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第31話、ルイザと初めてのデート

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 カミラがナラン王都に戻ってから2カ月が過ぎたが、その後の報告もなく、今は戦闘の訓練に明け暮れる毎日を送っている。

 兵士たちも激しい訓練で疲れが見えて来たので3日間の休養日を与えた。

 俺たちも久し振りの休養日で1日目は屋敷でのんびりしていたが、2日目になるとルイザが暇を持て余したのか。

「ねぇ~。退屈だわ。どこかにお出かけしませんか」

 そう言えばルイザは俺の婚約者なのにデートなどしたことがないので食事に連れて行こうと思い。

 「ルイザ、食事にでも行こうか? 」

 ルイザは飛び上がって喜び。

「嬉しいー! 行きましょう。チョト待ってね。着替えて来るわ」

 チョットというから直ぐに来ると思ったのに1時間近く待たされて来ると、ルイザを見て普段は武術の訓練で男みたいな服装と髪は後ろに一つに括っていたのに、今は綺麗でシンプルな水色のドレス姿で髪もおろして綺麗にしている。

 余りにも奇麗すぎて俺は見とれてしまい。暫く言葉がでないでいると。

「私、おかしいですか? 」

「綺麗すぎて言葉が出なかったよ。ルイザは本当に綺麗だ。惚れ直すよ」

 ルイザは俺に褒められて恥ずかしいのか。

「もぅ~、クロード様にそんな事を言われたなら恥ずかしいわ」

 最近はルイザを娘のように可愛がっている母上が見て。

「ルイザちゃんは本当に綺麗ね。クロードには勿体ないくらいだわ」

「そんな事はないですよ。クロード様は顔も奇麗で何よりも強いので私に勿体ないくらいですわ」

「あら、あら、お惚気を聞かされて私の方が熱がでるわ。今日はデートね。楽しんでいらっしゃい」

 母上に冷やかされ見送られて街に出たが、街の住民には王国軍が攻めて来るのをまだ知らせていないので買い物をする人たちで賑わっている。

 住民たちは俺たちを見ると今では気安く挨拶をしてくれている。



 今日は久し振りに海を見たいのでグレースが教えてくれた、海辺の高台に新しく出来たレストランに行くとルイザが。

「こんな所にレストランが出来たのね。海が見えて綺麗なレストランだわ。クロード様は来たことがあるの? 私、以外の女性と来たの」

「ルイザ以外の女と来るはずがないだろう。グレースに教えてもらって今日が初めてだ」

 店に入るとそのグレースとバッサムがいたので驚いた。

 バッサムが俺たちを見て。

「クロード様今日はルイザ様とデートですか? 」

 グレースが。

「実は私たち結婚することになりました」

 ルイザが。

「それはおめでとうございます」

 俺はグレースがバッサムを好きで口説いていたのを知っているので。

「グレース思いが叶って良かったな。おめでとう」

 グレースが。

「ありがとうございます。この店は私が開いた店で奥に個室があるので案内いたします」

 グレースの店なら知っていて俺に教えたのも当然だ。

 個室からは海が一望でき、海には島が見える。

 島は陸から2km先の所にあり、結構大きな島で以前は人が住んでいたが、今は無人島みたいなので何かの役に立ちそうだ。

 料理は海の食材を使った料理が多く美味しかった。

 この世界には大豆はあるのに醤油、味噌。ワサビがないので大好きな刺身が食べられない。

 前世では組長につれられてフランス料理などの高級料理を食べ歩いたが、俺はカレーやラーメンなどの庶民の食べ物のほうが好きだった。

 落ちついたなら醤油、味噌、カレー、ラーメン作りに挑戦するつもりだ。

 ルイザは武術が大好きなのでデートに相応しくない剣や魔法の事を質問して、俺は苦笑交じりに答えていたのだ。

 食後のコーヒーは前世のコーヒーと比べても美味しくお代わりをしたくらいだ。



 店を出ると島が気になりルイザに。

「島に行ってみないか? 」

「え? 船もないのにどうして行くの? 」

「空間移転で行くよ」

「あっ! そうか」

 空間移転で行くと、この領地は南国なのでヤシの木や野生のバナナが生えていて綺麗で、島の大きさは佐渡ヶ島くらいの大きさで島を見て回ると見たことのある植物が生えていた。

 何と! サトウキビではないか。

 俺はこれで念願の砂糖が作れる!

 だが、今は戦争が起きるので、落ち着いたなら砂糖を作る事にしたのだ。

 夕暮れ時に綺麗な夕焼けが出たので小高い丘からルイザと見ているとルイザが俺の肩にもたれて。

「私はクロード様が死ぬほど大好きで愛しているわ」

 急に言われてビックリしたが俺も前世も含めて愛の言葉を恥ずかしいが言い。

「俺も同じだ。ルイザが大好きで愛しているよ」

「嬉しい、もう死んでも良いわ」

「死なれたら俺が困るよ。折角、大好きなルイザが出来たのに」

「フフフ、そうね」

 ルイザが可愛いので俺は思わずルイザを抱きしめてキスをした。

 ルイザも俺に抱きついてキスに激しく長い時間こたえていた。

 俺はこの瞬間を一生忘れないで、死ぬまでルイザを愛し抜く事を誓ったのである。
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