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第26話、帝国の暗殺者による陛下の暗殺未遂と帝国の侵略の始まり
しおりを挟む私が聖女になって、もう少しで1年を迎えようとしていました。
今日は、第二王子サイギッダ・アスクルト様の11歳の誕生日で、お祝いのパーティをしている所です。
帝国がそろそろ侵略をして来る頃なので、内輪だけの50人位の少人数でのパーティですがサイギッダ様は沢山の方からお祝いのプレゼントを頂き、嬉しそうにしていました。
私の周りにはトムは勿論、いつものように、陛下夫妻と両親に囲まれて楽しく談笑をしていたのです。
侍女が近づいて来て新しい飲み物を持って来てくれたので飲もうとしたのですが、何か変な匂いがするので不審に思い、飲むのを止めて神の目で見て見ると。
【毒入り飲み物、危険】
私は慌てて会場の皆さんに大きな声で。
「飲み物に毒が混入されています!!飲まないで下さーい」
皆さんが飲む前で良かったと思ったのですが、最初に渡された陛下が口に含んでしまい、直ぐに吐き出したのですが、顔色が青くなり、胸を搔きむしり倒れたのです。
王妃様が陛下の口に手を入れて、胃の中の物を吐き出させている間に、私は飲み物を持って来た侍女を金縛り魔法で拘束したのです。
私は、直ぐに陛下に強力な治癒魔法を掛けたのですが、陛下の身体が青白い光に包まれて、顔色は良くなったのですが、意識は戻りませんでした。
パーティを中止して陛下を寝室に運び、王宮の医師に診て頂いたのですが、どうやら陛下は幸いな事に一命は取り留めたのですが意識は戻らず、昏睡状態でいつ意識が戻るか分からないと医師は告げたのです。
王妃様は陛下に付き添い涙を流しながら。
「貴方、お願い、目を覚まして、アリーナ女神どうか陛下を助けて下さい」
と言いアリーナ女神に祈っていたのです。
トムは流石に王太子らしく悔しさを隠して陛下に代わって毅然として指揮を取り、騒ぎを鎮めていたのでした。
私とトムは、捕えて拘束しておいた、毒を入れた侍女の所に行くと、シャネットと近衛騎士団長のライルィが茫然としていたのです。
何と侍女は歯に仕込んでいた毒を飲み、男の姿になり死んでいたのです。
私は女性だった侍女が男になって死んでいたので疑問に思い神の目で見て見ると
帝国の皇帝の放った暗殺者。
変術の魔法使い。
侍女を殺害して侍女に成り変わり、聖女と王国の主要な人物の殺害を企てた暗殺者。
私は、全身の血が逆流する程に、自分が魔の森の捨てられた時以上の怒りに身体が震えて倒れそうになりましたが、トムが支えてくれたので、どうにか倒れずに済みました。
神の目で見た事をトムに伝えると、トムは激昂して。
「帝国めー!卑怯な手を使いやがって、許すものか、今に見ておれ!!」
私はトムの叫び声を聞きながら、アリーナ女神から授かった力を使い、必ず帝国を倒す事を決意したのです。
その時にショウジャ将軍が駆け込んできて
「殿下、スパイからの念話魔道具の報告で、帝国が我が国を侵略するために出陣式を行い、帝都を出発しました」
トムが将軍に向かい。
「分かった、主な者を広間に集めよ、帝国を迎え撃つ軍議を開く」
この日に備えて準備をしていたので、軍議では王太子のトムが陛下に代わり総大将として、ショウジャ将軍を司令官として軍を率い、5万の兵を引き連れて王国と帝国の国境にある、ゴガン高原の王国の最前線であるゴガン砦に向かう事が決まったのです。
王都の守りは、近衛騎士団長のライルィ・バレンタイが2万の兵で守りを固めて、王国の政事は私の父親のヤサモリァ宰相が病床の陛下に代わり、代行することになったのです。
2日後には、出陣の準備が整い、王宮の前の大広場で、大勢の兵士と民衆の前で出陣式が行われ最初にトムが壇上に立ち、決意を述べたのです。
「我々は帝国を打ち破り、王国のみならず大陸の平和を必ず守る決意だ」
次にヤサモリァ将軍が兵士に向かい激を飛ばして。
「兵士諸君!!家族や友人を虐殺者の帝国から守る為に獅子奮迅の働きを期待する」
最後に聖女の私が、真っ白い軍服の騎士姿で壇上に上がり
「皆さん! 私はアリーナ女神から授かった力を使い、必ず帝国を倒す事を誓います。王国軍が帝国を打ち破り、再び皆さんと、この広場で喜びの再会をする事を信んじて待っていて下さい」
私の挨拶が終わると、広場を埋め尽くした民衆から大歓声が沸き起こり、その中を私たちは戦場になるゴガン高原に向かって出陣したのでした。
その様子を宮殿のテラスから見ていた私の母親でセシャター公爵夫人とスズリャ王妃は、アリーナ女神に勝利を願いながら、出陣した私たちが見えなくなるまで見送っていたのでした。
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