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第10話、サヤカ、聖女になる、2
しおりを挟む次の日に、王宮の王族の住む階の応接室に猊下と私の両親、陛下夫妻に私とトムウッド王太子殿下が集まり、侍女や側近などは部屋に入れず話し合いが始まったのです。
まず陛下が私に。
「アリーナ女神様から聖女に認定された後で何か変化は無かったかな?」
私より殿下が私の目を見て。
「サヤカの目が青色から右が紫、左が黄金のオッドアイに変化しています」
皆が私の目を覗き込み王妃様が。
「本当ね、トムウッドよくわかったわね、いつ気が付いたの?」
「昨日ですよ、会って直ぐに気が付きましたよ」
「そうか、大好きな女性だと直ぐに気が付くのね」
殿下が顔を赤らめて。
「母上ー! 何をいうのですか・・・・」
殿下が私を大好き???女性として???
思わず殿下を見てしまい、殿下の少し赤くなった顔を見て、私の心臓は壊れそうな位に早くなり顔に血が上り赤くなったのです。
陛下とお父様が同時にわざとらしく。
「ゴッホン、ゴッホン」
と咳払いをしたので、私は恥ずかしくなり俯いてしまいました。
お父様が胡麻化すかのように。
「真面目にお願いします。まず聖女の立場に付いては200年前の例にならい国王と同等かそれ以上の地位が適当と思われ、呼び名はサヤカ聖女様か聖女様が良いかと思います」
殿下が驚いて。
「という事は、この大陸の最高の高位者になるのか?」
「はい、アリーナ女神様から多分ですが、誰も逆らえない程の力を授かったはずです。サヤカ聖女様、授かった力を教えて下さいますか?」
私は、お父様が私をサヤカ聖女様と呼んだことが気に入らなかったので、後で文句を言う事にして。
「神の目を持つ強力な聖魔法使いで、聖魔法と創造の魔法、空間魔法が使えると言われました」
聞いたお父様は勿論、全員が絶句して金魚のように口をパクパクして固まってしまったのです。
皆さんが正気に戻り殿下が。
「魔法の使い方はわかるの?」
「はい、3日間の寝ている間に教わりました、例えば」
私はテーブルの上にあったお茶の入ったポットを持ち上げて無限空間に入れて仕舞込み、少しして取り出して元の場所に置きました。
次に移転して、窓の外の空に浮かび空から部屋の中の皆さんに手を振り部屋に戻りました。
部屋に戻ると、皆さんが腰を抜かしたのでしょうか?床に座り込んでいたのです。
仕方ないので私は皆さんに治癒魔法を掛けたのです。
皆さんの身体が青白い光に包まれて立ち上がり王妃様が。
「最初に出会った時に、独学で本を読んで学者並みの知識を持っていて、天才かと思ったけれど、今は天才どころか神に近い存在になってしまったわね」
陛下も同調しながらも。
「うん、本当にそうだな、でもサヤカはサヤカだよ」
それから色々と話し合いました。
まず私の住まいは猊下が教会の聖女の間が相応しいと言い、陛下が警護の観点から王宮に住まわすべきだと言いましたが、お父様の宰相が本人の意思を尊重すべきではと言ったので、私は今まで通りスタシャリ公爵家で暮らしたいと言いました(本当はトムウッド殿下のいる王宮で暮らしたかったのですが、・・・・・)
陛下が、私に危害を加える者がいるかも知れないので、私を警護する聖女騎士団を早急に作り、屋敷に常駐させる事を条件にスタシャリ公爵家で暮らす事を認めました。
10日後に王宮で貴族達や豪商、新聞社に聖女の私を紹介するパーティを開く事も決まったのです。
最後に私を呼ぶときは、サヤカ聖女様か聖女様と呼ぶように決められたのですが、私は公的な場所では仕方ありませんが、私的な場所では王家の皆さんと両親には今まで通りサヤカと呼んで欲しいとお願いしたのです。
トムウッド殿下が私の気持ちを察して。
「聖女になったからと、他人行儀にしては、サヤカが孤独になり可哀そうだ」
と言い、私的な場所では家族として今まで通りになり、捨てられていた私を拾い、いつも私を優しく見守ってくれているトムウッド殿下に感謝したのです。
その晩は王宮に泊まったのですが、ベッドに入るとトムウッド殿下の事が頭から離れず、胸が苦しいのです。
もしかしたなら此れが、小説に書いてあった恋なのでしょうか?
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