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第6話、領民を増やす
しおりを挟むアリスさんはナル王都から馬車で10日間かかる道中、盗賊団も出るのに危険を冒してクラーク子爵領まで来たのは塩だけでなく米にも興味があったらしい。
アリスさんを宿に送って行くと、何と護衛の人数が50人もいてナル王都からの旅が盗賊にも襲われず無事だったのには納得した。
アリスさんがクラーク子爵領に滞在したのは10日間でその間に色んな話をしたが、俺の一番の悩み領民が少なく労働力不足で困っていることだ。
その為に塩の増産も出来ない事、お米の生産も増やせないと言うと。
「ナル王都には貴族同士の争いが多く仕事に付けなく失業者が多く困っているので、移住者を募集してみてはどうかしら。ナル王都だけでなく他の領地でも去年の大雨で災害が起き失業者が多く困っていると聞いたわ」
「そうなのですか。アリスさんが帰る時に職業紹介所の人を王都に連れて行ってくれませんか。ナル王都にクラーク子爵領の職業紹介所を開設して移住者を募集してみます」
「職業紹介所? 初めて聞くわ。どんな仕事をするのかしら」
職業紹介所の仕事の内容を説明すると。
「凄いわ! 画期的な考えね。私も協力するわ」
キャシーにそのことを言い、誰をナル王都に派遣するか相談すると。
「そんなの決まっているでしょう。そんな大事な仕事なら私が行かないとダメだわ」
「もう1人連れて行かなくて大丈夫なのか」
「王都で働く人を募集した方が、王都に詳しい人が見つかるから向こうで募集することにするわ」
俺がやはり年頃のキャシーを王都に行かすのを躊躇しているとアリスさんが。
「私が当分の間、自宅に泊めて面倒を見るから安心しなさい」
その後アリスさんは試しにお米をナル王都で売ってみるといって塩とお米を多量に買い、馬車20台に荷物を積み護衛を増やしてキャシーをつれてナル王都に帰った。
アリス商会には一体どのくらいのお金があるのか知らないが、今回俺に入ったお金は白金貨40枚、4億ルピーで円にすると16億円でこれからも定期的に塩を売るのでそのたびに多くのお金が入るので貧乏子爵と言われていたのが嘘のようだ。
キャシーには土魔法を使える人は優遇するのでなるべく沢山の人を募集してくれるように頼んでおいたが、果たしてどのくらいの移民が集まるだろうか。
移民が沢山来ることを願い受け入れの準備をして、住まいを建てる事にした。
前世の公団住宅を真似て単身用は1LDK家族用には3LDK、トイレは簡易水洗を取り入れた。
この世界は短命で子供の3割が5歳までに死ぬのは不衛生だからだと思うので街を作り替えて水道と下水を整備したいのだが、土魔法を使える人が少ないので今回の移民に土魔法を使える人が来たなら水道と下水や道路を整備するつもりだ。
キャシーがナル王都に行って職業紹介所を開設したとの連絡があったのは1カ月後で、こんな時に携帯電話があったなら便利なのにと思ったが、ない物は仕方がない。
そういえば伝書鳩を思い出し、無線が出現するまでは軍用の伝書鳩がいた程なのでこの世界にも鳩がいるので伝書鳩を試す事にした。
後で試したところ、この世界の鳩でも伝書鳩に使えることが分かり、連絡に使い始めた。
俺は毎日、忙しく軍事はデニスに任せているが、デニスから最近モーガン伯爵軍の動きが怪しいので監視を強化すると言って来た。
あの大雨の災害から1年でまだモーガン伯爵領内の道路はまだ復旧しておらず、戦いを仕掛けるのは当分先になるだろうが、それまでに兵士も増やすつもりでいる。
移民の為の住宅が完成し、3階建ての1棟に100部屋があるので10棟を用意したから家族持ちなら1,500人の移民が来ても大丈夫だ。
キャシーがナル王都に行って職業紹介所を開設したとの連絡があって、その2か月後に移民がクラーク子爵領に向かったとの連絡あり、その数に驚いたのだ。
何と移民の数は3千人で俺は大急ぎで住宅を作り、何とか移民が到着する前に完成させた。
やはり土魔法が使えると便利で土魔法が使えなかったなら災害からの復旧や移民を迎える住宅の建設などこんなに早くできなく、土魔法を使えてつくづく良かったと実感したのだ。
クラーク子爵領は災害で人口が減り事務官のブラッドとカミラが住民台帳を作ると今の領民は7、757人で3千人が移住してもやっと1万を少し超えるだけでまだまだ足りない。
当分の間は移住者の募集を続けるつもりだ。
待ちに待った移住者が到着して移住者用の建物の前の広場で歓迎会を開き、俺が3千人に聞こえるように声を張り上げて最初の挨拶をして。
「皆さんようこそわがクラーク子爵領に、歓迎いたします。俺は領主のアラン・クラーク子爵です。このたびはクラーク子爵領に移住していただきありがとうございます。いまからこの広場で歓迎会をひらきます。用意したのは特産品の米で作ったおにぎりです。おにぎりにはやはり特産品の塩を使い、味をつけております。皆さんがこれからここを故郷にして新しい特産品を作って豊かな暮らしをすることを願います。簡単ですが歓迎の挨拶を終わりますが、何か質問はありませんか? 」
1人男性の移住者が手を上げて。
「私たちは無職で仕事につけて生活できるのでしょうか? 住まいはどうなるのでしょうか」
移住者はナル王都でも仕事がなく食べるのもやっとだったのでもっともな質問なので目の前の団地を指差し。
「皆さんが済むところは用意いたしました。目の前の建物があなた達の住まいで3千200人が住めますので安心してください。住まいは俺からのプレゼントで無料で渡します。仕事は沢山あるので明日からでも働く事が出来ます。但し仕事に就く前に俺が面接をしてその人に合った職業を進めるのでご了承ください。面接は明日からこの目の前にある建物の1階の集会所で行います」
俺が質問に答えると歓声が沸き、おにぎりを食べて美味しいと言いその後、住まいに案内されて部屋を見て余りにも綺麗でお風呂があるのと水洗トイレには驚いていたらしい。
1週間かけて心眼を使って面接をしたが移民の中には王国軍の幹部の横暴に嫌気がさして辞めた兵士が多く500人もいたのだ。
その他にも兵士に向いている移民が多く全部で800人を兵士にしてデニスに預けバニーやアニーと一緒に兵士の訓練をすることになった。
これでモーガン伯爵軍より兵士の数が多くなり戦いに勝てるだろう。
残りの移民は塩作りと農作業に従事させて塩田を増やし塩と米の増産をすることにしたのだ。
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♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
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