが慌てて食事を中断して立ち上がり。
「俺は もとい 私はジャネットを大好きで結婚したいと思っておりますが身分に差があるので無理だと思い想いを告げずにいました。でもジャネットを諦め切れないのでジャネットが私を受け入れてくれるのなら勇気を出してジャネットの両親に結婚を許して貰う為にスワローズ伯爵家に婚約を申し込むつもりです」
ジャネットが泣き崩れて。
「ワァー! ウッウ・・・ライルィありがとうー・・・嬉しいー・・私もライルィが大好きです。ライルィ以外の男性と結婚する気がありませんでした。ウゥ・・・」
トムが拍手をして。
「サヤカ 良くやったね。大成功だ アッハハ」
ライルィとジャネットがサヤカに。
「サヤカ王妃さま。ありがとうございました。お陰様でジャネットの気持ちも分かりました」
「ウッウッ。サヤカ聖女様本当にありがとうございました。ウッウッ」
私は嬉し泣きをするジャネットを抱き寄せて。
「もう本当にじれったい2人なんだから。此れからは自分に正直に生きてね。でも2人が結ばれて私も嬉しいわ。2人ともおめでとう」
「サヤカ様のお陰です。本当にありがとうございます」
トムが苦笑いをしながら。
「えっ? 私も協力したのだが・・」
2人はトムに最敬礼をして同時に。
「皇太子殿下 ありがとうございました」
「何か 無理に言わせたみたいだな。アッハハ」
その後に、ライルィがジャネットの両親に会い結婚の許しを貰いに行くとスワローズ伯が。
「娘はこの家の1人娘なので嫁には出せんが、ライルィがスワローズ伯爵家の養子に来るのなら喜んで結婚を許そう」
そう言われて2人は喜び、ライルィは三男なので養子に出すことをライルィの両親も喜んで許したので、異例な事に2か月後には二人は結婚したのです。
勿論、私たち夫妻も結婚式に招かれて、お祝いをしたのでした。
さぁー、今度は変身魔法を研究して街に遊びに行くつもりの私なのです。
もし街で私の正体が分かっても知らないふりをして下さいね。ウッフフ。
12
お気に入りに追加
789
あなたにおすすめの小説
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
【完結】異世界で急に前世の記憶が蘇った私、生贄みたいに嫁がされたんだけど!?
長船凪
ファンタジー
サーシャは意地悪な義理の姉に足をかけられて、ある日階段から転落した。
その衝撃で前世を思い出す。
社畜で過労死した日本人女性だった。
果穂は伯爵令嬢サーシャとして異世界転生していたが、こちらでもろくでもない人生だった。
父親と母親は家同士が決めた政略結婚で愛が無かった。
正妻の母が亡くなった途端に継母と義理の姉を家に招いた父親。
家族の虐待を受ける日々に嫌気がさして、サーシャは一度は修道院に逃げ出すも、見つかり、呪われた辺境伯の元に、生け贄のように嫁ぐはめになった。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
異世界召喚されたけどヤバい国だったので逃げ出したら、イケメン騎士様に溺愛されました
平山和人
恋愛
平凡なOLの清水恭子は異世界に集団召喚されたが、見るからに怪しい匂いがプンプンしていた。
騎士団長のカイトの出引きで国を脱出することになったが、追っ手に追われる逃亡生活が始まった。
そうした生活を続けていくうちに二人は相思相愛の関係となり、やがて結婚を誓い合うのであった。
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる