31 / 37
第31話、ルイザと初めてのデート
しおりを挟むカミラがナラン王都に戻ってから2カ月が過ぎたが、その後の報告もなく、今は戦闘の訓練に明け暮れる毎日を送っている。
兵士たちも激しい訓練で疲れが見えて来たので3日間の休養日を与えた。
俺たちも久し振りの休養日で1日目は屋敷でのんびりしていたが、2日目になるとルイザが暇を持て余したのか。
「ねぇ~。退屈だわ。どこかにお出かけしませんか」
そう言えばルイザは俺の婚約者なのにデートなどしたことがないので食事に連れて行こうと思い。
「ルイザ、食事にでも行こうか? 」
ルイザは飛び上がって喜び。
「嬉しいー! 行きましょう。チョト待ってね。着替えて来るわ」
チョットというから直ぐに来ると思ったのに1時間近く待たされて来ると、ルイザを見て普段は武術の訓練で男みたいな服装と髪は後ろに一つに括っていたのに、今は綺麗でシンプルな水色のドレス姿で髪もおろして綺麗にしている。
余りにも奇麗すぎて俺は見とれてしまい。暫く言葉がでないでいると。
「私、おかしいですか? 」
「綺麗すぎて言葉が出なかったよ。ルイザは本当に綺麗だ。惚れ直すよ」
ルイザは俺に褒められて恥ずかしいのか。
「もぅ~、クロード様にそんな事を言われたなら恥ずかしいわ」
最近はルイザを娘のように可愛がっている母上が見て。
「ルイザちゃんは本当に綺麗ね。クロードには勿体ないくらいだわ」
「そんな事はないですよ。クロード様は顔も奇麗で何よりも強いので私に勿体ないくらいですわ」
「あら、あら、お惚気を聞かされて私の方が熱がでるわ。今日はデートね。楽しんでいらっしゃい」
母上に冷やかされ見送られて街に出たが、街の住民には王国軍が攻めて来るのをまだ知らせていないので買い物をする人たちで賑わっている。
住民たちは俺たちを見ると今では気安く挨拶をしてくれている。
今日は久し振りに海を見たいのでグレースが教えてくれた、海辺の高台に新しく出来たレストランに行くとルイザが。
「こんな所にレストランが出来たのね。海が見えて綺麗なレストランだわ。クロード様は来たことがあるの? 私、以外の女性と来たの」
「ルイザ以外の女と来るはずがないだろう。グレースに教えてもらって今日が初めてだ」
店に入るとそのグレースとバッサムがいたので驚いた。
バッサムが俺たちを見て。
「クロード様今日はルイザ様とデートですか? 」
グレースが。
「実は私たち結婚することになりました」
ルイザが。
「それはおめでとうございます」
俺はグレースがバッサムを好きで口説いていたのを知っているので。
「グレース思いが叶って良かったな。おめでとう」
グレースが。
「ありがとうございます。この店は私が開いた店で奥に個室があるので案内いたします」
グレースの店なら知っていて俺に教えたのも当然だ。
個室からは海が一望でき、海には島が見える。
島は陸から2km先の所にあり、結構大きな島で以前は人が住んでいたが、今は無人島みたいなので何かの役に立ちそうだ。
料理は海の食材を使った料理が多く美味しかった。
この世界には大豆はあるのに醤油、味噌。ワサビがないので大好きな刺身が食べられない。
前世では組長につれられてフランス料理などの高級料理を食べ歩いたが、俺はカレーやラーメンなどの庶民の食べ物のほうが好きだった。
落ちついたなら醤油、味噌、カレー、ラーメン作りに挑戦するつもりだ。
ルイザは武術が大好きなのでデートに相応しくない剣や魔法の事を質問して、俺は苦笑交じりに答えていたのだ。
食後のコーヒーは前世のコーヒーと比べても美味しくお代わりをしたくらいだ。
店を出ると島が気になりルイザに。
「島に行ってみないか? 」
「え? 船もないのにどうして行くの? 」
「空間移転で行くよ」
「あっ! そうか」
空間移転で行くと、この領地は南国なのでヤシの木や野生のバナナが生えていて綺麗で、島の大きさは佐渡ヶ島くらいの大きさで島を見て回ると見たことのある植物が生えていた。
何と! サトウキビではないか。
俺はこれで念願の砂糖が作れる!
だが、今は戦争が起きるので、落ち着いたなら砂糖を作る事にしたのだ。
夕暮れ時に綺麗な夕焼けが出たので小高い丘からルイザと見ているとルイザが俺の肩にもたれて。
「私はクロード様が死ぬほど大好きで愛しているわ」
急に言われてビックリしたが俺も前世も含めて愛の言葉を恥ずかしいが言い。
「俺も同じだ。ルイザが大好きで愛しているよ」
「嬉しい、もう死んでも良いわ」
「死なれたら俺が困るよ。折角、大好きなルイザが出来たのに」
「フフフ、そうね」
ルイザが可愛いので俺は思わずルイザを抱きしめてキスをした。
ルイザも俺に抱きついてキスに激しく長い時間こたえていた。
俺はこの瞬間を一生忘れないで、死ぬまでルイザを愛し抜く事を誓ったのである。
66
お気に入りに追加
441
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
(改訂版)帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる