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第8話、サヤカ、アリーナ女神教会で洗礼を受ける
しおりを挟む次に女性騎士が来た時に、私は最初にお礼を言いました。
「最初の身体作りと言われた意味が良く分かりました。お陰で身体も引き締まり、ダンスの時も身体が軽く上手に踊る事が出来て、ダンスの教師からダンスは卒業だと言われました。本当にありがとうございました」
女性騎士はまじまじと私を見て.
「貴女、見込みがあるわね、直ぐに根を上げるかと思ったけれど、私はシャネット・スワローズよ、宜しくね」
「サヤカ・スタシャリです、宜しくお願い致します」
何と初めて自己紹介をして挨拶を交わしました。
宿題の50週を軽々とこなすとジャネット教師は.
「今日からは1週間に一度、護身術を教えますから」
其れから冷たい態度は無くなり真剣に簡単な護身術から教えてくれたのです。
でも、後に彼女が私の専属の護衛騎士に成るとは夢にも思いませんでした。
そんなある日にお母様とお茶をしている時に
お母様が.
「サヤカ、もうすぐ多分だけど貴女15歳の誕生日ね、教会に行けば本当に15歳かどうか分かるわよ。15歳なら、洗礼を受けて、どんな魔法を使えるか分かるのよ」
「夢みたいですわ、本で読んで知っていましたが、あの図書室に閉じ込められていた時には、私には縁がない物だと思っておりましたから、お母様たちには感謝しております」
「何を言っているのよ、サヤカが娘に成ってくれて、主人も私も生き甲斐が出来て喜んでいるのよ、私が礼を言いたいくらいよ」
いよいよ明日は10月10日でアリーナ女神の誕生祭で洗礼を受ける日です。
食事の時にお父様が。
「間違いなく15歳の誕生日だから心配しないで良いからね、其れよりサヤカがどんな魔法を授かるのか楽しみだよ」
「はい、私も楽しみです、生活魔法でも授かると嬉しいのですが」
弟のガリュウがいつものおちゃめな顔で。
「聖魔法が授かったら凄いね」
お母様が真面目な顔で。
「それは無いでしょう、聖魔法は伝説の魔法で200年前の聖女様が授かって以来、授かった人はいないのよ、サヤカが授かったなら大変よ、国を上げて、いや、大陸中が大騒ぎよ」
私はその時、私が聖魔法を授かるとは夢にも思わなかったのです。
今日は10月10日で、アリーナ女神の誕生祭で私が洗礼を受ける日です。
朝からサヨは当人の私より興奮していて、私はなるべくシンプルな装いにと注文したのです。
然し、予想より少し派手な装いになり、私は珍しく、宝石などの飾り物を外すように言い、サヨは嘆いていましたが、白を基調にした薄い水色のシンプルで清らかに見えるドレスの服装で、両親と弟に付き添われて,王都にあるアリーナ女神様の総本山の教会に来たのです。
今日の洗礼者は5人いましたが、下位の人から洗礼を受ける習わしなので、公爵令嬢の私は最後でした。
私は、お父様に先導されて教会のアリーナ女神様の像が飾られている祭壇の前に行くと、司祭長様が祈りを捧げた後に。
「アリーナ女神像の掌に自分の手を乗せるように」
言われて、私の手を乗せると、青白い光が眩しく教会の外まで光り出して、王都の多くの住民も何事かと驚いていたのです。
お父様は勿論、司祭長と立ち会っていた、教会の最高責任者の猊下も立ち上がり、私を見つめたのです。
光が消えると、アリーナ女神像から柔らかく優しい女性の声が聞こえて来たのです
【サヤカ・スタシャリ貴女を聖女に認定しました】
教会内に響き渡る声で、アリーナ女神様が宣言されたのです !!
私は、何がどうしてこうなったのか分からずに、口をパクパクさせて。
「な、何かの間違いですよね」
と呟いていたのでした。
猊下が私の前に来て跪き。
「聖女様、200年ぶりに誕生したサヤカ聖女様、私たち教会は全力を挙げて貴女様に力を捧げます」
私は、教会本山にある200年の間も使われなかった、聖女の間に連れて行かれて、真っ白で宝石をちりばめた清楚で豪華な椅子に座らされたのです。
お父様とお母様が側にいて支えてくれなかったら私は意識を失っていた事でしょう。
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